大人のおしゃれはかくありたい!「黒ハンドバッグ」に宿る、静謐な美学|シンプルな佇まいが放つ圧倒的な存在感が手にする女性の真価を語る
強い主張があるわけではないのに、絶対的な美しさを漂わせる、黒のハンドバッグ。賑やかなトレンドが話題の今だからこそ、この稀有な存在価値について、振り返ってみたいものです。
この特集から今回は「デルヴォー」の名品バッグ『ブリヨン』をご紹介します。
デルヴォー『ブリヨン』|長きにわたり、世界のセレブリティの愛用バッグに
1958年、ブリュッセル万博での建築からインスパイアされて生まれたのが、この『ブリヨン』。ブランド名の頭文字である「D」をかたどった中央のバックルが、さりげないアクセントになっている。
ジャクリーン・オナシス・ケネディなど、長きにわたり、世界のセレブリティの愛用バッグに。
ストイックなまでの美しさが、本当の自分を照らし出す
削ぎ落とされた黒ハンドバッグ、それは洋服でいうところの、トレンチコートやテーラードジャケット、白シャツのような、王道アイテムです。誰もがひとつはもっている、タイムレスに活躍するワードローブのひとつ。持っていると、まるでその人の一部のようになじんでしまう。しかしそれは同時に、手にする人自身の、真価が問われもします。
派手な装飾がない黒ハンドバッグは、実際に人が手にすることで、初めてその存在感が立ち上がり、持ち主を美しく輝かせます。これは、シンプルなデザインだからこその効果。インパクトが強いバッグを持っている人に会ったあと、その人自身ではなく、バッグの印象しか残らなかったことはありませんか?もしくは、多くの人が手にする“イットバッグ”を持っている人の、個性が結局つかめなかったことは?だけど黒ハンドバッグはごまかしがきかないぶん、手にした人の着こなしを引き締めるだけでなく、やや大げさにいうならば、人間性をも映し出していきます。それはつまり、バッグを持つことで、本来の自分の魅力を引き出してくれるけれど、その反対に、バッグに見合う自分でもいなくてはならないということ。ある意味、トレンドを超越しているので、バッグがどう見えるかは、持っている自分に責任がかかってくるのです。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- STYLIST :
- 望月律子(KIND)
- EDIT&WRITING :
- 湯口かおり、古里典子(Precious)