クローゼットにはすでに収まりきらないほどたくさんの素敵なコートがあるのに、季節が変わる頃にはまた、新しいコートが欲しくなってしまうのはなぜ?

雑誌『Precious』11月号では特集「この冬こそ、運命の『贅沢コート』に出合う」を展開。最旬のときめきとラグジュアリーな存在感を備えた、とびきり贅沢な一着のコートに、今の私らしさを託して、冬の街を颯爽と歩きたい! そんな「贅沢コート」から、幸福な冬支度を始めてみませんか。

この特集のなかから、本記事ではスタイリスト 押田比呂美さん提案の「ドラマティック・コート」をさらに盛り上げるインパクト小物術をご紹介します。

大人コーデ_1,冬コーデ_1
押田比呂美さん
スタイリスト
(おしだ ひろみ)『Precious』創刊時から、ラグジュアリーで華のある女性像を表現し続けるスタイリスト。自身のインパクトのある艶やかなモノトーンスタイルも人気で、エレガンス派の読者はもちろん、女優たちからの支持も厚い。

凛と華やぐ、「ドラマティック・コート」に恋して

プライベートでも常にエレガントな装いが素敵な押田比呂美さん。いつもながらに感心するのは、黒がとびきり華やかなこと。今回のコートのテーマは手仕事の技を感じるクチュール感と、圧倒的な女らしさ。やはり黒が要になります。

「まとうだけでドラマティックに華やぐコート選びから始まりました。非日常のステージを知っている女優たちがまとうようなオーラのあるコートです。あえて色も黒と白に。選び始めて気付いたのは、図らずもすべて愛するイタリアブランドのコートだったこと(笑)。匂い立つような色気と、迫力と、包み込むような暖かさは、まさに往年のイタリア女優のイメージだったのです」と押田さん。 

彼女たちにとってコートは、移動の空港で、レストランの入り口で、モンテナポレオーネのブティックで…とスナップに欠かせないアイテム。一枚でオーラを輝かせるために不可欠なのです。

「肌露出が少ないのに、ジュエリーやバッグで盛り上げるのもさすがです!」と押田さんは分析。そんな女優オーラのあるコートと小物使いを披露してもらいました。

「ドラマティック・コート」をさらに盛り上げるインパクト小物術

リッチでコクのある女らしい小物使いが得意な押田さんのコーディネートでは「主役の服が決まると、おのずと合わせたい素敵な小物のイメージが浮かぶ」のだとか。その極意は…。 

「色味を抑えながらもパッと目を引く大胆さや遊び心のあるものを。常にエレガントに、女らしく仕上げたいので、素材には艶や煌めきが欠かせません」 

今回のスタイリングイメージは、手仕事のクチュール感とイタリア女優のように艶やかなインパクト。それだけに小物にも、繊細な手仕事の装飾感、光沢と贅沢なボリュームが感じられます。 

例えば、コートに合わせたブレスレットウォッチも、さりげなく3連ゴールドをのぞかせるところに圧倒されます。またクラシックなコートには、あえて少しハードなカットオフのビジューグローブで外しを。毛足が長い白のコートには、パールのブローチを2つ、贅沢に重ねづけしています。 

「遊び心のある大胆な小物使いも、ベースになるのが本物の“贅沢コート”だからこそ、説得力があり、心満たされるのです」

「コートを選ぶときはいつもそのパワーを最大限に引き出すジュエリーや小物合わせを同時に考えています」(押田さん)

■1:迫力の3連ブレスウォッチでイタリア女優のオーラを

コート_2,時計_1,高級時計_1
時計『セルペンティ スピガ』¥9,251,000・ピアス¥1,111,000(ブルガリ ジャパン)、コート¥232,100・シャツ¥46,200・レザーのブラックタイ¥27,500(マックスマーラ ジャパン〈スポーツマックス〉)

ハンサムなチェスターコートに合わせるのは、女優オーラを放つジュエリーウォッチ。こっくりとしたピンクゴールドのブレスレットが、肌に吸い付くように3連の輪を描く。

■2:コートの装飾に負けないエレガントな足元に

コート_3,靴_1,スカート_1
靴¥192,500(セルジオ ロッシ)、コート¥1,683,000・スカート¥544,500(ウールン商会〈エルマンノ シェルヴィーノ〉)

ムートンコートの足元をエレガントに仕上げるなら、レザーよりファブリックの靴を。シルキーなストレッチサテンのブーツには、ビジューのスクエアバックルが魅せ場をつくって。スパンコール刺繍のスカートとも好相性。

■3:クラシックなコートにはあえて“攻め”の小物を

小物_1,コート_4
グローブ¥121,000・コート¥440,000/予定価格(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)

ビジュー刺繍をあしらったナッパレザーのグローブは、黒のカットオフがどこかロックな佇まい。クチュールテイストのコートには、相反する要素をぶつける遊び心が、単なるクラシックとは一線を画すサインに。

■4:マットな黒には、端正な煌めき小物を重ねて

コート_5,バッグ_1,ブレスレット_1,時計_2,高級時計_2,ニット_1,パンツ_1,小物_2
“ヴァレンティノ”のコート¥478,500・同ニット¥214,500・同パンツ¥231,000・“ヴァレンティノ ガラヴァーニ”のバッグ¥487,300・同グローブ¥91,300(ヴァレンティノ ジャパン)、ブレスレット¥3,575,000・時計¥1,870,000(ブチェラッティ)

美術品のように細やかにビジュー刺繍を施したバッグに、手仕事の繊細さが際立つジュエラーの白い輝きを重ねて、黒を軽やかに。

■5:ブローチは2個づけで洗練に差をつける!

ピアス_1,小物_3,コート_6,ニット_2
ピアス¥2,200,000・ブローチ/上から¥621,500・¥2,310,000(ミキモト)、コート¥616,000(三喜商事〈アニオナ〉)、ニット¥42,900(アノア〈セミクチュール〉)

白いアンゴラコートの優しい雰囲気に似合うのが、気品漂う艶やかなパールジュエリー。毛足の長い生地の上でも映えるパールのブローチを、胸元に2つ重ねて、ドラマティックに。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

PHOTO :
久富裕史(No.2/人物)
STYLIST :
押田比呂美
HAIR MAKE :
hiro TSUKUI(Perle/ヘア)、川原文洋(UM/メイク)
MODEL :
大政 絢(Precious専属)
EDIT&WRITING :
藤田由美、池永裕子・喜多容子(Precious)