創業者:フランチェスコ・イロリーニ・モ
創業地:イタリア・ピエモンテ州ヴェルチェッリ県・ボルゴセージア
創業年:1953年。布地づくりからデザインまでを自社で一貫するウィメンズのラグジュアリーブランド。イタリアの素材と生地のスペシャリストとして、ハンドメイドの技術とエフォートレスな着心地、上品さを実現。

創業の地ボルゴセージアにあったかつての社屋

ディオール、ジバンシィ…。トップクチュリエに愛された極上ファブリック

■創業当時のエピソード

代表作スパッツォリノコートを着用した創設者のフランチェスコ・イロリーニ・モ

1953年、創設者フランチェスコ・イロリーニ・モが38歳のときに設立。エルメネジルド ゼニア(Ermenegildo Zegna)のエルメネジルドとその息子と共に、高級服地ブランドとして、世界トップクラスのメゾンに最高級生地を卸すサプライヤーとして創業しました。その工場として拠点を置いたのは、イタリア・ボルゴセージアのアニオナ。ブランド名は、このモンテローザの麓にある村の名前に由来しています。

■ブランドの転機

Lanerie Agnona Fabricを使用したエミリオ・プッチ作のスーツ 1963-64年秋冬

フランチェスコ・イロリーニ・モの生地製作における並々ならぬ情熱により、1960年代には、クリストバル・バレンシアガや、クリスチャン・ディオール、ユベール・ド・ジバンシィなどが、その生地をコレクションに採用。今もファッション業界を牽引する、名だたるメゾンの創業デザイナーたちにとって、アニオナは、最も重要な生地のサプライヤーとなっていきます。

Lanerie Agnona Fabricを使用したピエール・カルダン作のコート

約20年に渡りトップクチュリエと協業を続けてきた後、1972年には自身のプレタポルテコレクションを発表。ヤーンからファブリック、ファッションのコレクションまでを創作・生産するようになります。ファッションブランドとしてスタートした後も、最高級の生地と卓越したテーラリングの研究を継続。現在は、イタリアを代表する上質で洗練されたラグジュアリーブランドとして、その地位を確立しています。

■ブランドのアイコン・定番アイテム

アニオナのコレクションカタログ1976年
アニオナのコレクションカタログ1980年
アニオナ広告キャンペーン 2002年秋冬。Photo:Patrick Demarchelier

1972年のプレタポルテコレクションから、ブランドのアイコン・定番となっているのが、コート、ジャケット、スカーフなどのアイテム。圧倒的な軽さを誇る最高級のホワイトカシミヤや、強くやわらかな肌ざわりのアルパカ、一時期は王族にのみ使用が許されていたというビクーニャなど、メゾンのシグネチャーである布地は、どれも天然の加工や仕上げにこだわっており、素材ならではの特性と本来の優雅さを感じられるのが魅了です。

■ブランドの現クリエイティブ・ディレクター

クリエイティブ・ディレクターのサイモン・ホロウェイ

2015年11月、クリエイティブ・ディレクターとしてサイモン・ホロウェイが就任。イギリスとアメリカで育ったサイモンは、ニューキャッスルとキングストンでファッションを学びます。クロエとソニア・リキエルにてキャリアをスタートし、アメリカに移ってからは、リチャード・タイラー、ナルシソ・ロドリゲス、ラルフ・ローレンのシニアデザイナーに。さらにロンドンではジミー・チュウ、ミラノではホーガンのクリエイティブ・ディレクターを歴任し、才能と実力、経験を兼ね備えた人物として、2016-17年秋冬よりアニオナのコレクションを手掛けています。

メゾンに繊細な感性を吹き込む、サイモン・ホロウェイのアートやテーラリング、オートクチュールへの深い造詣。過去数十年に渡る生地の革新と、イタリアのクチュール技術が融合することで、アニオナのコレクションは、フェミニンでありながらも、さらにピュアでリラックスしたスタイルへと進化を続けています。