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まだまだ楽したらあかんって思います
「僕には趣味がなくて、飽きっぽいし、ひとつのことを長く続けられるタイプではありません。けれど演劇だけは、こうして続いている。学生のときに演劇サークルに入って、役者だけでなく音響から照明、小道具づくり、チラシづくり…。いろいろな作業を仲間と一緒にやってきたのは、今につながる貴重な体験です。とはいえ、最初から役者になりたかったわけではなくて、家業の酒蔵を継ぐときに人前で話すことも役に立つだろうと始めただけで。それでも、一緒に舞台をつくる仲間がいる。それが、原動力かもしれません」
―これまで、年に1〜2本の舞台出演を継続している佐々木さん。最新舞台『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』の会場となる東京芸術劇場 プレイハウスは、これまでに何度も演じてきた場所。そして、学生だった1990年に、開館イベントで劇団「惑星ピスタチオ」としてパフォーマンスをした特別な場所。当時はまだ、実家である京都の酒蔵を継ぐことを考えていた時期だった。
「それから30年経って、いまだに完全に満足いく作品なんてありあせん。それでも向き合い続けていく。体力はものすごく必要で、キツいと思うこともよくあります。でも、先輩俳優たちが、いろいろなところで元気に演じじていらっしゃるのを見ると…。中井貴一さんも、小日向文世さんも、さらりと演じているように見えて、ものすごい準備と努力をされているんだと思うんです。僕も、まだまだ楽したらあかんって思います」
仙台や大阪、高知での公演は楽しみだし、そろそろ台湾も行きたい
―体力と精神力がものを言う舞台活動を続けながら、どんなセルフケアをしているのでしょうか。
「朝は白湯、稽古や舞台中は果実酢を飲んでます。朝の白湯は代謝を上げるというじゃないですか。そしてクエン酸は疲れをとってくれるという。でもやっぱり、いちばんの楽しみは夜の日本酒です。今年も美味しい新酒ができたな、と気持ちよく頂いています。
酒を飲んでいい気分になっても、いざベッドに入ると、舞台期間中は気持ちがたかぶってよく眠れません。頭を空っぽにして数字を数えてみたりするけれど、やっぱり芝居のことを考えてしまって、眠れなくなってしまう。うまく寝る方法があったら本当に知りたいです」
―では、舞台が終わったらゆっくり眠り、そして…。
「どこか暖かいところに旅行に行きたいな。海外ならまず近場の台湾とかいいですね。旅行に行ったら、とにかくゆっくり過ごしたいです。でもまずは『守銭奴』の公演で仙台や大阪、高知を訪れるのは今から楽しみです。近場の温泉を探そうかな」
―全身をフル稼働させて向かう舞台は、改めて佐々木さんにとってどんな場所なのでしょうか。
「洞窟の中をずっと進んでいるみたいで、先が見えないときもあります。でも、先のほうに明かりがあるんだろうと思って進んでいく。正直、しんどくてこれはマズイぞと思うことは、何度もあります。それでも続けているのは…任された仕事だから、でしょうか」
と、少し遠くを見ながら笑顔を見せる佐々木さんは、大変だけど「楽しい」といったご様子。演じるアルパゴンはお金が何より大事だけど、佐々木さんにとって「いちばんは笑顔。自分の娘や息子よりもお金を愛しているなんて、1ミリも共感できません!(笑)」。
■『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』
どケチなアルパゴン(佐々木蔵之介)は、召使をはじめ、息子と娘にまで極度の倹約を強要し、家族の我慢も限界に達している。そんなある日、アルパゴンは再婚したいと申し出る。その相手は、実の息子が恋した相手・マリアーヌだった! ケチな父親とその息子・娘、それぞれの恋人たちとの七転八倒のやりとりの最中で、思いがけない秘密が明らかになる…。
■日程:2022年11月23日(水・祝)〜12月11日(日)東京芸術劇場 プレイハウス
宮城・大阪・高知公演もあり。
■作:モリエール 翻訳:秋山伸子
演出:シルヴィウ・プルカレーテ
出演:佐々木蔵之介、加治将樹、竹内將人、大西礼芳、天野はな、茂手木桜子、菊池銀河、安東信助
長谷川朝晴、阿南健治、手塚とおる、壤 晴彦
問い合わせ先
- SANYO SHOKAI カスタマーサポート TEL:0120-340-460
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 中田陽子(MAETTICO)
- STYLIST :
- 勝見宜人( Koa Hole inc. )
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- 晋一朗(IKEDAYA TOKYO)
- WRITING :
- 南ゆかり