2019年春、伊勢丹新宿店メンズ館が全館リモデルオープンした。メンズプレシャスはフロアごとの詳細を徹底取材、第3回となる本記事では、人気ブランドが集結した、地下1階のバッグ&ラゲッジフロアを取り上げる。

毎年恒例のピッティ・ウォモ取材をはじめ、各地の取材旅行でラゲッジをハードに使いこなす、メンズプレシャス・エグゼクティブファッションエディターの矢部克已が、魅惑のゾーンを探訪する。

 

伊勢丹新宿店メンズ館地下1階は、充実のバッグコーナーに加えて、ラゲッジも売り場を拡大!

ますます充実した地下1階のバッグ&ラゲッジフロア。右手が新設されたラゲッジコーナーだ。
ますます充実した地下1階のバッグ&ラゲッジフロア。右手が新設されたラゲッジコーナーだ。
“グローブ ・トロッター”は圧巻の品揃え。
“グローブ ・トロッター”は圧巻の品揃え。

 今回は地下1階、バッグ&ラゲッジフロアのリニューアルのご紹介。棚に並んだ“フルラ”“フェリージ”“ステファノマーノ”など、巧みなブランドのバッグが際立つほか、フロアの刷新で強化されたのがラゲッジのコーナーだ。

 “リモワ”“グローブ・トロッター”“スマイソン”“セラピアン”など、『メンズプレシャス』の誌面でもおなじみの「旅のハイブランド」が一目瞭然にレイアウトされている。単に物を買うだけの消費ではなく、体験的な消費に喜びや価値を求める消費者が増えるなか、「旅」に関連するヒネリのある品揃えは、まさに実体験に繋がり人気を呼びそうだ。

ラゲッジコーナーのテーマは「ラグジュアリー」「パーソナライズ」

 ラゲッジコーナーのテーマは、「ラグジュアリー」「パーソナライズ」である。よりラグジュアリーに旅を楽しむために、どんなブランドのどんな商品を選ぶべきか。そして、今のファッションの潮流と大いに共通するのが「パーソナライズ」。自分だけのオリジナルにつくり上げる仕組みを徹底的に築いたのが、このフロアの最大の進化だ。

 まず、「ラグジュアリー」から見ていくと、世界有数の2大ラゲッジブランドが存在感を放つ。旅の醍醐味を演出するファッション性の高い“グローブ ・トロッター”と、機能的かつスマートな“リモワ”がスペースを広くとり、それぞれのブランドのアイコンとなるラゲッジが並ぶ。ともにラゲッジのカラーバリエーションが豊富なため、コーナーが実に華やいだ雰囲気である。

 “グローブ ・トロッター”は、これまで英国本店と銀座店のみ承っていた常設のオーダーメイドサービスを、新たに伊勢丹新宿店メンズ館でもスタート。各部の色を変更して、世界にひとつのラゲッジをつくりあげることができる。

”グローブ・トロッター”と”リモワ”で、「パーソナライズ」の極みを体験せよ!

“リモワ”は豊富な品揃えに加え、カスタマイズの楽しみをエスコートするサービスに力を入れている。三越伊勢丹バッグ&ラゲッジのMD、青戸裕明氏(左・トップ画像も)の案内で、旅のイメージを膨らませる矢部。
“リモワ”は豊富な品揃えに加え、カスタマイズの楽しみをエスコートするサービスに力を入れている。三越伊勢丹バッグ&ラゲッジのMD、青戸裕明氏(左・トップ画像も)の案内で、旅のイメージを膨らませる矢部。

 「パーソナライズ」は、これまで以上に個性を主張できる商品づくりを提案する。たとえば、“グローブ ・トロッター”では、唯一無二の自分だけのカラーコンビネーションで、”世界にたったひとつ”のトラベルケースを注文できる。ラゲッジの外側の色、内張りの色、そしてラゲッジの角を補強するレザーのステッチカラーなどのディテールまで、サンプルのなかから自由に組み合わせて選ぶことができ、英国でていねいに職人がつくって、手元に届く。

 もし、これに私が挑んだら、おそらく半日はこの場所にこもることになるだろう。それほどまでに迷いそうな、微妙な色がたっぷりとそろっているのだ。ここでオーダーすれば、空港のターンテーブルの前で荷物を待つとき、自分と同じラゲッジに出くわすことはまずないだろう。これこそ「パーソナライズの極み」である。

 かたや、艶消しのアルミ素材や、冴えた赤や青のポリカーボネート素材のラゲッジといえば“リモワ”。ハイエンドのストリートファッションブランド“オフ・ホワイト”とのコラボ商品は、透明なポリカーボネートによるインパクトのあるラゲッジが話題となった。そして「パーソナライズ」では、オリジナルのステッカーやカラーホイール、『クラシック』シリーズのハンドルなどを取り揃えた。

 ロサンゼルス、ロンドン、パリ、ミラノなど、世界の主要都市を綺麗な色面のイラストで仕上げたステッカーを、ラゲッジに貼り付けてカスタマイズする。“リモワ”のコーナーには、そんなステッカーがあしらわられ、ホイールを交換したラゲッジを見本として展示している。

 どちらの「カスタマイズ」も、改装した半個室でゆっくりと吟味できる。それがまた贅沢な時間になりそうなのだ。

“リモワ”は、世界でも限られた店舗でしか行っていない“パーソナライゼーションサービス”を伊勢丹新宿店メンズ館でもスタート。写真は、ハンドルとホイールのバリエーション。
“リモワ”は、世界でも限られた店舗でしか行っていない“パーソナライゼーションサービス”を伊勢丹新宿店メンズ館でもスタート。写真は、ハンドルとホイールのバリエーション。
チャームやラゲッジベルト、ステッカーも思いのままに選択可能!
チャームやラゲッジベルト、ステッカーも思いのままに選択可能!

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この記事の執筆者
ヴィットリオ矢部のニックネームを持つ本誌エグゼクティブファッションエディター矢部克已。ファション、グルメ、アートなどすべてに精通する当代きってのイタリア快楽主義者。イタリア在住の経験を生かし、現地の工房やテーラー取材をはじめ、大学でイタリアファッションの講師を勤めるなど活躍は多岐にわたる。 “ヴィスコンティ”のペンを愛用。Twitterでは毎年開催されるピッティ・ウォモのレポートを配信。合わせてチェックされたし!
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永田忠彦(Quarter Photography)
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