19世紀末から世の紳士たちにとっての憧れであり続けた、歴史的名靴「ベルルッティ」の『アレッサンドロ』。
数多の芸術家たちをも感嘆せしめた、その絵画的魅力を支えるのが、一枚革で足を包み込むように成形した「ホールカット」と呼ばれるデザインである。「ベルルッティ」が誇る流麗なフォルムや、表情豊かなパティーヌは、このシンプル極まりないキャンバスの上でこそ、最も光り輝くのだ。
オールハンドメイドで実現した究極の『アレッサンドロ』!
「ベルルッティ」最新シームレスヒールの官能
そんな「ベルルッティ」の美学を極限まで突き詰めた新作が、この冬誕生した。
いつもの『アレッサンドロ』と見紛うのは早計。まずはそのヒールを見てほしい。そう、この靴にはたとえ「ホールカット」であっても存在するはずの、ヒールの縫い目が一切ない。完璧なるシームレスなのだ。
無垢なる官能美を見よ!
靴というものは平面である革を木型にかぶせ、水や熱を駆使しながら丹念に伸ばし、足に沿ったフォルムに成形していく、「吊り込み」という作業によってつくられる。
通常の「ホールカット」ですらその手間や難易度は飛躍的に高まるというのだから、ヒールの縫い目すらないこの靴に、いかなる時間と技術が注ぎ込まれているかは想像もつかない。
ほかにもハンドソーンウェルト製法による底付けや、ウッドネイル(木釘)によるアウトソールの補強など、この靴にはマニアを唸らせる意匠が満載。
実はこの靴は、「ベルルッティ」が擁するフランスの工房で、ビスポーク同様の手間をかけて全工程をハンドメイドしたもの。月産15足という稀少性も手伝ってか、早くも靴好きからの注文が相次いでいるという。
しかしこのゼロカット『アレッサンドロ』の本質は、そんなうん蓄の羅列では語れない。
ステッチによる邪魔を一切排したことによって生まれた、野生動物のようにしなやかな有機的フォルムや、パティーヌが表現する躍動感。人間の手からしかつくりだせないその無垢なる官能美は、男の魂そのものを鷲摑みにするのだ。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2018年冬号ベルルッティ最新シームレスヒールの官能より
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- クレジット :
- 撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)構成/山下英介(本誌)