ウィンザー公の着こなしは王道。われわれでも着るだけでノーブルかつ清潔感漂うスタイルがつくり出せるもの。ただし、公の時代のスーツはややボールド(太め)型なので、現代なら上着はコンパクトかつ芯地を減らした軽快仕立て、そしてパンツは細身シルエットを選んでほしい。

英国クラシック柄を軽やかに着こなせ!

カジュアルにスーツを着崩す絶妙なる小物使いに脱帽!

  • いわゆるジャケパンスタイル。英国的なウインドーペーンジャケットは、サヴィル・ロウ仕立てを思わせるポケットが特徴。これにグレーパンツを合わせた装いは、そのまま現代にも使えそうだ。そして洒落感の秘訣はニット使い。ミドルゲージのニットベストを差すことで、タイドアップながら肩ひじ張らない印象になっている。
  • ダブルのスーツは軽快な印象のライトグレー。一説にはイタリアを代表する名門サルト「カラチェニ」製との声もある。これにチェックシャツや、スポーツ観戦用であるコンビ仕様の「スペクテイターシューズ」を合わせた洒脱さ満点のスタイル! ハズしを取り入れつつも王道から逸脱せず、軽妙な装いにまとめるセンスはさすが。

ウィンザー公の着こなしを現代に完全再現!

  • グリーンを効かせたグレンチェックジャケットがモダンな華やかさを主張する! 大柄ウインドーペーンも非常にエレガントな柄。しかし、場合によっては大味に見えてしまうこともある。より若々しく着こなすなら、シャープな印象のグレンチェックがおすすめだ。スーツと同様に、こちらも芯地を極力減らしつつ、スマートにシェイプさせた仕立てのものを選びたい。くつろぎ感を演出するニットウエアは、ハイゲージではなく、シックななかに暖かみある素材感を持つミドルゲージをチョイス。仕上げとなる小物も気を抜いてはいけない。ジャケットのチェックのグリーンを拾って、タイとチーフに同じ色を効かせることで、よりいっそう洒脱に見せることができるのだ。
  • ベージュがかったフラノスーツを軸にコンビ靴でよりリラックス感を。フラノスーツの王道はグレー系だが、今季狙うなら少しだけベージュがかった明るめのグレーが旬。仕立てもウィンザー公の時代のような厚手かつワイドタイプではなく、しなやかな薄地かつスマートなものを選びたい。タイはプレーンに見えつつも、ほどよくニュアンスの漂う織り柄タイプがウィンザー好みだ。公の靴のチョイスは白×黒色のコンビタイプだが、今の気分としてはモダンな遊び心を加えた茶色ベースのものを合わせたい。

ジャケットスタイルもしかり。公が愛した大柄ウインドーペーンは、ともすると野暮ったく見えることも。モダンに見せる場合は、同じく英国調のグレンチェックなど小柄を選びたい。

そんな観点でみると、ウィンザー公の洒落感を再現するなら、注意すべきはむしろ小物である。コンビシューズや小紋柄のタイ、ブートニエールの飾りなど、アクセントを効かせた小物使いが、彼の粋な雰囲気をつくる隠し味となっているのだ。全体としては控えめなドレススタイルを心がけ、アクセサリーで遊び心を演出。それが現代のウィンザースタイルの奥義というわけだ。

※2011年秋号取材時の情報です。

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