ただいまファッションウイーク中のロンドンにおります。それにしてもメイフェア界隈は本当に景気がいいですね。当たり前のように走ってるスーパーカー、ニューショップの嵐。

そして工事、工事、工事・・・。なんだかすごい状況です。それほどショップを見れているわけでもありませんが、サヴィル・ロウ近辺、クリフォードストリートにはレザーで有名なコノリーのショップがオープン。素敵なバッグやレザーグッズのほかにもアパレルなんかもつくっていて、それが実にセンスがよくてプレシャス的でした。ジャケットをスティレラティーノに別注したりなんかして、とってもラグジュアリー。これぞ現代のロンドン!でしたね。

そんな取材の合間を縫って僕が向かったのは、あのアンダーソン&シェパード。いつもは既製品が売っているハバダッシャリーがお決まりだったのですが、今回は敷居が高いことでおなじみのテーラーのほうへ・・・。誌面で取材というわけではないのですが、現在ブランド全体の舵をとるアンダさんにご案内いただき、ファクトリーを1時間ほどじっくり案内してもらいました。細かなテクニックについては正直言って僕の英語力がついていけなかったのですが、カッティング、肩パッド、芯地使いなど、イタリアとはまた違った手法でいかにジャケットにやわらかなドレープを出すか、ということに腐心していることが伝わり、改めてアンダーソン&シェパードのスーツが欲しくなってしまったのです。

初回の仮縫い3回、5000ポンドオーバーというハードルには正直いってたじろいでしまうのですが、そんなときにちょうど現地でばったり会ったのが、イラストレーターの綿谷寛画伯。実は画伯はアンダーソン&シェパードのオーナー。なんと昔のメンクラの企画で2週間ロンドンに滞在して仮縫い3回を済ませ、手に入れたそうです。もちろんスーツ代は自腹と言いますが、贅沢な時代ですね(その間の締め切りは如何に?)。そんな画伯の「ネタなんだからつくっちゃえばいいじゃん」という適当極まりないアドバイスに背中を押され・・・僕も決断! といっても今回は諸事情により難しいので(ヨソのオーダーものが2件あるので)、「次回の渡英の際は〝絶対〟」とアンダさんにメールを送っておき、自分を追い込んでみました。仕事がんばろうっと! というわけで次回1月から、オーダーの際はなんらかの形で実況リポートをさせていただきたいと思います!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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