MEN'S Precious冬号もようやく発売。
今回は
「フォーマルダンディ列伝」(P.122〜)、
「ジェームズ・ボンド特集」(P.163〜)、
「アルニス特集」(P.222〜)など、
しっかりお勉強して臨まねばならぬ読み物ページを中心に担当。
知性皆無な私が知的なMEN'S Precious読者の皆様に
お届けするべく頑張りましたので、
そりゃあフラストレーションも溜まりますって・・・。
しかし、そんな仕事のストレスを解消してくれたのも、また仕事。
そう、ファッション誌に関わって10年、
なんと初となる...うれし恥ずかし、
私のスタイリングページです!
P.68〜をご覧あれ!
こんな具合に、誌面で紹介した
4つの名品アウターを
ちょっと暴走気味にコーディネートしております。
このページ、実はもともと2ページで
4コーディネートの予定だったのですが
私があまりに書き足りない!と駄々をこねだしたため
急遽4ページで4コーディネートへと昇格したいわくつき。
しかし、それでも・・・。
まだまだまだ語り足らない!!!
というわけで、文字数の制限がないブログにて、
皆さんがイヤというほど語り尽くしてやろうかと!!
いやー、こういうとき、ブログって便利ですね!
まずはこちら。
写真はコーディネートチェック時に撮ったものなので、
誌面とは少々異なっております。
バラクータの『G9』です。
言わずと知れたカジュアルブルゾンの元祖ですが、
これほどまでにハイブロウなアウターもありません。
このゆったりとしたシルエット。
そしてフラットな素材感・・・。
若者ならそれもまたアリですが、
35歳以上の男子が袖を通した瞬間、
やる気わくわくワークマン。
特にデニムとの合わせは"リアル"すぎるため、
あなたがクリント・イーストウッドもしくは
健さんばりの渋みをたたえたダンディでない場合、
避けたほうが無難だと思われます。
そんな難易度の高いG9を
お洒落かつラグジュアリーに
着こなす最大のポイント。
それはG9と対極をなす素材感、
そしてアイテムを合わせることで
「G9=洒脱なハズシ技」という印象を
与えることに尽きます。
G9といえばツルンツルンのコットンですから、
これと対極といえば・・・そう、
ウールフランネルのスラックス。
それもG9がルーズですから、
シャープなものを合わせるのが鉄則ですね。
普通ならこれにカシミアのタートルネック
ニットを合わせれば完璧なのですが、
それじゃ当たり前ってもの。
自分が着るならもっと粋に、
そしてロマンチックに見せたいなぁ。
と考えて思いついたのが、ベストの存在。
そして、さらに思考と妄想は深まっていきます・・・。
舞台はロンドン市内のとあるアパートメント。
主人公は大手銀行に勤めるバンカー(36歳)。
21時の帰宅後、ジャケットをソファに放り投げ
ひとりスコッチ&ソーダを愉しむ金曜の夜・・・。
とつぜん、心地よい静寂を破る1本の電話が。
ウキウキ気分で外出しようとしたら、
おっと残念、雨が降ってきた。
でも急がなきゃ。
着替える間もなく、ベスト&スラックス姿のまま
とりあえずは玄関に掛けておいたブルゾンを羽織って、
ご近所履きを履いて外へ・・・。
うわ、やっぱ寒い!
ってことで、置いてあったセーターを
マフラーがわりに肩にかけて
スキップ気味に急げ!
・・・こんなムードなんですけど、
ご理解いただけましたか?
要するに、こういった
昔からある定番ブルゾンは
がんばって着こなしている人よりも
"そこらへんにあったのを引っ掛けた"的
雰囲気を出している人のほうが
圧倒的に粋で格好いい。
そんな人間像をイメージしていくと、
スラックス+ベストよりも
ジャケットなしの3つ揃えスーツに。
紐靴よりも
ルームシューズやベルジャンシューズに。
マフラーよりも
セーターに。
レザーバッグよりも
クラッチバッグに。
このように、
それぞれのアイテム選びが導きだされるのですね。
さらに、ソックスやセーターなどで、
英国紳士が時折見せる
クレイジーな色使いを演出するのも
欠かせないテクニックです。
ただ、G9の裏地は赤ベースの
タータンチェックなので、
それとリンクする色使いを
心がけた方が着こなしはまとまります。
だからソックスは、
絶対にビビッドなレッド。
ただし、面積が少ないからって
そこらの1000円靴下じゃ貧乏臭い。
英国紳士というキャラ設定に合わせて
ターンブル&アッサーの
ロングホーズ(¥5,250)が必須です。
そう、たとえ誰も見分けが
つかなくても(涙)、
男のスタイルには自分だけの
ロマンってヤツが必要なのです!
こんな調子で次回に続きます!