上質なブラシがあれば、日頃の手入れも苦にならない。帽子、スーツ、靴などのアイテムは、自分でケアすることで愛情が湧くものだ。よいものを使っていても手入れをしなければ、すぐに痛んでしまう。ここではそれぞれの素材に合わせたブラシを紹介したい。それぞれの素材に合わせた専用のブラシを使うことで、本来の艶や輝きがより一層引き立つのだ。

服よりブラシに 金をかけたっていい

服にブラシをかける。スチームアイロンでシワをとる。シャツにアイロンをあて、パンツにクリースを入れる。靴磨きもある。どれも手間がかかり、本音をいえば、だれかにかわってもらいたい作業である。しかしそのメンドクサイことを自分でやるから愛情がわく。

A.帽子専用ブラシ
しなやかで弾力性に富んだ馬の尾毛を使用。ハンドルは木目が美しい黒檀。帽子のカーブに合わせた形状に毛を植えているため、ブラッシングしやすい。帽子専用のブラシを持つことも紳士のたしなみ。¥8,000(ボルサリーノ ジャパン)
B.カシミア専用ブラシ
ビキューナやカシミア用につくられたブラシ。やわらかな羊毛を用い、持ち手はなんと屋久杉。横浜に工房を構える職人、石川和男が丹精込めて手づくりした逸品。最上の服には最上のブラシが必要だ。¥150,000(伊勢丹新宿店〈石川ブラシ〉)
C.スーツ専用ブラシ
スーツのデイリーケアにもってこいなのが、黒馬毛を使用したハンディタイプ。静電気除去繊維を混毛しているため、静電気を帯びて付着したホコリもしっかりと落とすことができる。ブラッシングを習慣に。¥5,000(アルソーレ〈ケント〉)
D.靴ブラシ
靴用にも上質なブラシがあれば、靴磨きのテンションも上がる。汚れ落としやクリーム塗布用にはやや硬い豚毛のブラシ、仕上げの磨き用にはやわらかな山羊毛のブラシで使い分ける。上/¥10,000・下/¥6,600(ジョン ロブ ジャパン)

 日頃のお手入れをすることで、モノが単なるモノではなく、自分の一部になっていくのがそのプロセスだから。そのために必要な手入れ道具なのだから上等なものを選んだってバチは当たらないのである。モノをリスペクトできないような男は、結局人間も大切にできない。一事が万事なのである。 

いかがでしたか? ビジネスマンなら身だしなみに気を遣うのも仕事のうち! 清潔感をキープするためにも、ここで紹介した4本を、ぜひ使ってみていただきたい。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年春号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
イラスト/緒方 環 撮影/熊澤 透(人物)、川田有二(人物)、篠原宏明(取材)、戸田嘉昭・唐澤光也・小池紀行(パイルドライバー/静物)、小林考至(静物) スタイリスト/櫻井賢之、大西陽一(RESPECT)、村上忠正、武内雅英(code)、石川英治(tablerockstudio)、齊藤知宏 ヘア&メーク/MASAYUKI(the VOICE)、YOBOON(coccina) モデル/Yaron、Trayko、Alban レイアウト/澤田 翔(H.D.O.) 文/林 信朗 構成/矢部克已(UFFIZI MEDIA)、鷲尾顕司、高橋 大(atelier vie)、菅原幸裕、堀 けいこ、櫻井 香、山下英介(本誌) 撮影協力/銀座もとじ、マルキシ