来たる4月5日、前代未聞のレストランプロジェクトが始動します。「COOK JAPAN PROJECT」と名づけられたこのイベントは、10か月間にわたってヨーロッパを中心に世界各国から、トップシェフがかわるがわる来日。日本の素材を使い、東京でしか食べられないデグスタシオンコースを創り上げるという、前代未聞のスケール!

なぜこのようなイベントが実現するに至ったのかを、仕掛け人である株式会社グラナダ代表取締役の下山雄司氏に伺いました。

サンパウ跡地が「10か月空く」ことからスタートした、前代未聞のスターシェフ招聘プロジェクト

株式会社グラナダ代表取締役の下山雄司氏

グラナダは、スペイン・カタルーニャを代表する三ツ星レストラン「SANT PAU(サンパウ)」の東京店を、を2004年からCOREDO日本橋ANNEXで運営。今年、開店15周年を迎えましたが、地域の再開発に伴い、この3月に千代田区平河町に新たに開業する「ザ・キタノホテル 東京」内に移転することに。

ところが、日本橋の店舗の取り壊しまでには約10か月間の猶予があるため、空いている店舗物件で何かできないだろうか?と考えたのが、事の発端だといいます。

「以前から、イタリアやスペインのシェフたちに会うたびに“なにか一緒にやりたいよね”っていう話はしていたんです。それを、常設のこの場所ならばできるな、と。イベントとはいえども、十分な設備や器材がなくてはトップクラスのシェフたちの料理は表現しきれません。その点、ここは『サンパウ』の厨房ですから、必要なものは十分にそろっています。これが第一の理由でした。

そして第二に、タイミング。オリンピックも控えているし、今いろいろな国のシェフが日本に興味を持ち、来てみたいと思ってくれている。この2つのファクターがそろった今だからこそ、成立するプロジェクトなんです」

COOK JAPAN PROJECTに参加する錚々たるシェフたち

と、さらっと話すものの、のべ10か月間にやってくる30人以上のシェフと彼らのスタッフのスケジュール調整や滞在場所の確保、シェフたちがそれぞれに求める食材の調達は、並大抵のことではないはず。

「そのへんの細かいことはスタッフが頑張ってくれているので、すっかり任せています。採算は……取れないでしょうね。計算上、どう考えても成り立たない(苦笑)。でも。面白いじゃないですか! その気持ちだけなんです。こんなイベント、世界中のどこでもできないと思うから」

美味しいもののためなら、距離も労力も厭わず世界中どこにでも出かけ、「サンパウ」を招聘するほかにも、20年間に渡り、話題のレストランを次々に手がけてきた「筋金入りの食いしん坊」である下山さんならではの発想です。

本プロジェクトの意義を語る下山さん

「今回のデグスタシオンコースの金額は25,000円~50,000円。シェフによっては60,000~70,000円というケースもあります。が、飛行機に乗って本国のレストランに行くことを思えば、決して高くはないでしょう。加えて、すべてのシェフたちには“日本の食材を使ったメニュー”というリクエストをしています。すなわわち、この『COOK JAPAN PROJECT』でしか体験できない料理ですから、価格に換算できない価値があると思います」

スタートを飾るのは、今最も注目されているスターシェフ、ヤニック・アレノ!

ヤニック・アレノ氏

トップバッターとなるのは、4/5〜7のヤニック・アレノ(フランス)。フランスで唯一、二軒の三ツ星レストラン『Pavillon Ledoyean』『Le 1947』のシェフを務めるモダンフレンチの巨匠は、早くからテロワール(土壌)を味わう技術として「発酵」に着目してきた人物。日本の豊かな発酵文化とのコラボレーションも期待できるかも?

ヤニック・アレノさんの料理の一例。

「日本の食材を使って料理を創造したいと思っているシェフたちは、今回のプロジェクトへの参加は楽しくて仕方ないでしょうし、お出しするのは当然このイベントでしか食べられないコースですから、お客様も楽しんでくださるはず。そして、期間中サポートに入るうちのスタッフも、もちろん僕自身も楽しい。携わる人すべてにとって、プライスレスな価値がある取り組みだと思っています。参加シェフの中には、ゆくゆくは日本に店を出したいと考えている人もいますし、弊社としても将来的に組みたい人もいますね」

ミシュランの星付きシェフが毎月来日、さらに増える可能性も!

ティボー・ソンバルディエさんとその料理の一例

4月はほかにも、フランス『Antoine』のティボー・ソンバルディエ(4/12〜17)、オランダ『De Leest』のヤコブ・ヤン・ボエルマ(4/25〜30)の初来日組が。

ヤコブ・ヤン・ボエルマさんとその料理の一例

また、6月には外苑前の日本料理『傅』や『フロリレージュ』とコラボレーションし、フーディの間ではその名を知られるペルー『Central』ヴィルヒリオ・マルティネス(6/28〜30)も!

「人選に関しては、僕が交流のあるシェフたちと直接やり取りしたケースもあれば、レストラン サンパウで5年間エグゼクティブシェフを務めていたジェローム・キルボフが声をかけたメンバーもいます。彼はこのプロジェクトのエグゼクティブシェフとして、参加シェフとの交渉のほか、この店の厨房を隅々まで知っていることを生かして、メニューの監修にも携わっているので。また、顔ぶれに関しては、“あのシェフの友達も参加したいって言ってるらしい”といったつながりで、芋づる式に決まった人もいますね(笑)」

立ち上げの時点で、すでに星付きシェフが目白押しの中、追加発表された面々も。

●<9月>パリで活躍する日本人シェフ『AT』の田中アツシ
●<10月>世界的に注目度の高まっている、デンマーク・コペンハーゲン『Chambre Séparée』のコービ・デスラマルツシェフ
●<12月>先日ミシュラン3ツ星を獲得したほか「世界のベストレストラン50」で3位に輝くなど話題性十分な、南仏マントン『Ristorante Mirazur』のマウロ・コラグスコ

……と、さらに豪華な顔ぶれで、まだこの先もシェフが増える可能性がある!?とか。

「我ながら、なんでこんなややこしいことに手を出しちゃったんだろう(笑)と、思わなくもないけれど、実はグラナダが手がけた最初の店舗、白金のイタリアン『ISOLA』をオープンしたのが1999年3月。今年はちょうど、創業20周年のアニバーサリーイヤーなんです。特別な周年イベントをする気はないんですが、たまたまこの『COOK JAPAN PROJECT』が、そんな意味合いを持つものになったかもしれないですね」

『サンパウ』二階のシャンデリアを見つめる下山さん

 料理人ではなく、あくまで経営者、そして「いち食いしん坊」の立場から、20年間優れた料理人を見出し、タッグを組んでレストラン業界を盛り上げてきた下山さんの、集大成ともいえる今回のプロジェクト。これは、世界レベルの食トレンドを体感するまたとない機会と断言できます! 予約は電話ではなく公式サイトからだけなので、気になる方はすぐ予約を!

旧サンパウ、「COOK JAPAN PROJECT」の舞台となる日本橋のお店の内観。ここでどんな素晴らしい食シーンが繰り広げられるのでしょう?

「COOK JAPAN PROJECT」開催概要

  • 期間:2019年4月~2020年1月
  • 場所:「レストラン サンパウ」跡地(東京都中央区日本橋1−6−1 CORDO日本橋ANNEX)
  • 料金:デグスタシオンメニュー 30,000円〜
  • ※ シェフによりコース金額は変動
  • ※ 料理に合わせてセレクトしたドリンクペアリングもあり
  • ※ 公式サイトのみで予約。先着順で満席になり次第終了

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この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
小石原はるか