第20回となるディオールの舞踏会「Tiepolo Ball」が開催

1685年に建てられたラビア宮殿は、武器商人として巨万の富を築いたラビア一族の居城でした。1685年というと、日本では徳川将軍綱吉の時代です。

会場となったラビア宮殿。400年以上前に建てられた見事な建築。

この宮殿は画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(1696〜1770年)のフレスコ画により装飾されています。ティエポロは18世紀イタリア美術の巨匠で、優美な装飾性が特徴。宮殿や貴族の館を豪華に彩る天井画を残しています。

Tiepolo Ballもティエポロの絵から抜け出してきたかのようなグラマラスな世界。マリア・グラツィア・キウリは、スペイン系フランス人の富豪にしてアート・コレクターのカルロス・デ・ベイステギが1951年に催し、“世紀の舞踏会”として語り継がれている舞踏会からインスパイアしました。

この伝説的な舞踏会には、オーソン・ウエルズ、サルバドール・ダリなどの著名人1,500人が招待され、仮面をつけて参加したそうです。ちなみにデ・ベイステギ氏は収集した芸術作品をルーブル美術館に寄贈しているので、私たちは彼の素晴らしいコレクションを見ることができます。

オブジェ、生花、キャンドルを組み合わせたノーブルなテーブル・セッティング。
テーブル・セッティングを担当したのは、ディオール メゾンのクリエイティブ ディレクター、コーデリア・ド・カステラーヌ。

豪華絢爛な舞踏会には、美しい装いのセレブ達も出席

Tiepolo Ballには、シエナ・ミラー、カーリー・クロスらが出席。イタリア人アーティストのピエトロ・ルッフォがマリア・グラツィア・キウリと共同でデザインした夜空と12星座を表現した「Constallation(星座)」という名のドレスも披露され、招待客が酔いしれる宴となりました。

見事な刺しゅうが入ったドレスを着こなす、カーリー・クロス。
モニカ・ベルッチは、春の花のモチーフが刺しゅうされた黒のドレスで。
マリア・グラツィア・ キウリとアーティストのピエトロ・ルッフォ。

まるで中世のイタリアか、オペラの世界に紛れ込んでしまったかのようです。

舞踏会には、ハンドメイドのヴェルヴェットを今でも18世紀の織機で製作している(!)、創業1875年の織物メーカーのベヴィラクア、創業1858年のルベッリのテキスタイルが使われたそうです。

世界で一番老舗が現存しているのは日本ですが、さすがに18世紀の機械を今でも使っているかというと疑問です。

イタリア人の伝統と文化への深い愛情に圧倒されますね。

この記事の執筆者
某女性誌編集者を経て2003年に渡仏。東京とパリを行き来しながら、食、旅、デザイン、モード、ビューティなどの広い分野を手掛ける。趣味は“料理”と“健康”と“ワイン”。2013年南仏プロヴァンスのシャンブル・ドットのインテリアと暮らし方を取り上げた『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』(講談社刊)の著者として、2016年から年1回、英語版東京シティガイドブック『Tokyo Now』(igrecca inc.刊)を主幹として上梓。
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Pierre Mouton