最近、話題になっているラクレットチーズ。

チーズの切り口を温め、皮が香ばしく、中がとろりと溶けたところを削いで、ゆでたジャガイモなどの野菜にかけて食べる、スイス発のチーズです。

そのとろ~り溶ける様子が「動画映え」することでブームになりました。

そんなラクレットチーズの特徴や歴史、魅力、入手方法や家庭での食べ方などをチーズの専門家・圓子千春さんにうかがいました。

そもそも、ラクレットチーズってどんなチーズ?

ラクレットチーズについて

ラクレットチーズは、チーズの種類としては「セミハード」に分類されます。ほかのチーズと比べてどのような特徴があるのでしょうか?

「ラクレットは、チーズ表面にモルジュ液という外皮をつくるための菌液を数回塗って、熟成させていきます。そうすることで、特有の菌が取りつき、ラクレットの特徴である強い香味を形成していきます。

ミルク、ナッツの香りに銀杏や干物のような独特な香り、そしてうま味と程よい塩味が広がり、複雑な香味が生まれます。

またラクレットは熱で溶かして味わうのが定番の料理方法です。熱の効果で香りや脂肪の甘味、うま味がさらに広がりますので、淡泊なじゃがいも、ブロッコリーなどの野菜との相性が抜群なのです」(圓子さん)

元々、ラクレットチーズは冬の保存食だった!

ラクレットチーズの歴史

ラクレットチーズは、スイスには古くから伝わる歴史深いチーズなのだそう。

「ラクレットというと現代的なイメージもありますが、本来、ラクレットは16世紀に広まり、19世紀には『削り取る』という意味である『Racler』として生まれています。とても歴史のある発酵食品といえるのです。

元々は冬の保存食としてつくられました。雪深い冬山で栄養を取るために、チーズとジャガイモを食べていたのです。セミハードやハード系のチーズはカルシウムやタンパク質が豊富です。このチーズと野菜の取り合わせはベストといえるでしょう。ぜひ食物繊維やビタミン豊富な野菜と共に食べていただきたいです」(圓子さん)

ラクレットチーズは日本人の口に合うの?

食べ方や味わいなど、日本人にぴったりなラクレットチーズ。

ラクレットチーズはスイスのチーズですが、そもそも日本人の口に合うのでしょうか?

「ラクレットは溶かして食べる料理ですので、チーズを溶かして食べるピザやチーズトースト、グラタンなどが好きな日本人にはぴったりです。

なじみのある、ゴーダやチェダーなどを使用した、とろけるチーズもいいですが、味わいのあるラクレットチーズなら本格的な味わいが楽しめます。また、ラクレットはうま味や塩味のある発酵食品ですから、かつお節、漬物、納豆、味噌などの発酵食品に慣れ親しんでいる日本人なら、そのよさが感じられるはずです」(圓子さん)

ラクレットチーズの強い香りは好みが分かれる?その対策は?

香りが気になる方も楽しめる3つの対策。

先ほど、圓子さんが教えてくれたように、ラクレットチーズには独特の香りがあります。この独特の香りが苦手という声もありますが、おいしく食べる対策はあるのでしょうか?

「ラクレットは特有の香りと共にうま味も特徴ですので、味は親しみやすく、食べてみるとさほど香りは気にならないと思います。どうしても気になるようでしたら、次の3つの対策を試してみてください」(圓子さん)

1:外皮を削って食べる

「外皮に特有の香りがありますので、外皮を削って食べることをおすすめします」(圓子さん)

2:外皮が乾いているものを選ぶ

「メーカーによっても香味の違いがございます。選ぶポイントとしては、外皮が湿っているものよりも乾いているもののほうが味は穏やかです」(圓子さん)

3:国産のラクレットチーズを選ぶ

「近年では国産のラクレットチーズも多くつくられています。スイス産やフランス産よりも、日本人の好みに合わせた香りや味わいがやさしいものが多いので、こちらもおすすめします」(圓子さん)

ラクレットチーズを入手するには?

動画映えするだけではないラクレットチーズの魅力を知ると、自宅でもぜひ食べたくなりますね。どこで入手するのがよいのでしょうか?

「最近では、デパートのチーズ専門店や高級スーパーのチーズコーナーに行くと取り扱っています。国産のラクレットであれば、アンテナショップや、デパートの催事などで取り扱っていることもあります。200gくらいの個包装で、1,000円ちょっとで販売されていますが、溶かして食べますので、ペロッと食べられる量です。数名で楽しむようでしたら、追加して購入したほうがいいでしょう」(圓子さん)

ラクレットチーズのおすすめの食べ方!

そして自宅でのラクレットチーズの楽しみ方もアドバイスいただきました!

「専門店やネットで家庭用のラクレット機械が、比較的手に入れやすい価格で売られています、ホームパーティーやお子様などと楽しむにはおすすめです。

また機械なしで、気軽に楽しみたいという方は、フライパンで溶かしてもいいですし、耐熱性のグラタン皿などで、あらかじめ茹でておいたジャガイモや野菜の上にのせて焼いて食べるのもおいしいです。いずれにしても薄めにスライスして使うと溶けやすく、食材とのなじみもいいです。ぜひ試してみてください」(圓子さん)

ラクレットチーズには、見た目のインパクトだけでなく、芳香な香りとうま味のおいしさある、日本人の舌に合うなどの知られざる魅力がたくさんあることが発覚! ぜひレストランはもちろん、家庭でも楽しんでみたくなりますね。

圓子千春さん
(まるこ ちはる)フレンチ・イタリアンレストランなどで経験を積み、飲食のあらゆる資格を有する。現在、インフィニット・酒スクール、産業能率大学ガストロノミなどの講師、チーズユニットCHEE-TAM主宰、執筆、審査員などプロとして幅広く活動している。インフィニット・酒サークル ホームページ
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2019.8.9 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利