福岡で絶大な人気を誇るグルメ雑誌『ソワニエ』。その創刊から制作に携わり、地元の食の魅力を発信し続けている編集家・鳥越 毅さんが、女性が行くべき厳選グルメ情報をピックアップ! 福岡の食通がエスコートする、極上グルメ連載です。


福岡は九州の豊かな食材が集まって、それを美味しく調理する料理人たちが腕を競う活気あふれる街。ビジネスやショッピングも賑やかですが、いわゆる観光地らしいスポットがほとんどないにもかかわらず「福岡の食事が楽しみ」と多くの観光客がやってきます。そう、この街は「食」そのものが観光資源。福岡に住む人も、訪ねてくる人にも、この街をもっと好きになる美味しいグルメ旅へ、これから毎回お誘いしたいと思います。

大人の時間は「西中洲」から

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)入口

最初にお誘いするのは中央区西中洲。福岡の中心である天神とネオン賑やかな繁華街・中洲に挟まれる、地図でも見落とされがちなエリアです。もともと武家屋敷や料亭が並んでいたという一画は今、実力ある料理店が軒を並べる福岡一のグルメエリアになりました。こう書くとワイワイした場所だと思われそうですが、昔の風情のまま路地沿いに名店が静かに隠れている、エリア丸ごと大人の隠れ家のような一画です。美味しい食事を求めて福岡を訪れるなら、西中洲の店を探訪するだけでも間違いなく満足いただけるでしょう。そんな界隈で今回ご案内するのは「La Maison de la Nature Goh(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)」。心から笑顔になれる食事のひととき、その喜びを再発見させてくれる小さなフレンチレストランです。

扉の向こうに太陽が輝く

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)入口

天神から歩いても10分程、大通りに囲まれるような西中洲は細い路地しかありません。界隈のひっそりした雰囲気も隠れ家感がいっぱい。小さな看板に導かれるように目を向けた路地の先、その一番奥の扉が「Goh」の入り口です。さあ、どうぞ扉の向こうへ。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)内観

ほの暗い界隈から一転、活気あるキッチンが眩しいくらい。「Goh」の空間は、お客様とのコミュニケーションを大切にしたカウンターとテーブルの18席に加え、様々な利用に応える個室を備えて計34席。シックで飾らない落ち着いた店内です。それでも「Goh」の食事を楽しむなら、やはりカウンターが特等席。「西中洲の太陽」と称される福山 剛シェフの明るさとキッチンの緊張感、スタッフが一丸となって、その瞬間になすべきことを的確に進めていく現場を、まるで目の前で繰り広げられていくエンターティンメントのように楽しめるのですから。

進化を続けるレストラン

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)「シェフのおまかせコース」サラダ

「シェフのおまかせコース」¥6,000(税抜)から。カマスとミル貝のサラダ。カマスはラベンダーで燻製に、ミル貝は炙って香ばしく。豆乳を燻製したソースと新生姜のドレッシングを絡めて。

福岡きっての人気店は、昨年『アジアのベストレストラン50』に初選出。福岡だけでなく一気に世界に知られる存在になりました。嬉しいのは、何よりもお客様に喜んでもらおうという店の姿勢が一貫してぶれないこと。こだわりの九州産の食材を使って創意工夫したフレンチが「シェフのおまかせコース」(¥6,000 税抜)で存分に楽しめます。フレンチでありながら和食の繊細さを合わせ持ち、親しみやすく仕上げられる料理の数々。半日かけて仕込んだ様々な食材の一つひとつを紡ぎながらハーモニーを奏でていく物語は、その日のシェフが感じる最も旬な福岡味の表現です。そうした日々の積み重ねとチャレンジの連続が信頼の土台となっていたので、世界の素晴らしい評価も地元の人間にとってみれば納得のこと。この5月には3年連続アジアナNo.1に選出されたバンコクのレストラン「Gaggan(ガガン)」とコラボレーションしたイベント「GohGan」を福岡でも開催、大成功したばかり。様々な刺激を受けてスタッフ全員で成し遂げた経験が、さらにレストランの質を高めていくに違いありません。

【関連記事:「アジアのベストレストラン1位」に輝いた「ガガン」が、マンダリン オリエンタル 東京にたった3日間だけオープン】

こうして国内外で活躍の幅を広げ注目を集める福山シェフですが、昔から全く変わらないのがその人懐っこい笑顔です。こちらの喜ぶ顔を見ていっそう輝くシェフの笑顔に「あぁ、今日も幸せだった」と感じられるレストラン。そのかけ替えのないひとときを共有できるから、また誰かに伝えたくなるのです。さあ、福岡自慢の美味しいグルメ旅へ、どうぞ予約をしてお訪ねください。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)オードブル4種

オードブル4種。手前から里芋とグリーンアスパラ、ベーコンのキッシュは、かわいらしくもしっかりとボリューム感あり。柔らかいハマグリは、清美オレンジとたけのこで、味わいの変化が楽しい。そして口中でふわりと溶けるような麦芽パウダーとわさびオイル。春菊の煮浸しを乗せて。最中はヒラメとカシューナッツ、空芯菜をマヨネーズ和えとバランスを楽しみに。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)カリフラワーのブランマンジェ

カリフラワーのブランマンジェ。上に乗せたコンソメジュレで唐津のウニとズワイガニを包む。底からすくうようにしてふわりとした食感とジュレの変化を楽しむ一品。ウニも新鮮。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)玄海産甘鯛の酒蒸しグリーンソース

玄海産甘鯛の酒蒸しグリーンソース。甘鯛の身の、ほぐれるように絶妙な酒蒸しをクレソンとふきのとうの鮮やかなグリーンソースでいただく。ホタルイカの美味しさも抜群で、海の幸の力強いアクセントを奏でていた。地元の日本酒「三井の寿」純米吟醸を合わせていただく。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)鹿児島県産黒毛和牛 ザブトンのロースト

鹿児島県産黒毛和牛 ザブトンのロースト。香ばしい火加減と、口の中でとろけるような赤身のジューシーさがたまらない。熊本産の新玉ねぎをローストして甘く添え、赤茄子を丁寧に焼いたピューレが旨味と香りを相乗する。

福岡は西中洲のフレンチレストラン『La Maison de la Nature Goh』(ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ)バニラ味噌のクレームブリュレ

バニラ味噌のクレームブリュレ。ブリュレの甘み、イチゴの酸味、纏わせる醤油パウダーの旨味バランスが新鮮です。

問い合わせ先

この記事の執筆者
TEXT :
鳥越 毅さん 編集家
2017.12.16 更新
熊本で情報誌の編集・制作に携わり、1990年に福岡へ。発展する街で人気タウン誌の編集・営業ディレクターなどを経て、2010年よりグルメマガジン「ソワニエ」制作チームとして福岡の「食」の魅力を発信中。2014年、『ふくおか手みやげ自慢』を発行。好きなもの:九州旅、路地散策、古民家、隠れ家、コーヒー、ウイスキー、日本酒、陶磁器、短距離走