東京・町田で1984年に創業した広告会社「アイワ広告」。社員の健康を考えてつくられた社員食堂で販売していたパンが地域でも評判を呼び、ベーカリー事業をはじめたのが、3年ほど前のこと。

ベーカリー事業とは畑違いの広告会社がはじめたパン屋は、今や口コミなどによって地元の人々や、時には遠方から来るお客さんで、連日にぎわう人気店となりました。

今回は、お店一番の人気商品である「ゆめちから 生食パン」のおいしさの秘密や、最高においしく食べる方法について、「アイワ広告」代表取締役社長・小山雅明さんに伺いました。

口コミで広まった、社員食堂の名物パンがはじまり

「ゆめちから もちもち生食パン」の画像
「ゆめちから もちもち生食パン 日常(いつも)の幸せ」1斤¥420、2斤¥840(ともに税抜)

北海道産小麦の「ゆめちから」だけを100%使用し、もちもちした食感が楽しめる「ゆめちから もちもち生食パン 日常(いつも)の幸せ」。他店に見られるようなブレンド小麦ではなく、ゆめちから単一でつくりあげるこだわりの食パンはお店の名物であり、リピーターの多い人気商品です。

「あるとき、飲食店から依頼されたアンケートで、うちの社員を対象に毎日何を食べているのか?を調査したんですね。そうしたら、朝ごはんは食べないとか、昼や夜はラーメン、牛丼、コンビニ弁当……といった感じの結果で。

それらは手軽という点では確かにいいかもしれませんが、添加物や防腐剤が入っていたりと、そればかり食べていては、決して健康にいいとは言えないものです。

それで、このままではいけないと、添加物を入れない、その日のうちに食べられる量というコンセプトの社員食堂をはじめたんです。役員の親戚にゆめちからの生産者の方がいて、よく送ってくれていたので、それを使用したパンも販売していまして。

来客の方や、地域の方との交流のときにお出ししていたら好評で、『売ってくれないか』というお声をいただいたりと、口コミでそのおいしさが広まっていったようです。最初は移動販売店からはじまり、3年前に会社の1階にパン屋をオープンしました」(小山さん)

小麦粉「ゆめちから」単一の食パンをつくりあげる難しさ

「もっちりパン」が並ぶ画像
社員食堂で販売していたのは、この小さくて丸い「もっちりパン」¥90(税抜)。現在、くるみや栗あんなどさまざまな種類を販売。

社員の方の縁ではじまった、ゆめちからのパンづくり。

あえてブレンド小麦ではなく、ゆめちからの風味をしっかりと出すために、ゆめちから単一小麦でのパンづくりに取り組んだものの、これがとても難しい製法だったのだとか。試行錯誤を重ねて、「ゆめちから もちもち生食パン」の開発には一年を要しました。

「パンづくりの素人だったからこそ、やり始めたことですね(笑)。単一小麦でつくるのはとても難しいので、プロのパン職人の方なら、なかなかやらないと思います。バランスよくブレンドしたほうが製法も安定しますし。でも、風味など単一のほうが絶対においしいと思います。

生産性も大事ですが、私たちは健康、安心、安全を優先して『健全なおいしさ』を目指しています。自然のままの素材を使って、おいしさを追求することが一番だと思っているんです」(小山さん)

サニーベッカリーの店内の画像
愛情たっぷりにつくられたたくさんのパンが並ぶ広い店内。

「パンは生き物」だと語る小山さん。「サニーベッカリー」では、まさに生き物を見るように、丁寧に愛情をかけて見守りながらパンをつくっていくそう。

「うちのパンは、朝ごねといって朝一で生地をこねて発酵させ、ノンストップで焼き上げまでを行う『スクラッチ製法』を採用しています。

生地を冷凍保存したほうが常にパンを提供し続けられるのですが、それは人間の都合ですよね。発酵を止めるのは自然ではないし、あくまで主役はパンで人間はそのお手伝いをするだけ。独自のやり方で、手間をかけてつくっています」(小山さん)

焼きたてから5~7時間経過した食パンが最もおいしい!?

生産性よりも、パンのおいしさを徹底的に追求したサニーベッカリーの生食パン。

小山さんいわく、「焼きたてももちろんおいしいですが、焼きたてから5~7時間くらいたったときが、実は一番おいしい」のだとか。焼きたてのときは中に水分が集中していたのが、時間の経過で全体に水分が行き渡ってバランスがよくなり、耳までしっとりとした食感を楽しめるそう。

おすすめの食べ方は、トーストにはちみつ、パラパラッと塩をかけていただくもの。黒コショウを少しだけ振りかけるのもピリッと味が引き締まっておすすめだそう。

定番ですが、フレンチトーストにすると生食パンならではのトロトロふわふわの味わいが楽しめ、耳までおいしく食べられます。特にお子さんに好評だとか。

サンドイッチを切っている画像
種類豊富なサンドイッチも人気商品。

また、お店では生食パンを使ったサンドイッチも多数、販売しています。生で食べることを想定してつくられたパンなので、サンドイッチとの相性は抜群。スーパーで買ったお買い得のハムと合わせても、高級サンドの味になるそうなので、ぜひお試しあれ。

お店で販売しているサンドイッチの中では、「いぶりがっこサンド」がよく売れるそう。なかなかほかでは見ない珍しい具ですが、こちらも秋田出身の社員の実家から送られる、いぶりがっこを使用しているのだとか。

やわらかい食パンに、ぼりぼりとした食感のいぶりがっこが意外とハマる、食感が楽しいサンドイッチになっています。

「サニーベッカリー」外観の画像
お店に来るだけで明るい気持ちになれるようなパン屋さんを目指しているそう。

「サニーベッカリーは、『ベーカリー界のディズニーランド』を目指しているんです」と小山社長。新商品の開発にも力を入れ、おいしいパンを販売し続けるというだけでなく、明るい空間の提供や、人々に元気を与えられるようなベーカリーを目指しているのだそう。

「素人がパン屋をやってもここまでできるんだ、という勇気が持てる例にもなったのではないかと。これからも地域とのつながりを大切にしながら、健全なおいしさを追求し、世の中にないおいしさを提供していきたいですね」(小山さん)


店名は「太陽ばっかり」という意味の造語。明るく楽しい雰囲気の店内は、訪れるだけで元気になれるようなパワーがあります。素材と製法にこだわり抜いてつくられた「サニーベッカリー」のパン、近くを訪れた際にはぜひ食べてみてくださいね。

問い合わせ先

  • サニーベッカリー 
  • 営業時間/7:30〜18:00
  • 定休日/火曜日 ※火曜日が祝日の場合は営業
  • TEL:042-850-8555
  • 住所/東京都町田市旭町1-21-14

この記事の執筆者
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WRITING :
小林麻美
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