日本でも差別問題はなくなりませんが、発展途上国でも、人種差別や性差別、格差、貧困など、情報を得ることが難しいがゆえに解決できない問題がさらにたくさん起きています。今回、ご紹介するのは、ネパールの女の子を救うためのクラウドファンディングプロジェクト。いったいどんなことが起きているのでしょうか?

クラウドファンディング「Ready for」にて立ち上がった「ネパールの女の子たちを性による差別や暴力から守りたい!」プロジェクトトップページ。
クラウドファンディング「Ready for」にて立ち上がった「ネパールの女の子たちを性による差別や暴力から守りたい!」プロジェクトトップページ。

「なぜ私は女の子として生まれたのだろう」とネパールの女性が考えてしまう理由


発展途上国の男女は、正しい性の情報を知らないため、なぜ妊娠してしまうのか、さえ知らない人も少なくないそうです。そのため、望まない妊娠や出産、HIVエイズなどのリスクに直面してしまいます。

さらにネパールでは、女性であるがゆえに人身売買や暴力を受けるリスクを女の子たちは抱えています。この国では、生理は不浄のものとされ、初潮を迎えた女の子は数日から数週間、真っ暗な小屋や部屋に隔離される習慣があるんだとか。女性であるだけで、寒さや孤独に耐えることを強いられます。そして現在でも、生理中の女性は寺院や台所に入ることが許されていません。

そのほかにも、女の子ばかり産んだ女性が、夫から暴力をふるわれるのを「自分が悪いから仕方ない」と思い込んでいたり、家政婦としての働き口を紹介されたはずが売春宿で労働させられた結果、HIVエイズに感染してしまったり、女性であるが故に苦しみを抱えている女性が今でもたくさんいます。

数にして、5人に1人の女性が、女性であることを理由に暴力を受け、年間5,000~12,000人の10~20歳の女性が、人身売買の被害にあっているというのがネパールの現状なんです。

啓蒙活動をする若者を育成し、自分の身と心を守る


この問題を解決するために「ピア・エデュケーター」という性に対して正しい情報を伝える若者30人を育成するのが、このプロジェクトの目的です。

研修を終了したピア・エデュケーターたちは、ジェンダーとは何かから始まり、性の多様性や権利、人間関係の構築の仕方、性感染症や望まない妊娠の予防、ジェンダーに基づく暴力、基本的なSRHに関する講義をし、受講する女の子たちが自分の身体と心の健康を自ら守れるよう、啓蒙教育をしていきます。また、地震で倒壊してしまった活動拠点となるユースセンターの再建にも、このプロジェクトで集められた資金が使われる予定です。

すべての女性が自分の存在を否定することなく、自分自身を守ることができ、それぞれが輝ける人生を送ること。これは全世界の女性が共通して願うことです。クラウドファンディングへの応援で、この願いを形にしてみませんか?

今回のプロジェクトへの参加募集は2017年6月12日(月)まで。寄付先となる国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)は特例認定NPO法人のため、個人の場合は所得税、法人の場合は法人税の税制上の優遇措置が適用され、税控除が受けられます。東京都内にお住まいの方は、別途、個人都民税の寄附金税額控除が受けることができます。

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