モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガン…。

言わずと知れた西洋絵画の巨匠たちに、多大な影響を与えたひとりの日本人画家がいます。


それは、稀代の天才浮世絵師である葛飾北斎。彼が描いた多くの作品が、のちにジャポニスムという形を通じ、西洋の芸術に影響を与えていきました。そんな葛飾北斎と、西洋の芸術家たちの作品に迫る展覧会『北斎とジャポニスム』が、2017年10月より、国立西洋美術館で開催が予定されています。

葛飾北斎が西洋の芸術に与えた衝撃とは

ジャポニスムとは、日本的な表現を西洋芸術の世界に反映し、独自に発展させたもの。そのため、日本文化を直接的に表現したものではありませんが、モチーフやポーズなど、これまでの西洋の芸術では見られなかった表現手法が数多く取り入れられています。


例えば、ドガの『踊り子たち、ピンクと緑』。バレリーナを多く描いてきたドガのこちらの作品は、人物の何気ないポーズを捉えた北斎漫画から強く影響を受けたと言われています。日常的で、ありのままの姿を描いた北斎の表現手法は、西洋人にはとても新鮮なものとして映ったのです。

また、モネの『陽を浴びるポプラ並木』では、北斎の代表作、『富嶽三十六景』がインスピレーションソースに。北斎独自の卓越したリズム感を、モネが繰り返し描いてきたポプラに置き換えながら、特徴的に表現しています。

このほかにも、西洋の芸術家たちによるさまざまな作品と北斎の作品を比較しながら、ジャポニスムがどのように成立していったのかを知ることができる本展。

西洋の名だたる芸術家たちによる作品を通して、日本が世界に誇る北斎の魅力を再発見することができる、またとない機会となっています。

 

  • 北斎とジャポニスム TEL : 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
  • 会場/国立西洋美術館
    会期/2017年10月21日(土)~2018年1月28日(日)※予定
    住所/東京都台東区上野公園7-7

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クレジット :
文/難波寛彦(LIVErary.tokyo)
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