モデル業のほか、テレビやラジオ出演、アパレルや化粧品のプロデュースなど多方面で活躍されているアン ミカさん。「事典」という名のとおり、繰り返し何度も読み返したくなる、キレイのヒントがたっぷり詰まった著書『アン ミカのポジティブ美容事典』を今春上梓し、大人の女性からの静かな支持が広がっています。

そんなアン ミカさんに、「夏を迎える前にしておきたい美人の準備」というテーマで、お話をうかがいました。冬が長かった2017年、特にこの時期の体調の変化には気をつけたほうがよさそうです。

「二十四節気」を知れば、季節の変わり目もスムーズに!

アン ミカさん
アン ミカさん

――夏に向けて今から始めたい美人の準備、どんなことに気をつければいいでしょうか?

アン ミカさん (以下、アンさん) 普段あまり意識されていないかもしれませんが、「二十四節気」を活用した過ごし方をしていただきたいなと思います。二十四節気とは、季節を現すための工夫として、太陰暦を使用していた時代に考え出されたものです。1年が24の時候に分類されていて、春分や夏至などもそのひとつとしてご存知の方も多いと思います。『アン ミカのポジティブ美容事典』にも掲載しているのですが、この二十誌節気の考え方がすごく大事でなんす。

 
 

春になるといっせいに草木が芽吹き、花が咲き誇ることからも分かるように、冬の間ずっとためていたエネルギーが急に発散されるのが春です。体に与える変化ですが、特に女性は熱気が上がるので、上半身はのぼせて、下半身は冷えるという状態になりやすくなってしまうんですね。この時期を二十四節気では「清明」といいます。

さらにそのまま暑くなって夏に向かっていくと、今度はアレルギーや吹き出物が出やすくなります。これも、夏に向けて体内の熱気が高まってきているから。耳鳴りや目が赤くなる症状もそのひとつとされています。この時期は「穀雨」といって、4月20日から5月4日ごろの期間です。

―――どんなことに気をつければいいですか?

アンさん 体内の熱気を冷ますような食べ物を摂るのはいいですね。5月5日から5月20日ごろを「立夏」というのですが、この時期は心臓に負担がかかりやすい時期。トマトはのぼせを下げて冷えを改善してくれます。さらに血をきれいにして心臓の負担を軽減してくれると言われています。

 
 

―――季節の変化に合わせて体にも変化が起きるのですね。

アンさん そうですね。立夏が夏の始まりなのですが、この季節の変わり目にこそ、女性は心身のバランスが崩れると言われています。ちょうどこの記事が公開される時期(5月後半)が、その変わり目に当たるかと思います。

―――季節の変わり目に体調が崩れるのは体感としては感じますが、その理由まではなかなか知られていないですよね。

アンさん 通常ですと、熱が上半身にこもる春を1、2か月を過ごして、5月にアレルギー症状などが出やすくなる、そして夏を前に心臓に負担がかかるので気をつけましょう、という3つの段階を踏むのですが、今年初頭は冬が長かったので、その3ステップが一気にまとめてやってきます。

―――それは大変! 著書に対処法は書いてありますか?

アンさん 本には、季節の変化に合わせた暮らし方を二十四節気ごとにご紹介しています。摂りたい食べ物やおすすめの行動、注意することなどについてご紹介していますので、1年中ハッピーでいられるように、役立ててもらえるとうれしいです。

自分を知れば賢い選択ができる! 「四象体質」がキレイのヒントに

―――二十四節気のほかに、読者に読んでもらいたい項目やおすすめの活用法があれば教えてください。

アンさん 年齢を重ねていくと、まずは自分を知る、ということがとても大切になってくると思うんですね。いろいろと経験してきた中で、いくら流行りの美容法でも自分に合わないものもあることを、経験的にわかっているはずです。乾燥肌なのか脂性肌なのか、冷え性なのか火照り症なのか、水太りの体質なのか筋肉質なのか……。

 
 

―――体質を客観的にチェックする方法はありますか?

アンさん はい。本で「四象体質」について紹介しています。これは多くの韓国人が実践している医学で、「太陰人」「小陰人」「小陽人」「太陽人」の4タイプに分けられます。声の出し方や歩き方などちょっとしたことからタイプが分かれ、体質がまったく違ってくるんですね。それぞれの体質によって合う食べ物や合わない食べ物、アレルギーやかかりやすい病気が異なるので、ぜひ自分の体質をチェックしてみてほしいです。

―――アンさんはどの体質なのですか?

アンさん 私は「小陰人」です。実は子供のころ、この体質を知らずに過ごしていて、よかれと思って間違えた漢方を飲んでいたことで心臓が弱くなってしまった経験があるんです。

―――いくら体によいといわれるものでも、体質に合わないものだと逆効果になってしまうのですね。

アンさん そうなんです。また麦茶をよく飲む家庭だったのですが、私は麦茶をたくさん飲むと体が冷えてしまって、しもやけがすごかったんです。体質がわかってからはやめて、”とうもろこしのひげ茶”を飲むようになりました。本には体質別に合うものやおすすめの美容法を紹介していますので、参考にしてもらいたいですね。

 
 

―――最後にもうひとつ、見どころを教えてください。

アンさん 本の後半に掲載している“心の持ち方”について、ですね。30後半くらいから、その人の生き方や選ぶ言葉が所作に現れてくる年代に入ってくると思います。本の見どころと言われると難しいですね…。“ポジティブ美容”がテーマなのですが、それぞれ人によってポジティブに実践したい美容のポイントが、違うと思うんですよね。やせたい人、なんとなく不調を治したい人、精神的に強くなりたい人……。

そのため、この本の「最後のページを目次」にしたんです。今みなさんが気になっているところを、目次からキーワードを調べて読み込んでもらうことで、その人に合ったポジティブ美容法を見つけることができます。事典なので一度見ておしまいではなく、何度も繰り返し読んでもらえたらうれしいです。

まずは自分の体質を知ること。その上で季節と体と心の変化を知り対処していくことが大事なのですね。やみくもに情報やトレンドに振り回されるのではなく、賢くきれいの道を選択していきましょう。

>>【第2回】季節の変わり目、“なんとなく不調”をこう乗り切る!
>>【第3回】夏からでは遅い!美白こそ今すぐやるべきスキンケア
>>【第4回】39歳、LIBErary.tokyo世代へのポジティブメッセージ

アン ミカさんにしか書けない!
美のノウハウのすべてが詰まった『アン ミカのポジティブ美容事典』

 
 

女性は誰だって、とびきりの美人になれる! 大切なのは、コンプレックスとの向き合い方。そして、自分の見せ方です。12個の美資格&モデル業30年で培った美のノウハウのすべてが詰まった『アン ミカのポジティブ美容事典』。あなたの悩みの答えは、必ずこの本の中に見つかります。『アン ミカのポジティブ美容事典』(宝島社)価格:本体1300円+税

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クレジット :
文/森山麻里子