名物グルメ満載の都市・福岡より、お米や和食の美味しさが評判のレストランをピックアップ。たとえば明太子+ご飯の黄金コンビを楽しめる和食店や、小倉にある鰻の老舗など、そこにしかない美食のお店を集めました。
選んだのは、プレステージなレストランの予約を得意とする『一休.comレストラン』で口コミ評価が高いお店と、料理人の顔が見えるグルメ・レストランサイト『ヒトサラ』でシェフがオススメするお店、そしてラグジュアリーマガジン『Precious.jp』に掲載されたお店の中から。いずれも美味しい時間を過ごせる10軒をご紹介します。
【目次】
【明太子・水炊き】福岡名物をご飯のお供に
【1】博多料亭 稚加榮(ちかえ) 福岡店|大名|和食
福岡で料亭といえば、昭和36年創業の老舗「博多料亭 稚加榮 福岡店」の名が挙げられます。趣あふれる建物は、福岡の炭鉱王・中島徳松氏の持ち家を改装したもので、料亭の風格充分。その一方、総勢70名に上る中居さんのもてなしはあたたかく、地元の人々の間で長く親しまれていることがわかります。
大小30室ほど完備された座敷は、テーブル式、掘りごたつ式などスタイルもさまざまで、幅広い年齢層に対応。各種食事会や、結納・法事など、節目の行事にはやはりここと、安心感を覚える方も多いはず。
そしてなんと言っても圧巻なのが、1階にある巨大な生け簀。水槽を囲むコの字型カウンターからは、優雅に泳ぐ魚の姿や、注文を受けて引き揚げられる様子を、臨場感たっぷりに眺めることができます。
博多といえば、真っ先に思いつく名物のひとつが「明太子」ですよね。稚加栄では、福岡名物・辛子明太子も自社で製造しており、明太子を使ったメニューも多彩に展開しています。特におすすめは、秋刀魚の腹に明太子を詰め焼き上げた「さんま明太子」や「いか明太子」など、逸品を一堂に集めた「明太子盛り合わせ」。
数々の明太子料理に、ご飯も思わず進んでしまうというもの。単品の白御飯はもちろん、茶漬けや釜めし、さらに「炊き込み生うに入りうに御飯」など、ご飯ものも豊富なラインナップとなっています。
そのほか、呼子産を中心とした「いか活造り」等、自慢の水槽から揚がる生け簀料理や、赤白味噌仕立てで長崎産の伊勢海老等、魚介・肉を寄せ鍋にした「稚加榮鍋<味噌仕立て>」など、食べるべき銘品が満載。名物・明太子は、お土産にも最適です。
問い合わせ先
- 博多料亭 稚加榮 福岡店(ちかえ)
- 営業時間/17:00~22:00※平日昼は予約のみ 土日祝/11:30~22:00
定休日/無休 ※年末年始
予算/ランチ 4,000円、ディナー 10,000円
キャパシティ/200人(宴会・パーティー時立席:200人、着席:200人)
喫煙可否/分煙 ※昼食時は全面禁煙
TEL/092-721-4624
住所/福岡県福岡市中央区大名2-2-17
博多料亭 稚加榮 福岡店(ちかえ) の詳細・予約はこちら >>
【2】九州の旬 博多廊|大名|和食
「九州の旬 博多廊」は、九州全土の名物料理を提供する、和食ダイニング。天神駅から徒歩5分と立地もよく、観光利用のみならず、接待などに使われることも多い、福岡定番の1軒です。
店内は天井が高く、和紙の照明や竹の簾、御影石の床など、こだわりの調度を配した和モダンの設え。上質感のある空間づくりにおいても、幅広い年代から支持を集めています。
テーブル席のほか、個室は7部屋と充実の展開。広い部屋にTVモニターなども用意されており、さまざまなシーンでの活用が想定されます。一方、料理人の技を目の前にするカウンターは、ひとり客にも人気。出張などの折に、ひとり地元グルメを楽しみたくなったら、こちらを訪れてみては?
福岡名物「胡麻さば」や、小倉城下の郷土食「鯖のぬか炊き」、長崎の「島原鶏もも一本焼き」など…ここに来れば、九州グルメを一度に堪能することができます。
おすすめは、1日15食限定のランチメニュー「花籠御膳」。旬の味覚を盛り付けた花籠と、季節の釜飯がセットになった、月替わりの御膳です。夜は、九州の名食材をそろえたコース料理が人気。「水炊き」「もつ鍋」「黒豚しゃぶ鍋」等から選べる鍋や、「さつま揚げ」、「明太子の前菜」、「熊本直送馬刺」…まさに九州の「うまかもん」尽くしな内容となっています。
アラカルトも豊富で、特製出汁でふっくら炊き上げた「鯛飯」なども、欠かさず味わいたいメニューのひとつ。同じくご飯ものでは、福岡名物「水炊き」の出汁を使った「博多水炊き釜飯」などもあります。
焼酎をはじめとする日本酒も、本場・九州ならではのラインナップで、利き酒セットも充実。好みのアラカルトと地酒で1杯やるのも、また乙なものです。
問い合わせ先
- 九州の旬 博多廊
- 営業時間/11:00~15:00 17:00~23:00、金土祝前/17:00~0:00
定休日/無休
予算/ランチ 2,000円、ディナー 5,000円
席数/60人(宴会・パーティー時着席:60人)
喫煙可否/分煙
TEL/092-687-5656
住所/福岡県福岡市中央区大名1-1-38 サウスサイドテラス5F
天神・中洲で福岡ならではのご飯を
【1】はくしか 中洲店|中洲|和食
長崎で昭和25年より続くおでんの専門店「はくしか」。その伝統のダシを受け継ぎ、「中洲店」が開業したのは、昭和43年のこと。以来、店構えも内装も変わることなく、店内には今も、古き良き昭和の面影が残ります。
旅のおすすめは、一人客も多いというカウンター。日本酒とともにおでんを味わえば、不思議な懐かしさが去来し、中洲の夜に一層の情緒を添えてくれることでしょう。2、3階には個室もあるので、大切な誰かを誘っても。
「はくしか」のおでんダシは、透明で淡口、それでいてコクがあるのが特徴で、お吸い物としてもおいしくいただくことができます。材料となるのは、長崎平戸産の焼アゴ(とびうお)、青森産の干し貝柱、鹿児島枕崎産の鰹節、北海道利尻産の昆布。厳選素材を使い、何十年もの間、伝統の味が守られているのです。
おでんはもちろんのこと、玄界灘から揚がる旬魚の料理も名物のひとつで、あご(トビウオ)の干物や鯨の刺身など、珍しい一品も。また、エビのすり身をパンではさんだ長崎の郷土料理「はとし」も、同店ならではでしょう。
そのほか、日本酒と一緒に堪能したい、一品メニューが充実。明太子のお茶漬けやおにぎり、「はくしか雑炊」や「おでんの玉子deごはん」等、おでんのお供や〆に欠かせない、ご飯ものもそろっています。
問い合わせ先
- はくしか 中洲店
- 営業時間/17:00~23:00
定休日/日・祝日
予算/ディナー 3,500円
席数/100人(宴会・パーティー時着席:24人)
喫煙可否/喫煙可
TEL/092-271-4006
住所/福岡県福岡市博多区中洲5-4-25
【2】しらに田|西中洲・天神南|和食
九州食材の素晴らしさを知ってもらいたい…。そんな思いで正統派和食を追求する、知る人ぞ知る名店「しらに田」。店があるのは、天神と中洲に挟まれる西中洲の一画。閑静な小路に潜む和空間は、まさに大人の隠れ家と言えましょう。
中洲のネオンを臨む個室も用意されていますが、おすすめは主人の手仕事を眺められる、カウンター席。自ら窯元を訪れ集めたというこだわりの器で、四季の味覚を彩ります。
九州は上質な食材の宝庫。「食材を壊しすぎたりせず、食材本来の味が出せればいい」と、主人・白仁田政信氏は語ります。
奇を衒わないシンプルな料理だからこそ、食材は質が高いものを厳選。たとえばお肉は、佐賀県産や鹿児島県産の和牛、野菜は福岡県内や熊本の旬のもの、米は佐賀の契約農家が有機栽培で育てたものなど、吟味された素材だけを仕入れ、化学調味料を使わず、洗練された和食へと仕立ててくれます。
そんな同店の名物といえば、創業以来の人気メニュー「鯛茶漬け」。プリっと締まった淡い桜色の真鯛は、玄界産の最上級天然もの。ひとりずつ土鍋で提供するご飯は粒立ちがよく、目でもおいしさが伝わります。
そこに合わせるのは、自家製・濃厚ごまだれと、八女煎茶の凛とした旨味。隠れ家的名店ひしめく西中洲ですが、その中でも珠玉の逸品と言えるでしょう。
おすすめは、ランチプラン「【予約の仮申込(リクエスト予約)】お昼のおまかせコース 正統派の和食料理をお愉しみ頂けます 4,320円」。内容はその日の食材次第。本格和食を、手軽なランチでいただけるのがうれしいところです。
問い合わせ先
- しらに田
- 営業時間/11:30~14:00、17:30~22:00
定休日/不定休
予算/ランチ 5,000円~5,999円 、 ディナー 12,000円~14,999円
席数/38席(個室4室)
喫煙可否/分煙(個室のみ喫煙可)
TEL/092-725-7336
住所/福岡県福岡市中央区西中洲4-4 RIN FIRST 4F
博多駅周辺のおすすめご飯
【1】蓮双庭(れんそうてい)|博多駅周辺|中華
福岡で中華ならここ!と博多っ子が太鼓判押すのが、「蓮双庭」。東京・赤坂「トゥーランドット」等、名だたる名店を手掛ける、脇屋友詞氏プロデュースのモダンチャイニーズレストランです。
こちらのお店、ラグジュアリーな「蓮」、カジュアルな「双」の、二つのスペースで構成されているのが特徴的。ゴージャスな雰囲気の「蓮」では、洗練されたコース料理を提供。ゆったりとしたソファ席を中心に、プライベートな個室も用意されています。一方「双」は、アラカルトスタイルがメイン。ウッディなテーブル席やバーカウンターのある、より気軽な空間となっています。
現代的アレンジを加えた創作中華を得意とする脇屋氏。同店では地元九州の食材を使い、脇屋氏プロデュースのメニューを提供しています。
たとえば、季節の味が色とりどりに詰まった、なんとも縁起の良さそうな一品「九つの喜び チャイナオードブル盛り合わせ前菜」。鹿児島産黒豚のチャーシューや旬野菜など、九州食材をたっぷり織り込んでいるのが、同店ならではです。
ワインが充実している点も、中華料理店としてはユニーク。唐辛子と山椒の風味豊かな「ヒーヒーアーヒーと歌ってください オマール海老と鶏手羽の朝天唐辛子炒め(1尾)」など、相性抜群のメニューとともに、ちょっと意外な中華とワインのマリアージュを堪能してみてはいかがでしょう?
そのほか、土鍋で炊いたご飯といただく「上海風フカヒレの醤油煮込み 白ご飯とごいっしょに(150g)」、「Wakiya特製自家製XO醤入りオムレットチャーハン」、「九州名物 高菜漬け入りチャーハン」等、ご飯ものもオリジナリティあふれるラインナップです。
問い合わせ先
- 蓮双庭
- 営業時間/11:30~15:00、17:00~22:00
定休日/無休
予算/ランチ 1,000円、ディナー 5,000円
席数/197人(宴会・パーティー時立席:100人着席:100人)
喫煙可否/完全禁煙
TEL/092-411-4188
住所/福岡県福岡市博多区博多駅東2-7-27 TERASO-2F
【2】WITH THE STYLE - ステーキハウス ミディアムレア -|博多駅周辺|鉄板焼
博多の街に突如現れる、パームツリーの異空間。「WITH THE STYLE FUKUOKA(ウィズ ザ スタイル 福岡)」は、博多駅近で別世界を満喫できる、都心のリゾートホテルです。
その1階に構える「WITH THE STYLE(ウィズ ザ スタイル)- ステーキハウス ミディアムレア -」は、開放的でスタイリッシュなムードの、鉄板焼きレストラン。鉄板をぐるりと囲むカウンター席は、程よくカジュアルでライブ感も抜群。コースはもちろん、600円からの単品料理も用意されており、気軽に利用できる点も魅力です。
日本の中でも、とくに食材が豊富な九州。シェフ自ら選ぶ齋藤牛はじめ、玄海難の魚介や旬野菜…一級食材のおいしさをダイレクトに楽しめるが、鉄板焼の醍醐味です。
同店で名物として人気を集めているのが、「フォアグラ寿司」。また、鉄板焼の定番「ガーリックライス」も、明太子と合わせた博多らしいアレンジで楽しめます。そのほか「お好み焼き」や「モツ焼き」といった、カジュアルメニューもラインナップ。
おすすめは、ランチプラン「人気のフォアグラ寿司付き!メインは黒毛和牛もも肉40g、ハラミ40gのミディアムレアランチコース 3,960円」。内容の一例として、「サラダ」、「フォアグラ寿司」、「焼き野菜」、「ハラミ40g」、「黒毛和牛もも肉40g」、「ガーリックライス」。
問い合わせ先
- WITH THE STYLE - ステーキハウス ミディアムレア -
- 営業時間/11:30~14:00(L.O.)、17:30~21:30(L.O.)
定休日/なし
予算/ランチ 2,000円?2,999円 、 ディナー 6,000円?7,999円
席数/43席
喫煙可否/全面禁煙
TEL/092-433-3901
住所/福岡県福岡市博多区博多駅南1-9-18 WITH THE STYLE FUKUOKA(ウィズ ザ スタイル 福岡)1F
WITH THE STYLE - ステーキハウス ミディアムレア - の詳細・Web予約はこちら >>
福岡市以外のご飯もの名店
【1】田舎庵 小倉本店|小倉|和食
「田舎庵 小倉本店」は、北九州で知らぬ人はいない、鰻料理の名店です。その創業は昭和元年。格式高い和空間は老舗の風格を感じさせますが、全体的にゆったりとした造りで、居心地よくくつろぐことができます。
1階はテーブル席中心で、2階には個室・大広間を配置。個室は畳にテーブルを置いたスタイルとなっているので、正座が苦手な人も安心です。
創業当時の味を守り続けているため、親子3代で通う人も多いそう。北九州の玄関・小倉駅から徒歩5分と立地もよく、親戚の集まりや、遠方からのゲストのもてなしに間違いのない1軒と言えるでしょう。
独自の焼きでふっくら仕上げる鰻は、まさしく絶品。そのおいしさは、ミシュラン・ビブグルマンでも紹介されるところとなっています。
特筆すべきは、「こなし」という、田舎家伝統の焼き方。肉厚の鰻に長時間高温で火を入れることで、皮目はカリッ、身はふんわりとした、極上の食感を実現。「火をたくさん食べさせる」とも表現される、独特の調理法です。
5月~11月の猟期には天然鰻が入荷することもあり、それ以外の時期にも、天然に近い状態で飼育した国産鰻を使用。上質な食材と独自の焼き方で、本当においしい鰻を堪能させてくれる、まさに名店です。
おすすめは、焼きのみで仕上げる「鰻丼」や、焼いた鰻をご飯や錦糸玉子と蒸した、福岡ならではの鰻料理「せいろ蒸し」など。こうした銘品を一品からオーダーできるほか、宴席にふさわしいコースなども用意されています。
問い合わせ先
- 田舎庵 小倉本店
- 営業時間/11:00~21:30
定休日/無休 ※年末年始+春秋に3日間程不定休
予算/ランチ 2,000円、ディナー 3,000円
席数/80人(宴会・パーティー時着席:80人)
喫煙可否/完全禁煙
TEL/093-551-0851
住所/福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1-1-13
『Precious.jp』掲載の福岡のご飯屋さん
【1】石堂橋 白つぐ
ユネスコの無形文化遺産にも認定される「博多祇園山笠」。梅雨入りと合わせるように祭りに入り、クライマックスの「追い山」が追わると、もう夏も本番。祭りは、季節の訪れを告げる、風物詩でもあるのです。
和食店「石堂橋 白つぐ」があるのは、多くの寺に囲まれたエリアの一画。「追い山コース」にあたるこの界隈もまた、祭りが近づくとなんだかそわそわした空気に包まれます。
そもそも店名にある「石堂橋」とは、街の東を流れる御笠川にかかる橋のことで、店は当初この橋の縁にあったのだとか。山笠の「お汐井とり」では、この橋を起点に男衆が動き出すため、店の前はさぞかし壮観な眺めだったことでしょう。店主はこの文化に触れ、「こういう祭りがある界隈だからこそ季節の味わいをきちんと出していきたい」と想いを固めたそうです。
現在店があるのは、日本で最初に開かれた禅寺である「聖福寺」の向かい。店前の東町筋を山笠の男衆が勢い良く駆け抜ける姿を想像しながら、店に向かいましょう。
京都の名店「菊乃井」で修業し、東京、オーストラリアの料理店で感性を磨いた店主・白次亮一さん。そうした経験を活かし、地元・福岡で追求するのは、日本古来の一汁三菜。伝統ある祭りの地は、四季を楽しむ和食を堪能する場として、この上ありません。
清々しい午後にいただきたいのは、ランチの「大将おすすめコース」。構成は、先付、八寸、お椀、お造り、焼物、酢の物、ご飯、そしてデザートと飲み物。時間をかけてゆっくり味わいたい計7品です。
この日の先付は、清涼感あふれる「青梅の白ワインゼリー寄せ」。7月に入ると山笠の参加者はキュウリを食べないしきたりがあるため、八寸の前菜4種には、旬を迎えたキュウリも「今のうち」とばかりに、お目見えします。次いで、ハモを葛打ちした、優しいとろみのお椀。続く、玄界灘のヤリイカ、長崎産のコチ、アジなどお造りは、日本酒を合わせて。太刀魚の塩焼きには、一夜干しし油で揚げた尻尾を添え、二重奏の味わいを演出します。
〆のご飯は、新生姜の風味をふわりと感じる炊き込みご飯で。味噌汁も、ほっと落ち着くいいお味です。
デザートの水羊羹をいただきながら実感する、日本食の素晴らしさ。食後はせっかくなので、界隈を散策して。食事の余韻と、来る季節への期待に、胸がいっぱいになります。
問い合わせ先
- 石堂橋 白つぐ
- 営業時間/12:00~15:00、17:00~22:00
定休日/月曜
予算/お昼の御膳(定食) 1,800円~、大将おすすめコース(7品) 4,000円、昼のコース(8品) 6,000円/スタンダードコース(8品) 7,500円、おすすめコース(9品) 9,500円、スペシャルコース(9品) 12,000円、のんべえコース(7品) 10,000円 ※すべて税抜
席数/46席
TEL/092-400-3569
住所/福岡市博多区御供所町2-40
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【2】十石かじはら
筑前海、豊前海、有明海という3つの海に接する福岡県。たとえば名物「ゴマさば」のように、鯖を生で食べるメニューがごく当たり前だったり、福岡といえば「おいしい魚料理」を期待する人も多いはず。そんな方におすすめしたいのが、大手町の小さな割烹「十石(じゅっせき)かじはら」です。
その名の通り、店内には10席のカウンター席があるばかり。目の前の板場では、まるで小さな舞台のアクターのように店主・梶原恵さんが立ち動き、ゲストは、魚が見事に調理される過程を目の当たりにすることになります。
魚が大好きで、心からうれしそうに、魚を調理してくれる梶原さん。どうしてこの場所に店を構えたのかと尋ねたら、「長浜の市場が近いから」と、即答してくれます。会話や酒・つまみを楽しみつつ、知らず知らず目の前の梶原劇場に引き込まれてしまうことでしょう。
アラカルトもありますが、魚づくしを楽しみたいと、コースをオーダー。まず最初に登場したのは、福岡で鍋物に人気の高級魚・アラ。紫蘇を挟んで揚げた、さりげない一品として供されます。
続いて、スッポンの茶碗蒸し。マダイ、ヤリイカ、赤ウニの造り…。味の変化を楽しむように、軽く酢でしめた鯖を挟み、次いで、メヒカリの一夜干し、ノドグロの炭火焼き、茹でたモクズガニの半身、そして、エビと白芋茎の餡かけと続きます。
その日仕入れた中から、ゲストを最大限に喜ばせようとする、多彩な構成が感動ものです。
〆は、ハモの土鍋ご飯。丁寧に骨切りしたハモに醤油タレをかけながら炭火で炙り、ご飯の炊き上がりに合わせて土鍋に投入。ハモの骨切りをする様もまた見事です。最後に抹茶シャーベットで口直しして、この日のコースは終了。福岡でおいしい魚を食べるなら、魚が大好きな店主のもとへ、どうぞ足を運んでみてください。
問い合わせ先
- 十石かじはら
- 営業時間/17:30~22:00(L.O.)
定休日/日曜
予算/コース 5,000円~8,000円 ※アラカルトもあり
TEL/092-737-5410
住所/福岡県福岡市中央区大手門2-9-17 YJKビル1F
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【3】万(よろず)分室
「けやき通り」から一本入り、住宅が並ぶ細い路地へ。福岡城址へ向かう、かつて城下町だった界隈に、「万」は潜みます。
一階は、日本茶を軸にしたカジュアルな茶酒房。この店を通じて日本茶のおいしさに気付いた人も多いという、福岡で人気の1軒です。空間の中央に茶を煎れる炉が据えられており、もてなす主人が客人を見渡せる造りに。これは「HIGASHIYA」を手がけた緒方慎一郎氏による設計で、無駄のないクールなデザインが「今風の茶室」を思わせます。
そして同じ建物の2階で展開するのが、「万 分室」。1階と同様、炉を中心とした造りになっていますが、こちらでは一席ごとに漆喰竃(しっくいかまど)が用意されているのが目に入ります。この「分室」では、空間を共有しながら、ゆっくり茶粥のコースを味わうことができるのです。
たとえば「野草茶と漆喰竃炊き粥茶」のコース。内容は、3種のお茶と2種の料理、炊き加減を変えた粥と9種の粥ノ友、〆の和菓子と抹茶。じっくり2時間ほどかけて味わう、おまかせコースです。
食前にまずお茶を一杯いただき、続いて一品目、二品目の料理と、食中茶を堪能。場を和ませる絶妙な掛け合いを挟みつつ、五分炊きの粥をさらりと味わい、七分炊きで米の素朴な甘さを噛みしめます。
やがて三杯目のお茶と、京都「津乃吉」から取り寄せる9種類の粥ノ友が並び、いよいよ全粥が登場。粥ノ友の一例として、ある日は「シジミの佃煮」、「フキ山椒」、「大根漬け」、「京しば漬け」、「紀州南高梅」、「高野山の奈良漬」、「日高昆布」、「塩昆布」、「ごま塩」。粥の友で味の変化をつけながら、ゆったり味わい尽くします。
最後の和菓子は3種からお好みで。抹茶とともに甘さを噛みしめると、「日本人でよかった」という思いが、体の底からこみ上げます。
ここにあるのは、「茶の湯」に通じる一期一会のひととき。「茶会となると固い席になりがちですが、粥を添えて気軽な場にすることで、緩やかに茶の心も継承できたら」…。店主・徳淵 卓さんはそう語ります。
問い合わせ先
- 万(よろず)分室
- 営業時間/12:00~15:00※予約のみ、18:00~翌2:00
定休日/日曜
予算/野草茶と漆喰竃炊き粥茶 3,500円、酒々と漆喰竃炊き粥茶 5,000円、お薄と季節の和菓子セット 1,500円、日本酒・焼酎 800円~
席数/20席
TEL/092-724-7880
住所/福岡県福岡市中央区赤坂2-3-32 赤坂MOKUZO
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※本記事で紹介したプランの価格はすべて税込です。
※本記事は2019年9月10日(火)時点での情報をもとに作成しています。
- TEXT :
- Precious.jp編集部