星野リゾート トマムはバブル世代には懐かしい、アルファリゾート・トマムの後継として、2005年から星野リゾートが一括運営している、北海道最大級の滞在型リゾートだ。

威風堂々とした表情のマセラティ

星野リゾート トマムのアイコン、ザ・タワーを背景に、車高を目一杯上げたマセラティ レヴァンテの勇姿! 都会でもオフロードでも存在感を放つレヴァンテは美しい。
星野リゾート トマムのアイコン、ザ・タワーを背景に、車高を目一杯上げたマセラティ レヴァンテの勇姿! 都会でもオフロードでも存在感を放つレヴァンテは美しい。

約1000ヘクタールの広大な敷地内には、リゾナーレトマムとザ・タワーの二つのホテルがあり、安藤忠雄の代表的な建築のひとつとして、世界中から見学者の絶えない水の教会のほか、造波プールや、ファームエリア、国際級のゲレンデのほか、星野リゾート トマムを一躍有名にした雲海テラスも控えている。

フロントビューの存在感は格別だ。
フロントビューの存在感は格別だ。

この広い敷地内には巡回バスもあるのだが、レヴァンテを使って移動することももちろん可能。今回は、リゾート内で最もラグジュアリーな設えを誇る、リゾナーレトマムに宿泊。威風堂々とエントランスに横付けするのに、レヴァンテほどふさわしい一台はないだろう。

北海道ならではのスペシャルな食材を味わう「オットセッテ トマム」のディナー

左上から時計回りに、彩り豊かな小さな前菜、豚肉のラグーとおぼろ昆布のタヤリン、濃厚なクレマフリッタとプラリネのジェラート、落ち葉に隠れた牛肉と茸のカルトッチョ。
左上から時計回りに、彩り豊かな小さな前菜、豚肉のラグーとおぼろ昆布のタヤリン、濃厚なクレマフリッタとプラリネのジェラート、落ち葉に隠れた牛肉と茸のカルトッチョ。

リゾナーレトマムでの目的は、2019年夏にオープンしたイタリアン・メインダイニング・「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」でのディナー。

オホーツク海、日本海、太平洋の3つの海に囲まれている広大な北海道は、多種多様な海産物のみならず、地域ごとの農産物の収穫時期も違い、まるでカレンダーのように、多様な食材を組み合わせることができる。このフラッグシップレストランでは、山岳地帯のピエモンテ州やリグリア海に面したリグーリア州の郷土料理をベースにした、トマム・イタリアンを味わえる。

喧騒を忘れ、大自然と融合するリゾートでのステイ

左上から時計回りに、リゾナーレトマムの客室は1フロアあたり4室、1室あたり100平米のオールスイートタイプで、展望ジェットバスも完備。リゾート内を回遊できるホタルストリートの夜景。星野リゾート トマムを大扶養するスポット、雲海テラスは一度は体験したい。海外からの見学者も絶えない、安藤忠雄設計の水の教会。
左上から時計回りに、リゾナーレトマムの客室は1フロアあたり4室、1室あたり100平米のオールスイートタイプで、展望ジェットバスも完備。リゾート内を回遊できるホタルストリートの夜景。星野リゾート トマムを代表するスポット、雲海テラスは一度は体験したい。海外からの見学者も絶えない、安藤忠雄設計の水の教会。

マセラティ レヴァンテでのグランドツーリングの楽しみは、目まぐるしく変わる気候にあっても、威風堂々と旅を続けていける、巡航性能の高さにあると実感する。母国・イタリアの地形も、ドロミティなどの急峻な山岳地帯のワインディングロードから、アマルフィのような、海岸沿いの細いつづら折り、そうかと思えばアウトストラーダでの超高速での移動と、実に多彩。

北海道は、イタリアの持つ全地形のみならず、欧州大陸を国境を越えて駆け回る、インテルナツォナーレ ツーリズモの味わいがある。そしてそれを体感できるのは、マセラティ レヴァンテのような、すべての環境を悠々と受け流す、スペチアーレなクルマなのだ。

さあ、マセラティ レヴァンテによるグランドツーリングは一路札幌へ・・・。

弦楽器を彷彿とさせる珠玉のエンジンサウンドを友として・・・

北海道の長旅の相棒は、快適なるサウンドを、時に穏やかに、時にパワフルに響かせてくれたパワーユニットにある。
北海道の長旅の相棒は、快適なるサウンドを、時に穏やかに、時にパワフルに響かせてくれたパワーユニットにある。
さまざまな路面状況にも柔軟に対応する。ハンドリングの安心感は一級品だ。
さまざまな路面状況にも柔軟に対応する。ハンドリングの安心感は一級品だ。

一般道から、高速道路に流入、一路札幌を目指した。安定しない天候のなか、マセラティ レヴァンテ本来の、ジェントリィなクルージングが楽しめた。

高速道路網が年々充実してきた北海道だが、とにかく広いので、地図を見ているだけでは実感がわかないこともある。制限速度いっぱいにセットしたオートクルーズコントロールを使いながら進むと、レヴァンテは、まさに凪いだ海を音もなく進むヨット。北海道の軽やかな陽光は、蒸し暑い日本の夏というよりは、イタリアはアドリア海を望む、リミニへ至るオートルートをクルージングしている錯覚さえ覚えた。

広々としたコックピットは、ドライバーの視野も広く、快適な運転感覚を楽しませてくれる。
広々としたコックピットは、ドライバーの視野も広く、快適な運転感覚を楽しませてくれる。
高級車の質感は、センターコンソールに現れる。
高級車の質感は、センターコンソールに現れる。
インパネの中央でさりげなく主張する、レヴァンテのロゴマーク。
インパネの中央でさりげなく主張する、レヴァンテのロゴマーク。

北海道の最大都市・札幌では、あらゆる美食が揃うが、わざわざ訪れるべき、独創的な料理店はやはり限られてくる。北海道では、素材が良いのは当たり前。料理人の仕事はその素材に、いかにオリジナリティを加えていくかが勝負なのだが、ともすれば素材のみに頼ってしまいがち。

北海道のグランド・ツーリングの最終目的地は、まさにこの地でなければ味わえない独創的な料理店「霜止出苗」にとどめを刺す。

食通を任ずるなら「霜止出苗」を知らずして札幌は語れない

店の設えはカウンター主体。主人のてわざを堪能しながらの食卓となる。
店の設えはカウンター主体。主人のてわざを堪能しながらの食卓となる。

「霜止苗出(しもやみてなえいずる)」は、札幌市内で、「五十嵐」を営んでいた孤高のフレンチシェフ、五十嵐光氏が、2019年3月、中島公園そばに新たに出した店。「五十嵐」の料理は、国際的なレベルに達しているフレンチの手法で、道産の豊かな食材を食べさせるイノベーティブな皿が、評判を聞いて訪れる客を瞠目させる名店だった。

五十嵐光シェフの手捌きは見事の一言、極上の食材が一皿に仕上げられるさまは見ごたえがある。
五十嵐光シェフの手捌きは見事の一言、極上の食材が一皿に仕上げられるさまは見ごたえがある。
道産を中心とした食材を楽しめるのは言わずもがな、揃わないときは各地の素材を加味し、「五十嵐」の料理に昇華させる。
道産を中心とした食材を楽しめるのは言わずもがな、揃わないときは各地の素材を加味し、「五十嵐」の料理に昇華させる。

心機一転、新たに構えた店は、はた目には和食に大きく軸を移したメニューの展開。かつての「五十嵐」を知る客には驚きをもって迎えられ、かつ、新たに五十嵐シェフの料理に向き合う客にとっては、道産食材のあっぱれなひろがりを感じられる、ふたつとない店となった。

ロングツーリングを経てそのカウンターに座る旅人にこそ、その価値がわかろうというもの。いわんや、マセラティ レヴァンテを駆って、雄大なる北海道をツーリングしてきた身にとって、この祝福は何物にも代えがたい、まさに天啓だ。

もちろん、札幌市内に位置する「霜止苗出」を訪問するのはさして難しいことではない(予約が取れれば、だが)。だが、今回のようなロングツーリングを経ることによって体感することができたのは、同質的に思わがちな日本国内にあってもなお、新たなる土地へのリスペクトが、マセラティ レヴァンテで走り抜いた数百キロの道程によって、深く印象付けられたからに他ならない。

むろん、先に紹介した「オットセッテ トマム」も然り。北海道にはわざわざ訪れるべきレストランがあるのだ。

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この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
2019.9.29 更新
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PHOTO :
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EDIT&WRITING :
神山敦行