楽しい海外旅行や、出張でのフライト。移動に便利な飛行機の旅は、できれば快適に過ごしたいですよね。しかし時には、迷惑に感じる人を、空港や機内で見かけることもあるのではないでしょうか。
世界最大級の総合旅行サイト「エクスペディア・ジャパン」は、1年以内に飛行機に乗り、かつ、ホテルに宿泊した、世界23か国の男女18,237名を対象に、「フライトにおける迷惑マナーに関する国際比較調査」を実施。これにより、日本と世界の意識の違いなどが見えてきました。
エクスペディア・ジャパン調べ「フライトにおける迷惑マナーに関する国際比較調査」
■1:迷惑行為に対して「何も言わずに我慢する」世界一は日本!
みなさんは「隣の人が座席スペースにはみ出てきたとき」どのような対応を取りますか? まずはこちらの質問による回答結果から見ていきましょう。
この質問へは、日本人の26%が「無視をして我慢する」と回答。世界ではトップの割合で、4分の1以上の日本人が、何も言えずに我慢をする傾向にあるようです。
また「直接本人に指摘する」と答えた日本人は25%で、これは世界23か国の中で最下位。オーストラリアやオランダなどの60%超えの実態と比べると、だいぶ低い結果となりました。
「我慢する」がトップであることも踏まえ、日本人は諸外国と比べて「迷惑と感じても何も行動しない」傾向にあるようです。
実際に隣の人が座席スペースにはみ出てきたときの対応としては、日本人の1位は「タイミングを見てひじ掛けを下ろしスペースを確保する」が30%。次いで、席を変えてもらえないかCAに丁寧に頼む(28%)、無視をして我慢する(26%)と続きました。
一方で、世界平均で見ると「スペースをあけてもらうように直接言う」の回答が、半数近い45%という結果になっています。国民性のためか、日本人にとっては知らない相手に直接「迷惑である」ことを伝えるのはなかなか難しいのかもしれませんね。
■2:後ろの人が座席を蹴ってきたらどうしますか?
また、座席トラブルは隣の人だけではありません。「後ろの人が座席を蹴ってきたらどうしますか?」という問いに対する、結果がこちらです。
日本人の約半数である49%が「CAからやめてもらうよう伝えてもらう」と回答。世界平均の24%と比べると高い数値になっています。
次いで「直接本人にやめるように言う」が19%。この数値は世界で下から3番目という結果だそうです。世界平均は40%が直接言うようなので、とても低い数値ですね。
第3位は「何もせず、わざとではないと思い込む」が18%。故意にぶつかったわけではないかもしれませんから、トラブルを避け、穏便に対応したい、と思う日本人が多いようです。
ちなみに世界平均の第3位は「席を蹴り続ける理由をこっそり探る」が18%。日本人の感覚だと、確かになかなか起こさない行動のような気がします。みなさんは後ろの席の人が蹴ってきた理由、探りますか?
■3:空港や機内で迷惑だと思う人の第1位は「酔っぱらいの乗客」
迷惑行為といってもいろいろありますよね。最後に「空港や機内において、どんな振る舞いをする人を迷惑や不快に感じるか」への回答をご紹介します。
日本人の回答の第1位は「酔っ払いの乗客」(39%)という結果に。楽しくお酒を嗜む程度であれば、他人に迷惑がかかることもありませんが、大量に飲みすぎて酔っ払ってしまったり、大声で騒いだりするのはもちろんマナー違反ですよね。
以降、「前の席を蹴ったり、つかんだりする人」(35%)、「体調が悪く、ウイルスをまき散らす人」(33%)、「香水や体臭が臭い人」(31%)、「子供を放置する親」(23%)と続きます。確かにどれも迷惑や不快に思いがちな行動ですよね。ちなみに、この1位から5位までのランキングは世界平均でも全く同一の回答だったそうです。
また、世界平均と異なるのがアメリカ、フランスの調査結果。
アメリカの第1位は「体調が悪く、ウイルスをまき散らす人」が最も高い40%。アメリカは日常的にマスクをする習慣がないということで、咳やくしゃみをする人を不快だと感じる割合が高くなっているそうです。
またフランスでは「香水や体臭が臭い人」(40%)や「話し声の大きい乗客」(37%)が上位にランクインする結果となりました。酔っ払いや席を蹴るような人とは違い、なかなかボーダーラインを引くのが難しいマナーについては、指摘もしづらく、困っている人が多いのかもしれません。
飛行機に限らず、電車やバスなど公共の乗り物に乗るときにも気をつけたい、乗り物のマナー。しかし、席の移動もできず、乗っている時間の長い飛行機だからこそ、よりお互い気持ちよく過ごしたいと誰もが思っているはずです。
これからも快適なフライトを過ごせるよう、自分自身の行動を振り返ってみたり、時には勇気を出して、迷惑に感じた人に注意をしたりしてみてはいかがでしょうか。
■アンケート概要
・サンプル数:計18,237名
・調査期間:2019年4月12日~4月29日
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査対象:アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、香港、台湾、韓国、日本
※小数点第1位で四捨五入しているため、合計数値が100%とならない場合あり。
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- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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