色々な幹細胞があると言っても、私たちは人であるので、当然、人には「ヒト由来」のものが適していると言えるのだそう。これまで、植物性幹細胞や、脂肪や臍帯血からの幹細胞というのは聞いたことがある人も多いでしょう。
今回は、アメリカのAVITA BIOMEDICAL社の研究開発により、人の皮膚由来の幹細胞を用いたエイジングケアコスメを完成させた、医学博士ハンス・キルステッド先生に、ヒト由来の皮膚幹細胞が肌にどのような好影響を及ぼすのか、お聞きしました!
なぜ、肌のエイジング対策にヒト由来「皮膚」幹細胞がおすすめなのか?
幹細胞が、様々な再生に好影響を及ぼすことは、すでに明らかになっていること。そして、現状、ヒト由来以外、またはヒト由来でも様々な幹細胞を用いた製品がすでに存在しています。
そんな中、今回世界初としてヒト由来の「皮膚幹細胞」によるエイジングケアコスメが完成したのには、皮膚には皮膚のためになる幹細胞が必要、という観点から実験開発が進められたからだそうです。
―では、なぜ皮膚幹細胞を用いた製品が肌に良いと言えるのでしょうか?
「ヒト由来成体幹細胞は、基本的には特定の細胞にしか変化できない幹細胞です。ヒト幹細胞由来製品には、ヒト由来脂肪幹細胞・ヒト由来神経幹細胞・ヒト由来筋幹細胞・ヒト由来臍帯血幹細胞などから分泌される上清液(培養液の上澄み液)を使用した製品は、すでに世の中にはいくつか存在します。
しかし、今回、私が開発に成功したものは、『ヒト由来皮膚幹細胞から分泌される溶液そのもの』を製品に配合することができました。その溶液は、皮膚に存在する全ての成長因子を含み、かつ自然の相対量の状態のままであり、自身の皮膚幹細胞を活性化し生成の促進を行う作用があります。
皮膚ではない、別の幹細胞の因子製品には、今までも皮膚の健康に関わる高濃度の成長因子をわずかに含むものはありましたが、私たちは今回、皮膚前駆細胞から自然に分泌される全ての因子を、適切な相対量で含む製品の開発に成功したのです。不完全な抽出法で望ましくない副産物を含んでしまうことがありますが、私たちの開発した製品には、ストレス負荷のないヒト皮膚幹細胞からの自然な分泌物のみを含ませることが可能に。
また、ヒト幹細胞由来製品には、香りを用い隠した方が良い独特な臭気を発生するタンパク質分解物を含んでいるものも。しかし、この新開発の製品はタンパク質分解物を含まず、臭いは気にならないものを作ることができました」(ハンス博士)
「世界初」を叩き出した、最新特許テクノロジーが生まれるまで
―そもそも、様々な幹細胞を抽出し製品化することには、多くの壁が生じていると言われます。今回、AVITA MEDICAL社はどのような開発に成功し、新たなスキンケアテクノロジーを生み出したのでしょうか?
「まず、私たちは、メラノーマ(皮膚がん)治療のために研究開発された、特殊かつ独自の動物由来成分を含まない幹細胞培養液の開発に成功しました。ES細胞にその培養液を与えることで、ヒト幹細胞が皮膚前駆細胞に分化し、皮膚幹細胞になります。
ここで、通常の技術では、目的の細胞に分化させることはとても難しいのですが、私は、この目的である皮膚前駆細胞の分化に成功したのです。そして、皮膚幹細胞から皮膚に存在する全ての成長因子が自然の相対量で分泌され、それをそのままの状態で取り出すことに成功。これは、AVITA MEDICAL社の特許技術となりました。
ここでのポイントは、再生医療の研究を通じ、AIVITA BIOMEDICAL社の特許技術である特殊な幹細胞培養液を用いて新たな皮膚幹細胞を作り出すことに成功したことです!
よって、『皮膚の老化=皮膚幹細胞減少』ですが、この技術を用いて開発されたROOT OF SKIN®を使用することで、自身の持っている皮膚幹細胞を活性化し、今まで得られなかった健康で若々しい肌に導くことが期待できるようになったのです」(ハンス博士)
加齢とともに変化する肌へもたらす効果に期待!
―なぜ、ヒト由来皮膚幹細胞が「エイジング」に効果を見出す可能性があるのでしょうか?
「従来あるヒト幹細胞由来製品には、加齢に伴い失われる全ての因子に対応していないものも多くあります。しかし、今回我々が開発した製品ROOT OF SKIN®には、加齢に伴い失われるものを補充するのに理想的で、発育中の皮膚の複雑な微小環境を模倣することが明確になっています。
また、ヒト幹細胞由来製品の他商品は、それら細胞に特異的な成分を含む成人の細胞に由来するものですが、ROOT OF SKIN®は、一部が分化した細胞である皮膚前駆細胞は、外胚葉および中胚葉の両細胞系統に関連する因子を産生。つまり、ヒト皮膚の健康に関連する因子をより完全な混合比で含むことに成功しました。
幹細胞因子が高齢者皮膚に及ぼす作用を見る臨床試験結果でも、しわ、ハリ、輝き、手触り、柔らかさといった点で、改善率が上昇したことを証明。
ヒト由来皮膚幹細胞が細胞内でどうアプローチし、衰えた細胞のターンオーバーを促すかと言うと、まず成長因子が肌に変化を誘発するためには、肌の奥まで入り込む必要はありません。成長因子が肌の表面に結びつくと、シグナルが細胞から細胞へと送られ肌の奥の層へ届くと考えられます。組織学的研究で、真皮コラーゲン量が25%増えたことも証明されました」(ハンス博士)
肌再生の秘密!?最大のポイントは多機能性タンパク質「フェチュイン」
人の皮膚細胞のためには、「ヒト由来の皮膚幹細胞」が肌の再生へ良い導きをもたらすと言うなかで、具体的にどのような成分作用が肌へ働きかけているのでしょうか。
AVITA MEDICAL社より独自開発されたROOT OF SKIN®は、一般的な化粧品にも含まれる様々な成分ももちろん入っていますが、一番注目すべきは「フェチュイン」と呼ばれる、多機能性タンパク質です。
これは、健康なヒト皮膚の発育、また維持に関連する幼若細胞によって産生されます。「フェチュイン」は、ケラチノサイトの数と大きさを調節する「骨形成タンパク質」やコラーゲン合成の誘導をする「線維芽細胞増殖因子」や、「I型コラーゲン」など多数の成長因子と結合し、有用成分を引きつけ浸透を高める働きをします。
「フェチュイン」のほかには、内因性/外因性の加齢誘発因子から細胞を守るためのビタミンおよび抗酸化剤や、健康な細胞構造・代謝回転および機能に不可欠とされるアミノ酸、細胞の恒常性維持に必要な微量元素(鉄、銅、亜鉛)、細胞代謝のためのエネルギー成分などが、肌細胞が正常に機能するようサポートしそれぞれが働きかけるように含有されています。
どんな人肌にも対応可能!安全性は?
―人には人の、と言っても世界中に様々な人がいるなかで、人間の皮膚細胞から抽出された皮膚幹細胞はどんな肌にも対応できるのでしょうか?
「まず基盤の考えとして、先に述べた通り、様々な幹細胞製品があるなかで安全性や合いやすさを見たときに人の肌(皮膚)には人の皮膚幹細胞を、と言う点を一番大切にして開発しました。
例えば、肌の色が違う人種の人たちが同じように使用しても良いのかといった質問がありますが、細胞が人間の皮膚を構成していく上で、肌色や質の違いは関係ありません。つまり、人種問わず皮膚は同じように構成されるので、人の皮膚幹細胞は『人の肌(皮膚)』に合うように作られるのです。複数の人種の肌での臨床試験も実施しましたが、副作用は出ておらず、皮膚への安全性を伝えています」(ハンス博士)
加えて、ROOT OF SKIN®は下記のものを入れていないので、より高い安全性と、できる限り多くの方の肌へ使いやすいよう開発されています。
【含まない成分】
・パラベン
・刺激を誘発する芳香剤
・石油系成分
・アレルゲン性植物タンパク質
・動物成分
・DNAや死細胞成分
・皮膚細胞の異常な成長を引き起こす高濃度成長因子
・正常な皮膚の生理に変化を引き起こす単一ではない成長因子
・健康問題を引き起こす可能性のあるヒト病原体
世界唯一の新エイジングケアアプローチ!顔皮膚老化に挑む、皮膚幹細胞由来「フェイシャルセラム」
特許取得済みの皮膚幹細胞由来成分は、顔皮膚老化の兆候と言えるしわ・小じわ、ハリ、乾燥、シミなどへアプローチ。幼若な細胞から大量に分泌されるフェチュイン(α−2〜HS糖タンパク質)など、若々しい皮膚が発育・維持される最中に存在する完全な細胞因子一式を含み、目に見える老化兆候に取り組むために開発された新しいエイジングケア美容液。
皮膚幹細胞由来の天然因子以外には、アミノ酸、ビタミン、ヒアルロン酸Na、抗酸化物質などを含有し、保湿力も高くオールシーズン対応。全てのタイプの皮膚に非刺激性、非感作性。
たった数滴でも伸びが良く、すっと入っていく感覚。すぐ肌になじみ、その後の化粧品は待たずに塗布できるので導入に使いやすい美容液。ブースターとして、洗顔後すぐの肌に、1~2プッシュ優しくマッサージをしながら顔から首へなじませ、朝晩使用するのがおすすめです。
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加齢とともに衰える肌への対策は、試行錯誤の連続…という人も多いでしょう。季節の変わり目でちょうど気になるタイミングに、エイジングサインを感じた方はヒト由来皮膚幹細胞の力を借りて、新しいエイジングケアを試してみてはいかがでしょうか。
※商品の価格はすべて税抜です。
問い合わせ先
- MB Lab TEL:03-3409-5557
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- Sachi Tamura