世界のビスポークを知り尽くした男、サイモン・クロンプトン氏による独創的なファブリックを使用したイタリアンスーツとは?
英国が体現するサルトリア・イタリアーナ
紳士なら誰もが憧れる最古のジェントルメンズ・クラブ
ビスポークの原点を追求!英国と異なる美意識との交流
創業1663年、イタリア最古のミル「ヴィターレ・バルベリス・カノニコ」(以下VBC)。同社によるイタリアのウール産業とサルト文化を継承するプロジェクトとして、書籍『サルトリア・イタリアーナ』(長谷川喜美著)が、3か国語(日・伊・英)で発刊された。同時に進められたのが、サイモン・クロンプトン氏による3スーツ、3ファブリックのプロジェクトだ。
書籍掲載の新旧3テーラーに、クロンプトン氏が選んだVBCのファブリックを使用し、スーツ製作を依頼。仮縫い2回、製作期間約1年を経て完成した3着のスーツを、英国の美学を象徴する、ロンドンの「トラベラーズ・クラブ」で撮影。
英国人のクロンプトン氏はイタリアのスーツとファブリックの魅力をどう捉えるのか? まず、英国とイタリアではテーラーのスタイルに違いがあるという。
「イタリアではひとりのサルト(カッター)が経営する小規模な店が多く、ハウススタイルは彼のスタイルそのものとなる。対して英国はテーラーの規模が大きく、カッターが何人も在籍している。個々のスタイルよりそのテーラーの伝統的なスタイルを継承している店が多い。そこに優劣はないが、言語の違いによる意思の疎通の問題を除けば、ひとりの人間と信頼関係を築くのはイタリアのほうが容易だろう」
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- クレジット :
- 撮影/Jamie Ferguson 構成・文/長谷川喜美