立ちはだかる壁を破って自分らしい働き方を実践する日本人女性の「働き方」改革
ラグジュアリーマガジン「Precious」では、2004年の創刊以来、世界で活躍するキャリア女性たちの「今」を毎号追いかけ、彼女たちがどのように仕事や人生を輝かせているのか?を見続けてきました。
仕事への情熱や楽しむ気持ちなど、15年間変わらないものがある一方で、働く場所や時間などの制限がはずれ、「働き方」は今、大きく変わってきています。時間、場所、職種などにこだわらない、柔軟で自由な発想の働き方を実践している女性たちの姿から、未来の「幸せな働き方」を探ってゆきましょう。
本記事では、ウェブ制作会社の取締役、橋本晴子さんをご紹介します。
夫の転勤で引っ越しても、変わらない働き方をできるのは、創業当時からの「オフィスを構えない」スタイルにありました
全国のリモートワーク社員とウェブ制作。ふたり1組で担当をもつことで、助け合える工夫も
インターネットを利用して、場所に縛られず、働き続けてきたのがウェブ制作の会社を経営する橋本晴子さん。
2001年、兵庫県での起業当初から、オフィスは構えず、一緒に働くメンバーはそれぞれの自宅を仕事場としてきました。しばらくして橋本さんは夫の転勤で神奈川県に引っ越し、現在は福岡県に暮らすが、どこへ行っても、変わらないスタイルで働き続けています。
「メンバーは全員が正社員で、全国各地に暮らしています。働く時間はそれぞれが決め、チャットで"今から作業を開始します""子供が熱を出したので学校に迎えに行きます"など報告し合います。
常に存在を感じながら仕事ができて、安心。開発の仕事は孤独になると課題の深みにはまりがちですが、ふたり1組で担当をもつことで、助け合える工夫もしています」
社員全員が顔を合わせるのは、年1回の社員旅行。待ち合わせは北海道や沖縄の空港。工夫しながら経営を続けて、すでに18年になるそう。創業時からのクライアントも多く、営業活動は特にしていません。
「創業当時はまわりにほとんど実例がなかったけれど、今は若い人に話すと共感してくれる人も多い。子育てやボランティア、趣味などやりたいことをしながら働き、その充実が仕事のクオリティにも生かせていると思います」
関連記事
- 「釧路に税金を払いたい」と地元に会社を作った女性システムエンジニアの「東京&釧路の二拠点ワーク」とは?
- 世界の女性の働き方、この15年でどう変わった?2004~2020年を振り返ります
- 「日本人の働き方を見ていて、褒める言葉しか思い浮かびません」。40歳で優良企業のトップになった美人CEOに聞く「仕事術と華やかなプライベートライフ」
- シャンパーニュといえば…のヴーヴ・クリコが選んだ「優れた日本のビジネスウーマン」とは?
- 「企業は黒字を出せる」。前年比140%の売り上げを達成する女性経営者・大西利佳子さんの強い経営信念とは?
- PHOTO :
- 豊島正直、石川浩太郎、森本真哉
- EDIT :
- 樋口 澪(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 三村路子
- 取材 :
- 佐々木恵美