立ちはだかる壁を破って自分らしい働き方を実践する日本人女性の「働き方」改革

ラグジュアリーマガジン「Precious」では、2004年の創刊以来、世界で活躍するキャリア女性たちの「今」を毎号追いかけ、彼女たちがどのように仕事や人生を輝かせているのか?を見続けてきました。

仕事への情熱や楽しむ気持ちなど、15年間変わらないものがある一方で、働く場所や時間などの制限がはずれ、「働き方」は今、大きく変わってきています。時間、場所、職種などにこだわらない、柔軟で自由な発想の働き方を実践している女性たちの姿から、未来の「幸せな働き方」を探ります。

多様性が重視される現代、新しいアイディアは企業の成長に不可欠。これまでにないアイディアで、新しい価値を生み出す人がいる人は、どんな工夫をしているのでしょうか。

本記事では、園芸会社で部長職を務めながら、植物のアクセサリーのデザイナーも務める、2つの顔をもつ香取邦枝さんの働き方をご紹介します。

手芸や、自然豊かな土地をサイクリングしたりと、多趣味。そんな視点が生かされました

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香取邦枝さん
「第一園芸」Botanical Accessories Designer、商品販売事業本部店舗事業部部長
(かとり くにえ)52歳。環境保全の業界で広報を担当後、2003年、「第一園芸」に入社。PRイベントの運営、販売促進部門、商品企画などを経験。2018年、本物の植物でつくったアクセサリーが“Kunie Katori”のブランド名で発売。「自然をさらりと身につける」がコンセプト。同社がもつプリザーブドフラワーの高い技術を応用し、軽く壊れにくく工夫されている。その後、広報部長を経て、現在は店舗事業部部長に。国立西洋美術館開館60周年記念松方コレクション展の開催を記念して、睡蓮の花をイメージしたアクセサリーもデザインした。

「第一園芸」の社員・香取邦枝さんが本物の植物でつくるアクセサリーは、その本名をブランド名にして商品化がされています。社員の名前がブランド名になった理由は?

「創業120周年にあたり、社内に企業価値を浸透させるインナーブランディングが進行していました。社内の募集には、約500もの新しいアイディアの応募が。私自身、プロジェクトのファシリテーターでしたが、私の案はすぐに実現可能として分類され、最終プレゼンから3か月後には発売することになったのです」

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香取邦枝さん

もともと手芸をしたり、自然豊かな土地をサイクリングしたりと、多趣味な香取さんらしい視点が生かされたそう。デザイナーとなった香取さんは、現在、店舗事業部部長の顔も併せもち、10店舗を統括しています。

PHOTO :
豊島正直、石川浩太郎、森本真哉
EDIT :
樋口 澪(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材・文 :
三村路子
取材 :
佐々木恵美