日本全国で「畑」と直結したレストランが話題です。力のある料理人が、その土地で採れた、その土地の新鮮な食材を心から愛し、彼らが手がける究極のひと皿。その土地の魅力が詰まった料理を提供する、訪れる価値のあるレストランをご案内します。
北海道食材のみを使用したフレンチとイタリアンの「いいとこどり」で野菜のエネルギーを味わい尽くす「ル・ゴロワ フラノ」(北海道・富良野)
東京の名店が富良野に移転、この地でしか出せない味に
東京・外苑前で「北海道フレンチ」として人気だった「ル・ゴロワ」の大塚夫妻が富良野に移住。2018年5月、脚本家・倉本 聰氏がプロデュースするレストランとしてオープン。
東京時代から、月に一度は北海道の生産者を訪ね、納得した素材を使い続けて約20年。移住後、さらに取引相手は増え、現在は50近くに。
「毎朝、畑に寄ってから店に向かいます。野菜との出合いは一期一会。今日は、バジルの花が咲いたと聞いて、葉だけでなく花もサラダに使いました。その日の大地の恵みを最大限生かすため、何を使ってどう調理しようか。いろいろ迷えることがなによりの贅沢です」(大塚シェフ)
野菜だけで15種以上! 「旬菜ル・ゴロワサラダ」がさらにバージョンアップ
これぞ、「ル・ゴロワ」の名物料理。「北海道に来てから、野菜の数がどんどん増えてしまって…(笑)」とシェフ。
中央の葉物野菜(レタス系、グリーンカール、チコリ、トレヴィスなど)を囲むようにオクラ、にんじん、トマト、ビーツ、ブロッコリーやほおずきなど約15種。やまめのフリット、スモークサーモン、ホタテのソテー、いわし、モッツァレラ、蝦夷鹿のテリーヌ、生ハム。北海道の恵みがぎっしり詰まったひと皿。
米のほか年間20種の野菜をつくっている「佐野農園」とは、オープン以来、家族ぐるみのつきあい。
「佐野さんと話すなかで、作物の知識が深まって、料理にも新たな発見があるんです」(大塚シェフ)
名物「ステーキ丼」がたっぷり野菜とともに復活!
「どちらが主役ですか?」と聞かれるほど、付け合わせの野菜が際立つメイン料理。
「天心農場」の玉ねぎや、「佐野農園」のかぼちゃやなす、ズッキーニ、じゃがいも、赤ピーマンなどがギッシリ。北海道・標茶(しべちゃ)産「星空の黒牛」のロースに、エシャロット入りの山わさびのソース。ガーリックライスは「佐野農園」のモッチモチのお米「ほしのゆめ」を使用。
「天心農場」のにんじんでしかつくれない、甘くて濃厚な「人参のムースとトマトのクーリー」
オープン当初から一貫して「天心農場」のにんじんだけでつくり続けてきたスペシャリテ。トマトのさわやかな酸味とにんじん本来の甘さがたまらない。にんじんは、北海道産バターで何時間も炒め、ほんの少しだけ生クリームを。よけいな味付けはいっさいナシ。とろりと濃厚、デザートのような逸品。
問い合わせ先
- ル・ゴロワ フラノ
- 営業時間/12:00~13:30(L.O.)、17:30~19:30(L.O.) 月曜・火曜休み
- メニュー/ル・ゴロワサラダランチ¥3,270ほか、ディナー/ル・ゴロワ定番コース¥8,300~(税・サービス料込)※要予約。美瑛や富良野の名所や農場を見学、夕食と朝食も楽しめるツアーも開催。
- TEL:0167-22-1123
- 住所/北海道富良野市中御料 新富良野プリンスホテル
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- PHOTO :
- 中嶋大助
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)