日本全国で「畑」と直結したレストランが話題です。力のある料理人が、その土地で採れた、その土地の新鮮な食材を心から愛し、彼らが手がける究極のひと皿。その土地の魅力が詰まった料理を提供する、訪れる価値のあるレストランをご案内します。

北海道食材のみを使用したフレンチとイタリアンの「いいとこどり」で野菜のエネルギーを味わい尽くす「ル・ゴロワ フラノ」(北海道・富良野)

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レストラン内観
大塚健一シェフ
(おおつか けんいち)「軽井沢プリンスホテル」のフレンチレストランで12年間勤務後、複数の店で修業、1997年マダムの敬子さんとともに「ル・ゴロワ」を開店。北海道富良野の自宅では、馬5頭、犬2匹、猫4匹と暮らす。

東京の名店が富良野に移転、この地でしか出せない味に

東京・外苑前で「北海道フレンチ」として人気だった「ル・ゴロワ」の大塚夫妻が富良野に移住。2018年5月、脚本家・倉本 聰氏がプロデュースするレストランとしてオープン。

東京時代から、月に一度は北海道の生産者を訪ね、納得した素材を使い続けて約20年。移住後、さらに取引相手は増え、現在は50近くに。

「毎朝、畑に寄ってから店に向かいます。野菜との出合いは一期一会。今日は、バジルの花が咲いたと聞いて、葉だけでなく花もサラダに使いました。その日の大地の恵みを最大限生かすため、何を使ってどう調理しようか。いろいろ迷えることがなによりの贅沢です」(大塚シェフ)

野菜だけで15種以上! 「旬菜ル・ゴロワサラダ」がさらにバージョンアップ

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「旬菜ル・ゴロワサラダ」。きゅうりの花もアクセント!

これぞ、「ル・ゴロワ」の名物料理。「北海道に来てから、野菜の数がどんどん増えてしまって…(笑)」とシェフ。

中央の葉物野菜(レタス系、グリーンカール、チコリ、トレヴィスなど)を囲むようにオクラ、にんじん、トマト、ビーツ、ブロッコリーやほおずきなど約15種。やまめのフリット、スモークサーモン、ホタテのソテー、いわし、モッツァレラ、蝦夷鹿のテリーヌ、生ハム。北海道の恵みがぎっしり詰まったひと皿。

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大塚健一シェフと「佐野農園」のみなさん

米のほか年間20種の野菜をつくっている「佐野農園」とは、オープン以来、家族ぐるみのつきあい。

「佐野さんと話すなかで、作物の知識が深まって、料理にも新たな発見があるんです」(大塚シェフ)

名物「ステーキ丼」がたっぷり野菜とともに復活!

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「ステーキ丼」。ステーキ丼はアラカルトとして選べます。

「どちらが主役ですか?」と聞かれるほど、付け合わせの野菜が際立つメイン料理。

「天心農場」の玉ねぎや、「佐野農園」のかぼちゃやなす、ズッキーニ、じゃがいも、赤ピーマンなどがギッシリ。北海道・標茶(しべちゃ)産「星空の黒牛」のロースに、エシャロット入りの山わさびのソース。ガーリックライスは「佐野農園」のモッチモチのお米「ほしのゆめ」を使用。

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甘~い玉ねぎはサクッとフリットに。
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1haに及ぶかぼちゃ畑で採れたてのかぼちゃを抱える、生産者・佐野昌治さんと大塚健一シェフ。
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ほくほくかぼちゃは素揚げがいちばん。

「天心農場」のにんじんでしかつくれない、甘くて濃厚な「人参のムースとトマトのクーリー」

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「人参のムースとトマトのクーリー」

オープン当初から一貫して「天心農場」のにんじんだけでつくり続けてきたスペシャリテ。トマトのさわやかな酸味とにんじん本来の甘さがたまらない。にんじんは、北海道産バターで何時間も炒め、ほんの少しだけ生クリームを。よけいな味付けはいっさいナシ。とろりと濃厚、デザートのような逸品。

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ひと目見ただけでも野菜の「生命力」を感じる、掘ったばかりのにんじんは、北海道・中富良野の「天心農場」のもの。

問い合わせ先

  • ル・ゴロワ フラノ
  • 営業時間/12:00~13:30(L.O.)、17:30~19:30(L.O.) 月曜・火曜休み
  • メニュー/ル・ゴロワサラダランチ¥3,270ほか、ディナー/ル・ゴロワ定番コース¥8,300~(税・サービス料込)※要予約。美瑛や富良野の名所や農場を見学、夕食と朝食も楽しめるツアーも開催。
  • TEL:0167-22-1123
  • 住所/北海道富良野市中御料 新富良野プリンスホテル

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PHOTO :
中嶋大助
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)