今、「畑」と直結したレストランが話題になっています。その土地で採れた、その土地ならではの新鮮な野菜には、顔が見える生産者がいます。

そして、そんな地元の食材を心から愛する料理人と、彼らが手がける究極のひと皿。土地の魅力が詰まった料理に出合うべく、訪れる価値のあるレストランをご案内します。

「足しすぎず、引きすぎず」下関の食材の個性を引き出すモダン・フレンチ。自由奔放なガストロノミーを楽しめる「レストラン髙津」(山口県・下関)

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レストラン内観
髙津健一シェフ
(たかつ けんいち)福岡や下関の老舗イタリアンやフレンチでの修業を経て、カナダ、ニューヨークのレストランで多国籍料理のシェフを務める。帰国後、福岡の名店でスーシェフを務め、2017年、地元下関に「レストラン髙津」をオープン。外国人シェフを積極的に招き、ともに働くことで新たな味覚を追求している。「口にしたとき、"何が主役か"明確にわかるひと皿を提供したい!」とのこと。

つくり込まない潔さで、素材の味を最大限引き出す

海を望む高台に佇む、古い洋館が舞台。当時の面影を残す店内は、カウンター席のみ。髙津シェフが腕をふるう姿を楽しめます。

「下関といえば新鮮な魚介と思われがちですが、実は野菜もレベルが高く、珍しい品種も手に入ります。地元に戻り、多くの生産者と知り合うなかで教わりました。交流を重ね、今では、ナスタチウムやメロンキュウリ、フェンネルなど、使ってみたい食材のリクエストにこたえてくれ、つくってくれるようになりました」

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「白菜/ゴルゴンゾーラ」香ばしい白菜とチーズの塩気が後をひく。
  • ギリギリまで“焦がす”ことで甘みを引き出す ギリギリまで“焦がす”ことで甘みを引き出す「白菜/ゴルゴンゾーラ」。コースでは必ず、下関産のオーガニック野菜を丸ごと楽しめるひと皿が登場する。夏はレタス、白菜の甘みが増す11月以降は白菜のローストなど。極限まで〝焦がした〟白菜は、ブルーチーズの塩気とローストしたナッツで、その甘さがいっそう際立つ。 「白菜/ゴルゴンゾーラ」。コースでは必ず、下関産のオーガニック野菜を丸ごと楽しめるひと皿が登場する。夏はレタス、白菜の甘みが増す11月以降は白菜のローストなど。極限まで〝焦がした〟白菜は、ブルーチーズの塩気とローストしたナッツで、その甘さがいっそう際立つ。

  • この日は、3年ほど付き合いのある儀ぎ 万まん弘ひろ美み さんの白菜を使用。 この日は、3年ほど付き合いのある儀ぎ 万まん弘ひろ美み さんの白菜を使用。

食材の在庫はもたないというシェフ。その日使うものだけを直接届けてもらうか、自ら畑まで受け取りに。「足を運び、触れることで、その日の食材の状態がわかります。たとえば白菜なら、甘みを最大限引き出すにはどうしたらいいか考え、個体差によってローストする時間や手法も変えます。あくまで素材ありきです」

デザートは、根セロリの風味が際立つ「焦がしピューレ」

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根セロリの風味が際立つ「焦がしピューレ」

メニューには「ショコラ/マルドンの塩」と食材が記されているのみ。「先入観なく素材を味わってほしい」とシェフ。チョコレートのテリーヌの上に、焦がした根セロリと焦がしたバターのピューレ。ほろ苦さと香ばしさが口の中に広がります。 

問い合わせ先

  • レストラン高津
  • 営業時間/19:00~(ラストオーダー特になし) 
    定休日/水曜休(不定休あり) 
    メニュー/ディナーコース¥10,000(税抜・サービス料なし)※要予約
  • TEL:0832-34-2299
  • 住所/山口県下関市岬之町13-7

 

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PHOTO :
前田耕司
EDIT :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)
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