料亭でお座敷遊び!これこそ大人の男の憧れでもあり、粋な男の嗜みでもある。行ってみたい。だが敷居が高い。そんな諸兄に打って付けのイベントが秘密裏に開催されている。それが渋谷セルリアンタワー2階にある『金田中 草』で行われる赤坂芸者衆と大人の夜会「An evening of Geisha」だ。
渋谷で手軽にお座敷遊びが体験できるって本当!?
『新ばし 金田中』といえば、料亭の中でも老舗であり、名門中の名門。だが、『金田中 草』は、質は高いままで、気軽に料亭の味を楽しんでもらうためのダイニング。
そこで繰り広げられる「An evening of Geisha」のプロデューサーは立川直樹さん。音楽を楽しみ知り尽くしている立川さんが書いたレコードアルバムのライナーノーツにシビれて音楽にはまった輩は数知れず。映画の音楽監督やプロデューサーとして大活躍している。「An evening of Geisha」への期待が高まる。
渋谷の喧騒から離れたセルリアンタワー2階
渋谷の喧騒からセルリアンタワーの二階に上がり、受付を済ませ『金田中 草』に足を踏み入れる。まずはウエルカムドリンクを手渡される。グレンモーレンジィのハイボールだ。キリッとして爽やか。高揚していた気分が一気に爽快な気分へと変わる。
『金田中 草』の内部は白を基調とした開放感溢れる天井の高いお洒落な空間で、そこに居るだけでホッとする落ち着いた気分を味わえる。そして空間に流れている音楽は洋楽、しかも良く聴くとこの歌声デヴィッド・ボウイではないか?これが不思議とこの空間にピッタリ。これはやられた!
芸者衆の所作の美しさと型や着物を含めた日本の伝統の素晴らしさを間近で堪能
場内が暗くなり、中央に設けられた舞台に赤坂芸者の真希さん、こいくさん、真由さん、地方のお姐さんが登場。今回のテーマである「七夕の宵」にちなんだ華麗な踊りを披露してくれた。
目の前で観る踊りは、芸者衆の所作の美しさと型や着物を含めた日本の伝統の素晴らしさを堪能できる。日本人と生まれたからにはこれを体験しないのは勿体ない。かつてお座敷遊びに夢中になった遊びの先達の気持ちが少しわかったような気がする。
プロデューサーの立川直樹さんと金田中とのコラボイベント
そして踊りがひとまず終わると、プロデューサーの立川直樹さんと金田中ご主人の岡副真吾さんが登場。赤坂芸者衆と大人の夜会「An evening of Geisha」は金田中と立川さんのコラボレーション。お二人の瀟洒で粋な会話に引き込まれる。今回のテーマは「七夕」。
赤坂芸者衆の七夕に因んだ踊りと立川さんが選んだ「星」に関わるデヴィッド・ボウイの『火星の生活』などを組み合わせ、壁には岡副さんが作った星の映像が流れるという趣向。
さらに金田中本店のBARの改装にあたって立派な竹を伐採する必要が出て、その切った竹が会場に置かれていた。その竹に短冊に願い事を念じて掛けると、翌日にその短冊を渋谷の氏神さま、金王八幡に納めてくれるそうだ。
踊りのあとは本物の料亭の料理をカジュアルに
しばし芸者衆も席を回って懇談と食事。流れる音楽はもちろんデヴィッド・ボウイ。飲み物と食事はチケット制。屋台風のしつらえに「鱧と松茸のしゃぶ」、「秘伝 鱧出汁うどん」、「まぐろとろや赤身や烏賊などの東丼」、「鯛薄引き胡麻醤油の明石丼」など、金田中の料亭の味が凝縮された料理を味わえる。
カジュアルな気分ながら、本物の料亭の料理を堪能。一口一口に驚きと口福を感じることができる。毎回季節に応じた究極の料理が出されるそうだから、これは毎回参加するしかない。
ラストはもう一度芸者衆の踊り
お酒と最高の料理でお腹も心も満たされると、再度赤坂の芸者衆が登場して、座席の中央で踊りを披露。提灯と扇の所作、そして歩く振る舞いは色気と華麗さ、そして粋さなどさまざまな日本の美意識が感じられる。日本人の美学はここにあり。
カジュアルと料亭、星のROCKと白塗りの赤坂芸者衆、屋台と料亭の本物の味などなど敢えて作ったミスマッチの中に大人の究極の遊び、伝統、文化などが浮かび上がってくる。さすがの演出! 是非、この大人の夜会「An evening of Geisha」で日本人の粋な遊びを味わっていただきたい。
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- MEN'S Precious編集部
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- 山縣基与志
- WRITING :
- 山縣基与志