アスレチックウェアのチャンピオンは、1919年、ニューヨーク州ロチェスターでニットメーカーとして創業。1928年、ミシガン大学がチャンピオンのアスレチックウェア採用を決めると、高品質が話題となり瞬く間に全米の大学へと広がっていった。Tシャツやスウェットシャツにナンバーや大学名をプリントするレタリング加工もチャンピオンの発案であり、1920年代当時アンダーウェアとして着られていたTシャツが、アウターとして着られるようになったきっかけもチャンピオンだった。
チャンピオンのマイルストーンを発掘!
チャンピオンの存在を一気に押し上げたのが、1934年に誕生し、現在も世界中で愛用される不朽の名作スウェット“リバースウィーブ”だ。開発者は、チャンピオンニットウェア社のセールスマンであるサム・フリードランド。ニューヨークの高級紳士服店ヒッキー・フリーマン出身の彼は、パターン作成に熟知し、営業活動の傍ら商品開発でも辣腕を振るった伝説の人物だ。「スウェットシャツは洗うと縮む」というクレームを解決するために、本来は縦に使われる編み生地を、横方向に使用して縮みを防ぐ、画期的なアイデアから、リバースウィーブは誕生した。モデル名は編み生地を逆に用いたことに由来。大学を中心にセールスを伸ばし、1938年にはパテントを取得した。
スウェット史に名を刻む“リバースウィーブ”の1stと2ndを完全復刻!リバースウィーブ 1st パターンモデル
「トゥルートゥーアーカイブス」にラインナップされた「リバースウィーブ 1st パターンモデル」は、1938年にパテントを取った“リバースウィーブ”最初期型の完全復刻モデルだ。最大の特徴である肩に縫い目のない一枚布で作られたシームレスショルダー。肩回りの可動性を改善し、動きやすくサポートするだけでなく、アメフトなどの防具の下に着用しても擦れによるほつれを防ぐ機能も備えていた。着脱のしやすさを向上させ、生地の裁断効率や縫製効率向上を目的に、首元のV字ガゼットや筒状のスウェットからパターンをおこす当時の製法。さらにオリジナルに使われたランナーズタグも忠実に再現されている。生地の手触りもよく、心地よく体へ馴染んでいく。
リバースウィーブの2ndパターンモデル
1934年の登場時から、18年間にわたってたゆみなく改良を重ね、1952年に2度目の製法パテントを取得した、リバースウィーブの2ndモデルの完全復刻版。1stモデルには無い、脇部分に縦のガゼット(マチ)配した「エクスパンション ガゼット」を初めて採用。横方向の縮みの軽減と、動きやすさをさらに進化させる改良も加えられている。タグには、この時期から変更されたリバースウィーブタグが付けられている。
チャンピオンのスピンオフともいえる幻のラバートが80年ぶりに復活!
もうひと型、「トゥルートゥーアーカイブス」 ラインで熱い注目を集めるのが、サム・フリードランドが、リバースウィーブの製法とほぼ同時期にパテントを取得した、チャンピオン史上初のスウェットシャツ「ラバート」だ。動きやすさを高め、縮みをより軽減するためにアームとショルダーパーツ、ボディパーツに分割。デザインや首元には肩の傾斜に合わせてフィット感を向上させるV字パーツを採用している。
ラバートはチャンピオンブランドではなく、このモデル名のみで、当時、バトラーブラザーズ、シアーズ・ローバックなどの通販カタログで短期間販売されていたことから謎も多く、ラバートの命名由来はいまもって不明だ。サム・フリードランドが、シカゴなどのミッドウェスト地区を担当していた縁で、同エリアを本拠地とする2社に対しのみ、取得したパテントをもって、営業活動を行っていたのではなかと推測されている。約80年ぶりに復活されることになった幻の1着。「トゥルートゥーアーカイブス」だからこそ実現できた復刻モデルといえる。
アーカイブにフォーカスした「チャンピオン ヘリテージ タイムス ハラジュク」
過去の「アーカイブス」にフォーカスした、ブランド史上初のコンセプトショップとなる「チャンピオン ヘリテージ タイムス ハラジュク」。
「トゥルートゥーアーカイブス」ラインに加え、チャンピオンのアーカイブス素材やデザインに現代のトレンドを融合させアップデートした、店舗限定発売の「オマージュトゥーアーカイブス」ラインも展開。新商品を中心に、リバースウィーブや、現在も”MADE IN USA”にこだわり続けるシリーズなどを展開している。
※価格はすべて税抜です。
チャンピオン ヘリテージ タイムス ハラジュク
- チャンピオン ヘリテージ タイムス ハラジュク TEL:03-6447-4468
- 住所/東京都渋谷区神宮前4-28-25 ニュースポット原宿
- 営業時間/11:00〜20:00
問い合わせ先
- TEXT :
- 安藤政弘 ライター