正解は… 床(ゆか)しい です。

え!この字を使うの⁉

「懐(ゆか)しい」とも表記します。

「奥床(おくゆか)しい」の「床しい」です。「床(ゆか)」に「しい」をつけてそのまま、ほめ言葉の「床(ゆか)しい」と読むなんて、意外と感じる方も多いのではないでしょうか?

筆者は初めて見た時「読み方は…とこしい?」と読み間違いをし、答えを知って更に疑問に思いました。「ゆかしい」という表現に、この字を使う、というのが、すぐに結びつかなかったのです。

なぜこの字を使うのか調べてみると、なんと「当て字」と書いてある辞書がほとんど。まだ「懐(ゆか)しい」のほうが腑に落ちますが、さまざまなデジタルツールで「ゆかしい」を漢字変換すると、「懐しい」より「床しい」のほうが、ポピュラーな表記であることがわかります。

字の成り立ちへの納得度はさておき、こちらも大変美しい誉め言葉で、かつ教養の香りのする日本語です。語彙力の引き出しに、スタンバイさせておきましょう。

今回は、

・嫋(たお)やか 嫋(しな)やか

・床(ゆか)しい

字の成り立ちは不本意だったり不思議ながら、響きや意味が美しい誉め言葉をおさらいいたしました。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱