どんなに忙しくても、体の根幹をつくり、活力の源となる食はおろそかにしたくないもの。でもやっぱり毎日のことですし、少しでもラクにこなしたいですよね。

ごはんづくりを効率よく進める方法を知るには、日頃からたくさんの調理をこなすプロに聞くのが近道。もっと料理の時間を短縮するために取り入れたい良習慣を、3人の料理研究家の方々に伺いました。


食材選び&献立決めの時間が短縮できる良習慣

 

食事づくりをラクにするには、食材選びや献立を決める段階での工夫も大切。料理研究家・ごはんソムリエとして活躍する秋元 薫さんに伺いました。

■1:栄養バランスの枠の中で食材を選ぶ

秋元さんは、買い物をする時点で季節のものや、葉物・乳製品・肉・魚・大豆製品など、ざっくりとした栄養バランスの枠のなかで食材を選んでいるそうです。

「葉物も春夏秋冬で選ぶものが違ってきますし、大豆であれば、『この前はお豆腐だったから、今日はがんもどきにしよう』とか、枠の中でぱっと見て決めます」(秋元さん)

■2:季節や天候に合わせて献立を決める

献立は、季節や天候に合わせて決めてしまうと楽になる、とのこと。

「暑いときにはさっぱりしたものやスタミナのあるものを加えたり、つるっとした食感や麺類にしたり、少し冷え込む時には温かいものにしたいな……といった感じで、その日の献立を決めていきます」(秋元さん)

また、とくにメニューを決めず、時間があいた時に食材を切っておくこともあるそうです。

■3:火通りのいい食材を選ぶ

時短につながる食材として、有名なのはカット済みの食材ですよね。ほかには、水菜やもやし、ニラなどパッと火が通るものを利用すると便利なのだとか。ちなみに、カットした鶏肉であれば、「そのまま袋の中で下味や衣をつけて揚げると楽にできます」とのこと。

逆に、火の通りにくい根菜類などは、あらかじめ薄く切っておくといいのだとか。これにより、調理することで煮えやすくなり、時短になるそうです。今後、何を買えばいいのか迷ったら、ぜひ火が通りやすいかどうかで選ぶようにしてみてください。


料理時間が短縮できる下準備の良習慣

 

いざ、「料理を始めよう」というときに、イチからつくり始めるとやはり時間がかかってしまいます。そこで重要なポイントになってくるのが、下準備。時短をテーマにした料理教室やワークショップを開催している料理研究家・田内しょうこさんからのアドバイスは――。

■4:料理屋さんの下準備をイメージする

田内さんは、「下準備のコツは、小料理屋さんや中華料理店などを想像すると、イメージしやすくなる」とおっしゃいます。

「注文が入ると、切ってある野菜を炒め、下味をつけた肉を揚げ、すでに煮えている煮物を温めて盛る……。その仕事を支えているのが下準備です。台所しごとも同じように考え、これらを自分で用意する、と意識してみます」(田内さん)

■5:献立を数日分決めて空き時間に先取りする

先取り作業は、前夜のごはんづくりのついでや片付けの後、朝ごはんのついでなど、自分の取り組みやすいリズムを見つけるといいそうです。そして、そのためにも献立をメイン料理だけでも数日分は考えておくと楽なのだとか。

「その献立に合わせて材料を切ったり下味をつけたりし、調理直前の状態にしましょう」(田内さん)

■6:下準備の定番を活用する

また、「献立が決まっていなくても、応用できる下準備の定番を持つと便利」と田内さんは言います。

【野菜】
切る:小松菜・水菜(アク抜き不要の青菜)、大根、玉ねぎなど
ゆでる:キャベツ、もやし、ブロッコリー、青菜、にんじん、じゃがいもなど
塩もみ:にんじん・大根(千切り)、きゅうり(薄切り)、キャベツ、かぶ、白菜など
薄味で煮る(だし+醤油):かぼちゃ・大根・じゃがいもなど硬い野菜

【肉・魚】
下味をつける:塩(豚・鶏)、酒+塩(炒め物)、塩こうじ(鶏:から揚げ、焼き物、炊き込みご飯)、酒+醤油+みりん・味噌+みりん(魚)
半調理しておく:ひき肉(塩炒め・そぼろ)、豚・鶏かたまり肉(塩ゆで)、豚かたまり肉(煮豚)

買ったらすぐにこれらの下準備をして、それから冷蔵庫に入れると料理の時間が短縮できるはずです。


調理時間そのものを短縮する良習慣

 

いつも当たり前のようにやっている調理法。でも、やりかたをちょっと工夫することで、驚くほどの時短になるかも!? 簡単かつ見栄えのいい料理を日々ブログで紹介している、ぱお(小島香)さんにお聞きしました。

■7:フライパンひとつで調理する

ぱおさんは、ひとつのフライパンでつくるワンパン調理は時短に活躍しているそうです。

「例えばパスタをつくるときも、鍋でゆでずにフライパンでゆで、水気を飛ばして、ソースに絡めて……といったやり方でつくってしまいます。グラタンなども、ホワイトソースを別でつくらず、ひとつのフライパンで仕上げます」(ぱおさん)

■8:揚げ物メニューを揚げずにつくる

また、「油で揚げるメニューを揚げない」もいいそうです。これは、時短になるうえ、ヘルシー。

「パン粉をオリーブオイルなどで炒めてカリカリにし、コロッケなどの種の上に、パン粉をのせます。するとそれだけで揚げ物みたいな感じになります」(ぱおさん)

■9:とろみをつけて煮込み時間カットする

さらに煮込み時間をカットするのに、とろみをつけるという方法も。

「コトコト煮込まないと味がしみないものも、片栗粉で少しとろみをつけ、全体に味を絡めるようにすると、煮込む時間が少なくて済みます」(ぱおさん)

■10:電子レンジ・炊飯器をフル活用する

電子レンジだけで肉や魚を簡単調理。炊飯器もフル活用し、炊飯器に醤油や砂糖などの調味料と肉を入れ、蓋をしてそのままほったらかしに。

「調理時間自体は5~10分ですみ、あらかじめ仕込んでおけば数時間後にはとろとろのお肉が完成します」(ぱおさん)

なんとなく「電子レンジや炊飯器は手抜き」と思いがちですが、放置するだけでつくれるおかずは、レパートリーにいれておくとよさそうです。

 

調理前の準備を習慣化し、時短料理のレパートリーを増やしていけば、少しずつ料理時間が短縮できそうですよね。みなさんも時短習慣、取り入れてみてはいかがでしょうか。

PROFILE
秋元 薫(あきもと かおる)さん
料理研究家、ごはんソムリエ、米・食味鑑定士。大手食品メーカー勤務後、ル・コルドンブルーをはじめとする数々の料理学校で世界各国の料理を学び、独立。企業や雑誌へのレシピ提供やお米コンテストの審査員など幅広く活動。男女の双子のママでもある。
公式サイト
新刊『帰ってから15分でできる! 夜ラクごはん』(ナツメ社)が発売中。
PROFILE
田内しょうこ(たうち しょうこ)さん
「働くママの時短おさんどん料理」「育休復帰のためのキッチンづくり」「忙しいワーキングマザーのための料理」「子育て料理」をテーマに、書籍/雑誌/ウェブサイトで発信。出張教室やセミナーのほか、食と子育て関連の情報発信のための編集・ライター業にも携わる。ブログにて、時短料理教室の最新情報を公開中。
ブログ
新刊『「今日も、ごはん作らなきゃ」のため息がふっとぶ本』(主婦の友インフォス)が発売中。
PROFILE
ぱお〔小島香〕(こじま かおり)
料理研究家。世界の料理やお菓子を研究し、雑誌やウェブの連載、企業へのレシピ提供などを中心に活動。簡単レシピを毎日配信し、月間200万PVを超える人気料理ブロガー。
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この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
2017.10.30 更新
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