カリフォルニアと聞いて、何を思い浮かべますか?
青い空とビーチ、自然公園が見せるドラマティックな風景、ハリウッドに代表されるエンターテイメント、上質な食材を生かしたグルメ、世界的に名を轟かすワインの名産地……。
太平洋に沿って南北にのびる広大なエリアには、どこへ行こうか目移りしてしまうほど魅力的な都市やスポットがたくさん。
今回はそのなかでも、いわゆる「王道の観光地」ではなく、現地の人が楽しむリゾート地や旅通が狙う穴場にフォーカス。日本からアクセスしやすい、サンフランシスコを拠点に巡ることができるスポットを中心にご紹介します。
海に山に、大自然の魅力を全身で味わう感動のデスティネーション
■1:サンフランシスコから約30分!現地の人も憧れる港町リゾート、サウサリート
サンフランシスコからフェリーやバスで約30〜40分と、抜群のアクセスを誇る小さな港町リゾートがサウサリート。サンフランシスコの北、かの有名なゴールデンゲートブリッジを北に向かって渡った先に位置する、サンフランシスコ湾に臨むエリアです。
もともとは漁村でしたが、霧の多いサンフランシスコと気候が違って、地中海さながらの美しい青空とビーチが楽しめることや、センスのよいレストランやショップが増えたことから、現在では人気の観光スポットに。
サンフランシスコ湾に面した丘陵地には芸術家や音楽家が多く住み、「芸術家の町」と称されることも。サンフランシスコ市内の慌ただしさと一線を画す、ゆったりと落ち着いた雰囲気が楽しめます。
海沿いでぼーっと景色を眺めたり、メインストリートを散策したりと、サウサリートの雰囲気を堪能したら、ぜひグルメを楽しみましょう! 港町だけあって、サウサリートのレストランは新鮮な魚介を使った料理で有名。特におすすめなのは、人気店「ザ スピンネーカー」や「スコマズ サウサリート」など、海に面したレストラン。目前に広がる海を眺めながら食事することができます。
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■2:幻想的なマジックアワーを楽しむ、港町ティブロンからのクルーズ
サウサリートの後に、少し足を伸ばして訪れたい港町がティブロン。サウサリートから車で20分程度、サンフランシスコからフェリーで30分前後で行くことができます。
カリフォルニアいちの超高級住宅街といわれる、ベルヴェディアの隣に位置する閑静なエリアですが、近年はリゾート地としての評判もうなぎ上り。サウサリート同様、地中海さながらの開放的な雰囲気が楽しめます。ここでおすすめしたいのは、ティブロン発のベイクルーズ。
例えばティブロンを拠点とする「エンジェルアイランド ティブロン フェリー」では、現地の観光スポットとして人気が高いふたつの島(エンジェルアイランド、アルカトラズ)を巡るクルーズやサンセットクルーズ、さらにはホエールウォッチングなどを用意。
通常よりリュクスな船をチャーターすることもできます(ケータリングを入れたり、ウエディングパーティーなどを行うことも可能)。
晴天のクルーズも素敵ですが、夕方のマジックアワーが見せる、空と海の幻想的なムードは格別! オレンジとブルーが溶け合う、感動的なひとときを過ごすことができます。
サンフランシスコの人気スポット「ピア39」を海側から眺めることができるのも、クルーズの醍醐味。野生のアシカを近くで見ることができますよ。
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■3:世界有数の高木原生林、ミュアウッズ国定公園でリトリート気分の森林浴
サウサリートやティブロンの北に位置するミュアウッズ国定公園も、ぜひ合わせて訪れたい場所。高さが70〜80mにもなるレッドウッドが大半を占め、樹齢1000年を超える木も多い、世界有数の高木原生林です。
1800年代後半に、周辺のベイエリア沿岸のレッドウッドが大量に伐採されるなか、地元の実業家が木を守るために渓谷を購入したことが自然公園の始まり。1908年には国定公園に指定され、カリフォルニアで樹齢の長いレッドウッドがそのまま残る貴重な場所となりました。
公園内には6.7kmの歩道があり、歩いて1時間半ほど。ぐるっと1周するルートのなかに4つ橋を備え、橋を渡ってより短時間で周ることもできます。急な坂のない平坦な歩道なので、ゆっくりと散策するのにぴったり。
太古の昔からこの場で呼吸を続ける木々に包まれて、マイナスイオンたっぷりの森林浴はいかがでしょう? 心身ともにリフレッシュできること間違いなしです。
サンフランシスコからは車で30分程度。6月〜8月頃まではサウサリートからシャトルバスが運行しており、予定の立て方次第で大都市、港町、大自然を1日で巡ることも可能です。短期間でダイナミックな旅がかなうのは、都市と自然の距離が近いカリフォルニアならではといえるでしょう。
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■4:130kmに及ぶ海岸線から「西海岸の端」を体感する、ポイントレイズ国定海岸
サンフランシスコから日帰りで大自然を体感できる場所で、日本人観光客にはまだあまり知名度が高くない穴場が、ポイントレイズ国定海岸。太平洋に突き出した岬を中心とする、約130km(!)に及ぶ海岸線を指します。
287km²と広大な面積を誇るだけあって、時期やエリアによってさまざまなアクティビティが可能です。
例えば、ホエールウォッチング(1月〜4月中旬ごろ)に、野生動物&植物ウォッチング、ドライブ、ハイキング、ビーチでチルアウト、キャンプ……。フォトジェニックなスポットとしては、トンネル状に木が茂ったTree Tunnelやアラメア滝、難破船など。
それぞれ距離がありますので、事前に目的を決めて訪れることをおすすめします。入り口付近にある「ベアバレー ビジターセンター」には豊富な知識をもつレンジャーが常駐しており、細かな質問にも丁寧に答えてくれます。
「数時間では物足りない」という方は、エリア内に点在するホテルに滞在してじっくりポイントレイズ国定公園を周るのも一考です。ぜひお目当てに合わせて、自分だけの「西海岸の端」プランを練ってくださいね。
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- ポイントレイズ国定海岸
- ※ポイントレイズ国定海岸の宿泊情報含め、上記でご紹介したサウサリート、ティブロン、ミュアウッズ国定公園、ポイントレイズ国定海岸を擁するマリン カウンティの最新情報はここでチェック!
- マリン カウンティ観光局
■5:現地のアウトドア通も注目するニューフェイス、ピナクルズ国立公園
最後に、サンフランシスコと並ぶ北カリフォルニア有数の都市・サンノゼから近い国立公園をご紹介します。
サンノゼから車で約1時間半。なだらかな起伏のある草原の間に現れるのが、古代の火山によって形つくられた崖、岩山、洞窟を擁するピナクルズ国立公園。2013年に指定された国立公園で、現地のアウトドア通も注目する新スポットです。
ここで訪れるべきは、最高で高さ829mのごつごつとした尖峰群からなるハイピークスと、ハイピークスの頂上に至るまでの道中にあるベアガルチ洞窟。鍾乳洞と違って侵食と堆積した岩によって成り立つ崖錐洞は、さながらゲームのダンジョンのよう。ぜひ童心に帰って、アドベンチャー感覚で洞窟のなかを探索してみてください。
そのほか、3月から5月にかけて咲く色とりどりのワイルドフラワーもピナクルズのお楽しみ。また、運がよければ翼幅が2.7mを超える大型鳥、カリフォルニア・コンドルを見ることができるかもしれません。
かつては絶滅寸前の危機にありましたが、現在ピナクルズでは25羽以上のカリフォルニア・コンドルを管理しています。確実に見たい場合は、早朝か夕方のハイピークスを狙いましょう。
サンノゼ、ピナクルズ国立公園、公園のあるモントレーの最新情報はこちら
■HOT TOPICS:サンフランシスコ国際空港内にグランドハイアットがオープン!
現在サンフランシスコでもっとも話題のホテルのひとつが、2019年10月に開業した「グランド ハイアット at SFO」。サンフランシスコ国際空港内唯一の宿泊施設となる、多忙な現代のトラベラーにぴったりのホテルです。
特筆すべきは、空港のすべてのターミナルに直結する専用の空港鉄道の駅を備えていること。空港に到着したのち、直通の連絡列車からホテルに向かうことができるというわけです。
長いフライトのあとに、うれしいロケーションですよね。宿泊のほか、デイユース(午前8時〜午後8時まで)も可能なので、乗り継ぎの間にひと休みすることもできます。
ダイニングは、和洋のテイストを美しく融合させたレストランと、24時間営業のショップを併設した多機能ラウンジの2か所。
スケジュールや気分に合わせてフレキシブルに、ハイアットクオリティの食とドリンクを楽しむことができます。空港内にラグジュアリーホテルという画期的な新アドレスは、サンフランシスコ旅の可能性をぐっと広げてくれることでしょう。
グランドハイアットat SFO、グランドハイアットat SFOが位置するサンマテオカウンティ/シリコンバレーの最新情報はこちら
通が狙うカリフォルニア旅の楽しみ方、いかがでしたか? 多くの魅力をもつカリフォルニアですが、大都市と大自然が驚くほど近い点や自然公園の規模感が桁外れという点は、ほかの地域にない際立ったポイント。
「多忙だからこそ、時間を上手に使ってシティも自然も楽しみたい」という方にぜひおすすめしたいデスティネーションです。
後編記事では、ナパとソノマに続く注目のワイン産地をご紹介します。こちらも合わせてお楽しみください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Anuschka Schneider、Dennis Anderson(Point Reyes)、SeeMonterey.com(Pinnacles National Park)、NAOKO MONZEN(Sausalito, Tiburon, Muir Woods National Monument)
- EDIT&WRITING :
- 門前直子
- SPECIAL THANKS :
- カリフォルニア観光局