「鴨志田だったらこうするだろうという、なにか捻った、特別なものをつくりたかった」今までにないグローバルなコラボレーション、その舞台裏を語る。

類いまれなる共演が生んだ独創的なスタイル

現在のメンズスタイルを象徴する3社のコラボ

「Between」コレクションアンダーソン&シェパード

今回のコラボレーションでも重要な役割を果たした第三のパートナー「アンダーソン&シェパード」は1906年創業、サヴィル・ロウを代表する名門ビスポークテーラーだ。

2011年にオープンしたアンダーソン&シェパード ハバダッシャリーはビスポークスーツ以外の紳士用品、ニットウエア、タイ、ポケットスクエア、靴といった紳士用品全般を販売している。今夏、日本橋三越本店に海外初進出となる新店をオープンした。

同店の高度に洗練された正統派のブリティッシュスタイルは、英国のみならず世界中のウェルドレッサーから憧憬の対象となっている。

従来のフランネルに比べ、フィニッシングを変えることで打ち込みをしっかりさせた。その分ウエイトも増し、仕立て映えのする仕上がり。ツヤを抑えたマットな質感が原毛の品質のよさを強調し、遊び心を演出。通常のグレーに比べ奥行きのある柄とメランジェ感により、ピンク、パープル、レッド、イエローと幅広い色合わせができるのが最大の魅力だ。
従来のフランネルに比べ、フィニッシングを変えることで打ち込みをしっかりさせた。その分ウエイトも増し、仕立て映えのする仕上がり。ツヤを抑えたマットな質感が原毛の品質のよさを強調し、遊び心を演出。通常のグレーに比べ奥行きのある柄とメランジェ感により、ピンク、パープル、レッド、イエローと幅広い色合わせができるのが最大の魅力だ。

鴨志田氏も今回のコラボレーションパートナーとしてアンダーソン&シェパード ハバダッシャリーを選んだ。「イタリアのファブリックと日本のデザイン、次は王道のブリティッシュブランドと組みたいと思いました。ここは若い頃から憧れていた店のひとつ。老舗のブランドはいつの時代も色褪せないよさがあります。それはクラシックを極めたよさともいえるでしょう。クラシックをコンテンポラリーに、日本人ならではの感覚で表現してみたいと思ったのです」

エレガンスのあるリラックスしたカジュアル

ブラウンのオーバーシャツの柄から取ったオーベルジーンカラー(なす紺)のタートルネックセーターとトラウザーズの合わせ方、全体のカントリー調のラフな質感、濃淡のブラウンの組み合わせがカジュアルな中にも統一感を生む。シャツ¥40,000・ニット¥27,000 (ユナイテッドアローズ 原宿本店〈カモシタ ユナイテッドアローズ〉) その他/私物

鴨志田氏のリクエストを踏まえ、ミラノに続く、二度目の撮影は「Between(ビトウィーン)」の世界観を表現するため、ロンドンのアンダーソン&シェパードハバダッシャリーで行われた。

同店の取締役副会長を務めるアンダ・ローランド氏は、鴨志田氏、フランチェスコ・バルベリス・カノニコ氏に続いて、ミラノのローンチパーティでもスピーチを行い、プロジェクトの成功を祝した。

「このコラボレーションに参加してほしいというオファーがあったとき、喜んで同意しました。VBCとは過去にもコラボレーションをしていますし、フランチェスコは親しい友人です。この3社でコラボレーションが行われたのはとても自然でした。鴨志田氏のことは以前から独自のエレガントなスタイルを知っていたので私たちにどんな提案がされるのか、非常に楽しみでした。私たちはビスポークテーラーですから、お客様のリクエストには常にオープンマインドです。結果として、現在の世界観が表現された素晴しいコレクションだと思います。世界はもっとオープンになり、世界中の様々な地域で最上のマニュファクチャラー(製造者)を人々は求めるようになってきています。今回のこのコラボレーションはまさにそれを象徴するものでしょう」

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この記事の執筆者
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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2019年秋号より
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PHOTO :
Lyle Roblin、James Holborow
EDIT&WRITING :
長谷川喜美