「令い」の読みは? 意味は? 「令和」「令嬢」などに使われる美しい漢字の意味をおさらい!
本日は、令和初の「成人の日」ですね。という事で本日は、「令和」や「新成人」にちなんだ日本語をおさらいして参りましょう。
ということで、クイズです。
【問題1】「令い」ってなんと読む?
「令い」という日本語の読み仮名をお答えください。
ヒント:「令和」という元号の考案者とされる文学者・中西進博士は、「令」を「うるわしい」という意味で用いられたそうですが、この場合は「令しい」という表記になります。クイズの答えは「令(うるわ)しい」ではありません。しかし、クイズの答えも、同じイメージを持つ読み仮名です。
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 令(よ)い です。
「よい」と言えば、プラスのイメージをシンプルに表した日本語です。
表記も「良い」「好い」「善い」「佳い」などさまざまありますが、漢字によって微妙なニュアンスの違いがあります。
「良い」…優れている。
「好い」…好ましい。
「善い」…倫理にのっとって善良である。
「佳い」…物事や人がすっきりと美しい。
ニュアンスは違ってもすべてが「プラスイメージ」なわけですが、
「令和」の元号にも使用された「令(よ)い」は、前述のすべての「よい」の複合イメージともいえる、最上級の「よい」だとされ、ゆえに、現在でいうところの「うるわしい」と同じ意味を持つ漢字である、というわけです(「令(うるわ)しい」は古典文学の知識による、本来の漢字の意味に合わせた読み仮名ですが、現代では意訳的な読み方です)。
新元号考案者とされる中西博士は『令和』について「うるわしく平和を築いていこうという合言葉」と表現されています。いくつかの新元号候補の中からただひとつ、満場一致で決定したという『令和』、本当に美しい願いが込められているのですね。
さて、「令」の字といえば、「令夫人」「ご令息」「ご令嬢」など、大切な方のご家族を敬う呼称としても使用されますよね?
成人の日前後には特に、「ご令息」「ご令嬢」の話題が会話にのぼることも多くなりそうですし、また、新成人の方々とお話する機会もあるかもしれません。
「令」という字が、こうした「最上級の『よい』」という意味を持つ漢字である、という話題は、寿ぎの日にふさわしい、まさに「令い」話題になりそうです。
…というところで、2問目に参りましょう。
【問題2】「初心」ってなんと読む?
「初心」という日本語の「しょしん」以外の読み方をお答えください。
ヒント:<会話での使用例>
「あの人の下心に気づかないほど、私は初心じゃないわ」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 初心(うぶ) です。
「初心(しょしん)」の意味は、「最初に思い立った時の純真な気持ち」。
「初心(うぶ)」の意味は、「世間ずれしておらず、ういういしい」です。「まだ男女の情を解さない」という意味でも使用されます。
「初心(しょしん)」もすがすがしく素敵な日本語ですが、
「初心(うぶ)」はもっと繊細で柔らか、ほの甘いイメージの日本語です。
大人になると「初心(しょしん)を忘れず」という表現はしばしば用いるものの、「初心(うぶ)」はヒントの会話例のような、否定形で用いることのほうが多くなるかと思います。
しかし、この「成人の日」、あえて「初心(うぶ)」な心を思い出すような過ごし方をしてみる、というのも一興かもしれません。
学生の頃愛していた文学や映画・音楽などに触れてみたり、
アルバムで思い出を振り返ってみたり、
お世話になった方やご家族に電話をしてみる…というのも、心のリフレッシュになるのではないでしょうか?
本日は、「令和初の成人の日」にちなんで
・令(よ)い
・初心(うぶ)
という日本語の読み方と、言葉の味わいをひもときました。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:日本経済新聞(2019年5月1日)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱