「四十八茶百鼠」の読みは? 意味は? 「鼠」にちなんだ日本語をおらさい!
年が明け、干支が子年になってから、もう二十日も過ぎたのですね。ねずみ年の二十日、といえば「ハツカネズミ」を思い出します。白い美しい姿から、年賀状のモチーフにもたくさん使われていたのではないでしょうか?
「ハツカネズミ」の名前の由来は、「妊娠期間が二十日である」とか「ほかのネズミより体が小さく、成獣でも生後二十日ほどのサイズであるから」など諸説あり、正確な由来は特定できないようです。
さて、本日は2020年・令和2年の干支「鼠」にちなんだ日本語をおさらいしましょう。
…というところで、クイズです。
【問題1】「四十八茶百鼠」ってどんな意味?
「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ」という日本語は、何を表した言葉でしょうか?3つの選択肢の中から選んでください。
1:ゲームの名前
2:格言
3:色彩の種類
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 3:色彩の種類 です。
「四十八茶百鼠」は江戸時代にできた言葉で、「大変多くの茶色と、大変多くの鼠色」を表現した言葉です。
なぜこんな言葉ができたのでしょう?
由来は江戸時代にさかのぼります。江戸時代後期、町人や商人が裕福になり、衣装にお金をかけ、贅を競うようになりました。そこで「庶民にそんなに贅沢をされては困る」と考えた江戸幕府が「奢侈禁止令」を出し、庶民の着物の色・柄・生地・値段に、規制をかけたのです。
庶民が着られる着物の色は「茶」「鼠」「藍」のみとなってしまいましたが、そこでお洒落をあきらめないのが町人の意地です。許可された色の範疇で、「路考茶(ろこうちゃ)」「団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)」「梅鼠(うめねず)」「鳩羽鼠(はとばねずみ)」など、微妙な染め分けをした新色を続々登場させ、落ち着いた色調の中でも「人とは違う着物」「粋な着物」を追求したわけです。
この時にできた、茶色と鼠色の膨大なバリエーションを「四十八茶百鼠」というわけです。実際に四十八色、百色、というわけでなく「すご~くいっぱい」的な表現です。
幕府に対する、密やかでありながら、はっきりした反骨精神を感じる言葉でもありますね(笑)。
「四十八茶百鼠」の中でも「利休鼠(りきゅうねずみ)」「銀鼠(ぎんねず)」などは、今でも『JIS慣用色名』に残っており、前述した色についても、カラーコーディネーター検定や色彩検定で、出題範囲の知識とされています。
さて、鼠つながりで2問目のクイズです。
【問題2】
「栗鼠」という動物名の、読み仮名をお答えください。
ヒント:とてもかわいらしい動物です。
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は・・・ 栗鼠(りす) です。
ちなみに「四十八茶百鼠」の中に、「栗鼠(くりねずみ)色」も存在します。
本日は「鼠」にちなんだ日本語
・四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)
・栗鼠(りす)
の読みと、トリビアをお送りしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱