近年、健康ニーズから注目が集まっている、大麦のひとつ「もち麦」。そのもち麦については健康面でよく話題になりますが、今回は、味や食感などの「おいしさ」を追求してみました。

もち麦を最高においしく食べるコツを、料理研究家で栄養士の資格をもち、もち麦活用レシピも多数開発している道添明子さんに教わります。

食物繊維が多く、プチプチした食感がもち麦のメリット

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もち麦の特徴とは?

世間では、「もち麦」が数年前から話題になっていますが、どんなところが魅力なのでしょうか。まずはおさらいしておきましょう。

「お米に、『うるち米』と『もち米』があるように、大麦にも『うるち麦』と『もち麦』があります。大きな違いは、もち性のあるもち麦のほうが粘性があり、一般的なうるち麦よりも、もちもち、プチプチした食感がある点。また、もち麦はβ-グルカンという食物繊維を多く含み、大麦のなかでも、特にその含有量が多い品種です」

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もちもち・プチプチ食感がたまらないもち麦

まとめると、もちもち感やプチプチ食感、そして食物繊維が非常に多いことが基本的な特徴というわけですね。

もち麦の味や食感、使い方などの特徴をチェック

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もち麦の美味しさに迫る!

続いて、もち麦の味や食感、調理のしやすさ・使いやすさについても道添さんに解説いただきました。

よく噛むことで甘さを感じやすい「味」

「味はほとんど感じませんが、食物繊維が豊富なことから白米よりも噛む回数が自然と増えるので、甘さを感じやすいでしょう。また噛む回数が増えることで、満足感が得られてダイエットにもつながります。ただ、大麦の香りが独特なので、大麦100%でご飯を炊くのはおすすめしません」

人気のポイント、もちもちプチプチの「食感」

「食感はもちもち、プチプチしているので、お米と混ぜても、食感がマッチし、おいしく食べられます。一方で、押し麦という大麦もありますが、こちらはボソボソした食感があり、麦ごはんは苦手と感じられる人もいます」

米と一緒に使うほか、トッピングにもぴったり

「もち麦は、お米に混ぜて炊くほか、ゆでたり、スープやリゾットに加えたり、スイーツに使ったりもできるので、調理の幅は広いです。

もち麦の市販品には、そのまま研がずに使えるタイプ、小分けされて白米に混ぜる1回分に個包装されたタイプなどさまざまなものがあります。特に白米に入れて炊くのは便利で簡単に取り入れられるので、使いやすい食材といえます」

もち麦を最高に美味しく食べるコツ4選

もち麦の特徴を知ると、すぐにでも取り入れたくなってきませんか? そこで道添さんに、もち麦を最高においしく食べるコツを4つ教えていただきました。

■1:米と一緒に炊く

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お米に混ぜて炊く

「お米だけ先に通常の水加減にセットして、そのあとでもち麦と、もち麦の量の2倍の水を加えて炊きます。米1合に対してもち麦50gがおすすめの割合ですが、もち麦を食べるのに慣れないうちは少なめから始めて、少しずつ増やしていくのをおすすめします。

おいしく炊くコツは、もち麦を入れたら必ず30分浸水させること。そして炊き上がったら、すぐによく混ぜること。もち麦は白米よりも軽いため、浮き上がってしまうので、お米としっかり混ぜましょう」

■2:料理の具材として煮込む

「ミネストローネ、クラムチャウダー、サムゲタンなどの具材として一緒に煮込むことで、もちもち、プチプチした食感をより楽しめます。もち麦の栄養を丸ごと残さず食べられるのもポイントです」

■3:リゾットや中華風おこわに入れる

「お米を使った料理に入れると、もち麦のもちもちした食感が生きます。例えば、もち麦と白米のリゾットや、もち麦ともち米の中華風おこわは、よりもちもち感が高まり、とてもおいしくなりますよ」

■4:ゆでもち麦を料理に利用する

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道添さん作「もち麦サラダのトマトファルシー」

「もち麦をゆでたものをサラダ、コロッケ、ハンバーグなどの主菜や副菜、スイーツなどに利用するのもおすすめ。もち麦の食感を楽しめるうえに、ボリュームもアップします。

もち麦はゆでると約3倍に増えるので、それを考慮して大きめの鍋で15~20分ゆでて、透明になったらザルに取り、水洗いします。ゆでた状態にしておけば小分けして冷凍保存可能です。冷凍保存したら、およそ2〜3週間で食べきりましょう。

スイーツは、プリン、ブラマンジェに入れたり、タピオカココナッツミルクのタピオカの代わりにもち麦を入れて、もち麦ココナッツミルクにしたりしてもおいしいです」

料理研究家のもち麦の好きな食べ方ベスト3!

もち麦は、おいしくいただけるさまざまな調理パターンがあることがわかりましたね。具体的にどんなメニューがおいしいのでしょうか? それを知るために、道添さん自身のもち麦のおいしい食べ方ベスト3を教えていただきました!

■第1位:シチューやスープにそのまま入れる

「簡単ですが、とろみも付いてもちもちして、とってもおいしいです。マカロニの代わりに入れる感じです。栄養丸ごと摂取できるので好きな食べ方です」

■第2位:さつまいもご飯やとうもろこしご飯などに炊き込む

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道添さん作「もち麦入りとうもろこしご飯」

「さつまいもご飯や、とうもろこしご飯などの炊き込みご飯との相性抜群です。ほかに石焼きビビンバやカレーなども、もち麦の、もちもち・プチプチ感が生かされておいしいですよ」

■第3位:スイーツに入れる

「ゆでもち麦をなめらかなプリンやブラマンジェに入れるのも好きです。もち麦を『デンプン』と考え、パンケーキに入れたり、パンやスコーンをつくる際に入れたりするのもおすすめです」

道添さんのもち麦活用レシピは、下記のサイトで見ることができます。気になる方はトライしてみてはいかがでしょうか。

道添 明子さん
料理研究家・栄養士
(みちぞえ あきこ)大手食品会社にて新製品開発、テレビ局にて料理レシピ開発、新聞掲載。企業のレシピ開発、健康セミナー講師、料理教室講師。レシピブログNadiaなどSNSに簡単・おいしい・おしゃれなご飯レシピ、コラム執筆などで活動。公式ブログInstagram

もち麦は健康的といわれる食材ですが、今回はその美味しさに着目して、おいしい食べ方をご紹介してきました。ぜひヒントにして、自分好みのおいしいベストな食べ方を見つけましょう!

この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳