カンディハウスの伸長式テーブル「マム ダイニング」
身長156cmのインテリアエディターが「大人の家具選び」を実際に見て・触って・座ってレポート、より読者の皆様にわかりやすくインテリアをご紹介する連載企画「身長156㎝のインテリア」第24回目です。
本記事では、カンディハウスの伸長式テーブル「マム ダイニング」をご紹介します。
ちょうどいいサイズの円形がうれしい「マム ダイニング」
伸長式テーブルは、用途によって大きさを変えられる機能的な家具です。2種類の形にできるので、インテリアの印象を気軽に変えられる楽しみもあります。「マム ダイニング」は、コンパクトな空間にちょうどいいサイズの円形をしています。そこを起点に変形していくのが嬉しいポイント。
お部屋の中で、床面の次に大きな水平面となるダイニングテーブルの天板の形は、インテリアの印象を大きく左右します。直線の多い室内に曲線が入ることで空間にヌケ感ができ、こなれて見える効果があります。
直径105cmというのは、コンパクトながらも、ゆったりと4人までの軽い食事ができるサイズ感です。
4人以上で大皿を囲んでご飯を食べたい場合や、趣味やレッスンなどでご利用される場合には、伸ばして広いテーブル面で楽しい時間を過ごすことができます。
女性がひとりで安心して広げられる「マム ダイニング」
一見、無垢材(丸太から切り出した自然の板材のこと)だけでつくられているかのように見える「マム ダイニング」ですが、実際は突板(薄くスライスした天然木)と無垢材を組み合わせて、自然な木質感を表しています。
伸長する際に天板の縁に手をかけると、しっかりと握り込める太さの無垢材が、ぐるりと一周しています。天板の厚み部分は、安価な家具の場合木口テープで仕上げたものも多く、伸長しているうちに剥がれやすい箇所でもあります。木口面に無垢材を用いることによって、安心感と高級感が得られます。
また、デザイン面でもテーブル全体を軽やかに見せる工夫があります。角度をつけることで、天板面には太い無垢材の断面は見えず、縁をほっそりとしたラインで見せたり、円柱の脚先も細くしたりと、デザイン的な心配りがされています。
そういった細かなひとつひとつのディテールの積み重ねが、シンプルで上品なたたずまいをつくり出しているのです。
「マム ダイニング」の自然でいい感じは、職人技とセンスでつくられている
無垢の木は、そのままでは反りやすく重いため、伸長式テーブルには不向きです。その点「マム ダイニング」は、比重の軽い木材でつくり、表面を突板で仕上げることで、女性がひとりでも動かせる軽さとスムースな操作性を実現しています。
また、変化に富んだ突板の木目を、職人さんのセンスによって、無垢材に近い表情に仕上げた「ランダムマッチ」貼りが魅力のポイント。
北海道の美しい森を守り、育てる「ここの木の家具・北海道プロジェクト」
「マム ダイニング」は、北海道産のナラ材やタモ材を採用しています。カンディハウスのある旭川が、産地一丸となって取り組んでいる「ここの木の家具・北海道プロジェクト」では、森を育てるために伐採される小径木の広葉樹を活用し、家具づくりを行っています。
森の生態系を守るためには、人間の積極的な関与が欠かせません。旭川家具では、北海道産広葉樹による製品開発を続けてきています。
カンディハウスは、そんな小径木を無駄なく使えるよう、ロングセラー製品を北海道産木材に切り替えることや、デザイナーと共に、道産材の木の表情を生かした製品づくりに取り組んでいます。
私たち消費者側からすれば、良質な材でつくられた家具を安心価格で手に入れることができ、森を守る活動を支えることになります。
自然に感謝し、森のそばで家具をつくる「カンディハウス」
1968年、長原 實氏によって、北海道・旭川にインテリアセンター(現 カンディハウス)は創立されました。創立のきっかけとなったのは、同氏のドイツ留学時のこと。
北海道の良質な木材がヨーロッパに運ばれ、ヨーロッパのデザイナーと技術者によって加工されて、日本を含む世界中に輸出されている現実に衝撃を受け、「北海道の木材を使って北海道で家具をつくり、世界に輸出したい」と強く思ったそうです。
以来、「デザインを基軸にした経営」でものづくりをし、世界をフィールドに発信し、実現し続けています。アメリカ、ドイツへの現地法人展開に加え、アジア地域の進出も目覚ましい日本企業です。
問い合わせ先
- カンディハウス東京ショップ
- 営業時間/11:00~18:30
定休日/水曜日(祝日の場合は営業)、年末年始 - TEL:03-5931-1188
住所/東京都港区南青山5-4-46 内田ビル1・2F
- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM