予算やスタイルとは合わないクルマがあっても、「自分には縁がないから」とそっぽを向くのはもったいない。出会いはいつやってくるかわからないからだ。人生のモチベーションとして、夢のあるクルマに興味を抱くのは、男として忘れてはならないと思う。MEN'S Preciousのエグゼクティブファッションエディターである矢部克已も、読者のみなさんと立ち位置は同じだ。輸入車の最新モデルが集まり、試乗するメデイア向けイベントで、矢部はアルファロメオを2台試乗。パート1に続く2台目は、SUVのステルヴィオだ。
ステアリングを握った印象は“クール”!
アルファロメオ2台目の試乗は、「ステルヴィオ」。ウェブサイトなどで、日本上陸の情報が流れだした頃から、最も乗りたいクルマとして待ち焦がれていた。レースを背景にして誕生した走り屋のアルファロメオが、メーカー初のSUVを投入したからである。
私にとってアルファロメオがつくる「ステルヴィオ」は、ファッションにたとえれば、手縫いの凝った軽快なジャケットづくりに定評のあるブランドが、極上のカシミアを使い機能性も備えた優雅なコートを遂に発表した、といったところか。実際、そういったファッションブランドが存在するのかは別として、そんなイメージが湧いてくる。
普段から愛車はSUVのため、次に乗り換えるなら「ステルヴィオ」、という気構えで試乗に臨んだ。
外装の“アルファレッド”に対して、内装はブラックレザー。ダッシュボードのデザインはシンプル。ステアリングを握ったとき、実にクールな印象だった。
SUVでもやっぱりスポーティ!
エンジンはディーゼル。今後のクルマ人生において、燃費をはじめとするランニングコストを考えれば、ディーゼルエンジンの試乗は願ってもない機会。その駆動感はいかに。エンジンを掛けると、あのディーゼルの、カラカラカラという軽~い音は聞こえず、スムースな滑り出し。ハンドリングは、はじめやわらかく感じたが、スピードが出るほどに、クイックに反応した。これこそアルファ! 最初に試乗した「4Cスパイダー」のスポーティな操作感が、「ステルヴィオ」にもあった。
たとえば、イタリアの景勝地として名高い、ソレントからチェターラまでの曲がりくねった海岸通りのコスティエラ・アマルフィターナや、超ヘアピンカーブが連続する北イタリアの山岳道路、ステルヴィオ峠(車名はここから命名したそうだ)で、SUVでありながらもダイナミックにコーナーを攻めるドライビングができそうだ。
私が身に着けるファッションアイテムは、ほぼ100%イタリアものにも関わらず、クルマはドイツのSUV。この「ステルヴィオ」の試乗で、いよいよ人生初のイタ車オーナーとなる、本気の乗り換えが迫ってきた感じだ。
【アルファロメオステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4 スポーツパッケージ】
全長×全幅×全高:4,690×1,905×1,680㎜
車重:1,820kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
エンジン:直列4気筒ターボ 2,142cc
最高出力:154kw(210PS)/3,500rpm
最大トルク:470Nm/1,750rpm
価格:¥6,054,545(税抜)
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- TEXT :
- 矢部克已 エグゼクティブファッションエディター
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- 尾形和美