あなたは普段、自分の手書き文字を見て、どう感じていますか?

「字は汚いけど、まあ昔からだし…」「まあこんなもんかな」「字には自信がある」など、さまざまな思いをもっていることでしょう。

最近では、パソコンやスマートフォンで文章を書くのが主流になり、もう何年もまともに文章を手書きしていない、という人も多いかもしれません。でも、実は、手書き文字が美しいことは、思わぬメリットもあるのです。

そこで今回は、美文字が書ける人になることのメリットとともに、美文字を最短で習得する方法、心構えなどを、書家の華蓮さんに教わります。

美文字の女性は「好感が持てる」「賢い・知的」「上品」

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字が美しい女性はどんな印象をもたれる?

多くの人は、美文字に対してどのような印象をもっているのでしょうか?

公文エルアイエルが30代~50代の男女600人を対象に実施した「美しい文字に関する意識調査」によると、文字が美しい女性の印象は、次のランキング結果となりました。

文字が美しい女性に対する印象は半数近くが「好感」

1位「好感が持てる」44.7%
2位「賢い・知的」44.3%
3位「上品」43.0%
4位「ていねい」37.0%
5位「美しい」35.0%

文字が美しいというだけで、好感をもってもらえたり、賢く知的で上品な印象を与えられたりするようです。

また「文字を褒められてどのように感じましたか?」という問いに対する答えでは、女性は「もっと字がきれいになりたい」「もっと習いたい」などの向上心につながっているものが多く挙がったそうです。

文字が美しく、さらにそのうえを目指すことは、女性として、またひとりの社会人としてメリットが大きいことが期待できます。

美文字が書けると、自分も楽しく他者との関係性も良くなる!

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美文字が書けたらどうなる?

では、美文字が書けることのメリットをもっと詳しく探るために、書家の先生に聞いてみましょう。

今回お話をうかがった書家の華蓮さんは、幼少より書を学びはじめ、20歳で師範資格を取得し、現在では手書き文字を中心に生徒さんへ教えています。そんな華蓮さんに、美文字のメリットをお話しいただきました。

■メリット1:心地よくいられ、手書きのたびに楽しい

「美文字であるメリットは、何より、自身が心地よいこと。文字が整うと、自然と自分の心が整います。また字が整うことで、手書きを楽しめるようになります。そうすると、自然と自分の名前を書くのが楽しみになります」

■メリット2:他者との関係が良くなる

「ご自身が心地よく過ごすことで、他者と関わる際もポジティブで優しい、優雅な時間になります。また他人が美文字を見たときに、その人自身の『人となり』を感じ、気遣いや思いやりが伝わります。

私は、年賀状、カード類、またギフトをお贈りするときにはあわせて直筆でメッセージをしたためますが、それをお渡ししたとき、みなさん感動してくださるんです。ときには、想いを感じ取って、涙される方までいらっしゃるんですよ」

■メリット3:手書きをする機会が増え、幸せの連鎖にもつながる

「手書きが楽しくなれば、自然と手書きをする機会も増えるでしょう。例えば『ハッピーノート』と題して、日記のように今日の幸せなできごとや在りたい自分像を書いている方もいます。

書くという行為により、幸せなできごとを思い出すことで、それに対する感謝が生まれ、結果的に想像した『在りたい私』が将来手に入る。手書きが楽しくなることで、このように素晴らしい幸せの連鎖が生まれるのこともあるのです」

■メリット4:漢字や言葉との対話が楽しめる

「自分の名前の漢字の由来や、意味・想いなども、想像したり、感じたり、意味を再度確認したりすることにより、自然とその名前であることそのものへの感謝が生まれる方が多いように思います。まさにみなさん、『漢字や言葉との対話』を楽しまれていらっしゃいます」

美文字を最短で習得するには「意識」からスタート

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自分の手書き文字を「意識」しよう

ますます書けるようになりたい美文字。今では美文字練習帳などを多く見かけますが、最短で習得するにはどんなコツがあるのでしょうか?

「まずは、ご自身の手書き文字を『意識』することからはじめましょう。忙しい現代人は、まず、手書きの機会が少なくなっていること、そして、書くスピードも、とても速くなっている方が多いです。文字通り、ご自身の文字を『意識』できていない方がとても多いのです。美文字になる近道は、まず『意識』。そして『ゆっくりの動作』が一番です。意識できれば、注意すべきポイントが自ずと見えてきます」

字を綺麗に書くための心構えは「空間」「呼吸」「ゆっくり」「お手本」

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華蓮さんの作品「報恩謝徳(ほうおんしゃとく)」

美文字は、「意識」をしっかりして、練習を重ねることが大切だと華蓮さん。

そして「もちろん、基本の正しい姿勢であること、正しいペンの持ち方であることは大前提ですが、字を綺麗に書くための心構えとして、次の4つを意識するのをおすすめします」と話します。

■心構え1:落ち着ける空間を作る

「美文字を書くには、まず空間づくりから。こざっぱりした、キレイなゆとりのあるスペースをつくりましょう」

■心構え2:呼吸をしっかり整える

「そして吐く呼吸を意識して、胃の中から全部の息を押し出してから吸うようにすると、呼吸が深くでき、次第にリラックスな状態を保つことができます」

■心構え3:ゆっくりした動作でペンを運ぶ

「はじめは『1…2…3…』と数えながらでもよいので、1本1本、ゆっくり線を書くことを意識します」

■心構え4:お手本を見ながら学習する

「『書けるようになりたい文字』のお手本を見ながら学習するのも、とても効果的です。よく言われることですが、やはりよいものを見ることが大切です。ぜひ、お手本にする文字を日常生活で見つけてみてください。

人の眼は、見たいものしか見ることができませんが、意識をすると自然と眼に入るようになり、情報も眼に留まりやすくなります。意識していれば、きっと自分の書けるようになりたい文字が見つかりますよ」


華蓮さんの美文字を学ぶサロンに参加した人は、字に自信がなかった人も、初回の90分のレッスンで自分の字が変わったことを実感するのだとか。

美文字を習得するには、お手本を見ながら書いたり、練習帳に書いたり、レッスンに通って学んだりと、さまざまな方法があります。美文字のメリットを享受するためにも、ぜひ日々の生活の中で、レベルアップを目指してみてはいかがでしょうか。

華蓮さん
書家
(かれん)幼少より書を学び、20歳で師範資格を取得。現在では手書き文字から心を整える書家として、都内にて美文字・マナーサロンを主宰しながら、若手・社会支援及び人材育成事業等、幅広く活躍中。公式LINE ID:@pkb2148u
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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳
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