子供の知育や情操教育を助けるアイテムとして再び熱い注目を集めているのが、木の玩具。まだ14才ながら快進撃を続ける、将棋の藤井聡太棋士が幼少期に使っていたと話題になっていたのも、木の玩具の代表格「キュボロ」です。今や入手困難、入荷を待たなければ入手できなくなってしまっているといいます。
偶然にも東京都・目黒区美術館にて開催中の「ヨーロッパの木の玩具―ドイツ・スイス、北欧を中心に」でも、キュボロはメインビジュアルとして使われ、展示されています。この展覧会では、キュボロ以外にも木を使い、子供たちの意欲を刺激する玩具がたくさん紹介されています。今回はテーマ別の展示のなかから、実際に購入できるおすすめの玩具をピックアップしてみました。
「つむ、ならべる」積み木
子供のころ、多くの人が遊んだ経験がある積み木。その可能性をさらに広げ、より複雑な形をつくることができる「ネフスピール」は、あまり見かけないリボン型の積み木です。1958年、ドイツのネフ社の創設者であるクルト・ネフによって考案されたもので、セットになったパーツ16個を組み合わせるというもの。現代バージョンはさらなる進化を遂げ、先端部分もカット。ここを支点に、新たな形へと積むことができるようになっています。玩具としてだけではなく、オブジェとしても美しく、大人の創造力も刺激されそう。
「くむ・はずす」パズル
同じくネフ社の「ダイヤモンド」は、正八面体を15分割したパズル。カラーもブラウンから鮮やかなブルー、モノクロなど多彩にそろっており、子供はもちろん、大人も楽しめる頭脳派のパズルです。遊びを卒業しても思い出の品として残しておきやすい、スタイリッシュなデザインです。
「ころがす、おちる、道をたどる」
スイスのスカリーノ社の「玉の道」は、玉などを転がし、上から下へ、落ちる道筋を組み立てる木の玩具。端の処理も丸みを帯びており、小さな子の手にもやさしいつくり。小さいうちは大人がつくって動く様を見せてあげ、少し大きくなったら「自分で新しい道をつくる」などのチャレンジをさせて、遊ぶことが可能です。
「みる・くりかえす」パターン
平面のなかでデザインを変える玩具は、立方体の並べ方を変えるものや、釘に輪ゴムをかけてさまざまな形を創り出す玩具など、いくつかあります。子供が持ちやすい12センチ角の大きさの「ゴムパターン遊び」(ベック社)は、釘の位置によっては円を描くこともできるなど、絶妙な配置で、想像力を刺激してくれます。
木の玩具は、外部の寸法が同じであれば組み合わせて遊べるものも多く、展示でも複数のメーカーの商品を組み合わせてつくられた、積み木も展示されています。今回、ご紹介した商品は展示を監修したアトリエ ニキティキの店舗や、全国の取り扱い店舗で購入できます。
今回の展示について、目黒区美術館学芸員の加藤さんは「あらゆるものがインターネットにつながる時代のなかで、木の玩具に触れる機会になれば」と話されていました。
「手で遊び、考えることで自分が知っていることを深く掘り下げる機会は、少なくなっているかもしれません。今回少し展示室で立ち止まって、木製玩具に親しみ、また玩具に込められた願いやエピソードに思いを巡らせたり、遊びながら少し考えて、その魅力を味わっていただければと思っています」(加藤さん)
目黒区美術館での展示では、一部の玩具を実際に触れて遊ぶことができるプレイコーナーも設置されています。
問い合わせ先
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目黒区美術館
会期/2017年7月8日(土)~9月3日(日) ※開催終了
時間/10:00~18:00 ※入館は17:30まで
休館日/月
住所/目黒区目黒2-4-36
※価格はすべて税抜です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 北本祐子
- EDIT :
- 安念美和子