中川政七商店の環境にも優しいこだわりアイテム5選
春は、転職や転勤など、環境が変わる人も多いシーズンですね。大きな変化がない人も、新年度のスタートは、身の回りのものを新調して、気分転換してみるのもいいのではないでしょうか?
そこで本記事では、丁寧な暮らしを実現できる、日本の伝統技術を用いた中川政七商店のアイテムを5つ、ご紹介します。
中川政七商店とは
1716年、麻織物の卸問屋として創業したのが、中川政七商店です。現在では、麻織物だけでなく、日本の工芸をベースにした暮らしの道具作りや、私たちの現代の暮らしに寄り添った、こだわりのアイテムを展開しています。
■1:この春デビューする下着の常識を覆す、麻100%のインナー「更麻」
インナーウェアといえば、コットンか高機能素材など伸縮性に優れた生地が主流の現在ですが、天然の高機能素材である麻100%で編み立てられたインナーブランドが、2020年4月8日(水)にデビューする「更麻」です。
元々、麻織物を扱っていた中川政七商店が、麻が本来持っている吸湿性や速乾性に着目し、従来では実現できなかった柔らかく伸縮性のある麻100%のインナー開発に成功しました。
世界最古の下着は"麻"
麻は、吸湿性などの機能性が高く、中世ヨーロッパでは下着の素材として使用されていました。現在、世界最古といわれている下着が、オーストリアで発見された15世紀のブラで、麻100%で作られていました。
その後、コットンなど伸縮性のある素材が下着の主流となり、現在では麻素材のインナーは見られなくなりました。
しかし、そんな中、麻の老舗だからこそ「インナーには、麻が一番気持ちいい」という確信があり、現在にはない肌触りのインナーを届けたいと、「更麻」の開発に至ったのだそう。
和歌山や京都の技術を生かしたものづくり
和歌山県のニットメーカー「オカザキニット」とともに、伸縮性、柔軟性に富んだニットを研究し、天然由来の柔軟成分であるプロテイン加工を施すことで、柔軟性が生まれることを発見。また、湿度の高い梅雨時期に編むことで、強度を持たせることもわかったのだそうです。
さらに、京都の吉崎縫製所で、職人さんたちが繊細なドレスを縫うように、一枚一枚手間をかけて縫製することで、程よいフィット感を実現しています。
「更麻」には、そうした技術が生きています。
今までインナーで満足できなかった敏感肌や、乾燥が気になる人におすすめ!
企画デザインの河田めぐみさんは、「365日着られる機能性だけでなく、着たくなるシンプルなデザインにしました」と語ります。今までインナーで満足できなかった敏感肌や、乾燥が気になる人などにぜひ着てもらいたいという想いが込められた逸品。汗ばむこれからの季節にぜひ試したいインナーです。
2020年4月8日(水)デビューの「更麻」シリーズは、キャミソール¥7,500・タンクトップ ¥7,900・ショートスリーブ ¥8,500・ショーツ¥4,800とラインナップが豊富。それぞれ、洗濯ネットとして使えるパッケージ付き、生成・白の2色展開です。
■2:奈良の工芸である「かや織」で織られた愛らしい色合いの「花ふきん」
奈良の工芸である、かや織は、奈良時代から伝わる「風は通すが蚊は通さない」という蚊帳(かや)に使われる目の粗い薄織物のことです。このかや生地を使用し、ふきんに仕上げているのが、かや織ふきんです。
サイズ違いで展開されていますが、中でも使用用途の幅が広く、おすすめなのが、縦58cm×横58cmという一般的なふきんより大判の花ふきんシリーズです。
かや織の特徴である通気性・吸水性・速乾性が活かされ、従来のふきんとして食器拭きや台拭きとしてだけでなく、出汁をとったり、野菜の水気を切ったりなど下ごしらえにも使えます。最初は、ノリがついているため、パリッとしていますが、洗って使い続けることで、やさしいふんわりとした肌触りになってきます。
使い込んでいくうちに用途が変化
使い始めは、大判過ぎるのではないかと感じた筆者ですが、折りたたんで使うことで厚さがあり吸水してくれるので、食器のちょっとした水切りに使え、広げるとすぐに乾くので、清潔に保つことができました。
「ノリ落とし前のパリパリの状態では、台所で散乱しがちな食品ストックなどの目隠しとしても活躍しますし、ノリを落とした後は、手洗いタオルとして、少しくたったら、そのまま台所ふきん、その後は雑巾として使えます。」とのこと。
ふきんの変化に合わせて、とことん使いきれますね。花ふきんという名前だけあって、そのお花のカラーに染められているので、季節に合わせて選びたくなります。
■3:かゆい所に手が届く「ごはん粒のつきにくい弁当箱」
プラスチックの安いものは苦手、木や竹製のタイプは密閉できなく汁がこぼれやすい。アルミ製は丈夫だけれど、ご飯粒がくっつきやすいしレンジはNG。ほうろうは、清潔感があるけど重い。
…などといった、お弁当箱へのお悩みを解決するために考えられて誕生したのが、「ごはん粒のつきにくい弁当箱」です。
職人の技術×吉野杉が叶えた、漆器のような見た目&ご飯が冷めてもおいいしい調湿効果
名前の通り、ご飯粒がつきにくく、手洗いでするっと汚れが落ちますし、本体は食洗器も使えます。
素材は、樹脂ですが、漆器のように見えるのは、安土桃山時代から400年以上の歴史を持つ山中漆器の産地、石川県加賀市にあるお弁当箱メーカー「たつみや」の技術のたまもので、熟練職人さんが手作業で仕上げているから。漆器のような風合いのお弁当箱に、新作では木蓋バージョンが登場しました。
吉野杉で作られた蓋は、木の調湿効果があり、ご飯が冷めてもおいしくいただけるそうですよ。また、パッキンがついているので、汁もれしにくいのもうれしいですね。春からの新生活、栄養バランスを考えてお弁当を作るのが楽しくなりそうです。
■4:電源いらずの「ひのきの加湿木」
乾燥は、お肌にも喉にも大敵で加湿器は必需品です。自分が欲しいところに簡単に移動させることができるコンパクトな加湿器で電源いらずだと、エコで便利ですね。それが、「ひのきの加湿木」です。加湿器ではなく、加湿木なのは、薄く削ったひのきで加湿するからです。
お花にまつわる演出や教室などの活動をされているUZU「花育花笑」とともに作ったそうで、ひのきをカンナで薄く削り、葉っぱの形をイメージして仕上げられています。
使い方は、100ccほどの水を入れた器に挿しておくだけで、ゆっくり自然に加湿してくれます。電気を使わず、手軽に持ち運べるので、自宅はもちろん、オフィスのデスク周りや、出張や旅行にも便利です。ホテルは、乾燥しがちですし、手仕事の温かみが感じられ、ほっと一息つけるかもしれませんよ。
■5:どこでも快適にメイクができるよう工夫された「化粧箱」
中川政七商店が、スキンケアやメイクをする場所を調査した結果、洗面台派とリビング・ダイニング派に大きく二つに分かれることがわかったんだそう。
洗面台なら鏡も収納も沢山ありますが、必ずしもそうでないリビング・ダイニングでの使用も考え、デザインされているのが、この「化粧箱」です。
テレビを見ながら、洗濯しながら、子どもの様子を見ながらなど、特に多忙な働く女性のながらメイクを想定し、さまざまなスペースで快適にメイクができる工夫がなされています。
使い勝手にあわせて変化
例えば、鏡です。化粧箱と自分の座る高さによって、見やすい鏡の角度へと3段階で調節できます。手鏡として使うときに、直接、鏡に指が触れて鏡自体が汚れないよう余白も作られています。
「化粧箱」の大きさは、ひとそれぞれ多さの異なるメイク道具でそのどれにも対応でき、収納箱としてちょうどよさを目指したんだそう。A4サイズ以上の本棚に収まるサイズで、蓋をしてしまえば、化粧箱とはわからずインテリアに馴染みます。置く場所を選ばないのもおすすめしたいポイントです。
木製で、開け閉めがなめらかにできるのは、1500年の歴史を持つ越前漆器の産地で長く漆器の木地づくりをされている鯖江市「ヤマト工芸」の職人さんたちの手仕事のなせる業。この製品にも、匠の技がいきているのです。
すでに、ECサイトの予約分が完売するほど大人気アイテムです。一般販売は2020年3月末からスタート。春のメイクを変えるのもいいですが、化粧箱を変えると、メイクするときの気分が変わりそうです。
工芸品というと、今のライフスタイルの中で使うのは難しいのではないかと思いますが、新たな技術やデザインと出会うことで、趣のある暮らしの道具に生まれ変わります。新生活での、ちょっと丁寧な暮らしのため、ぜひ、チェックしてみてください。
※掲載した商品の価格は、すべて税抜です。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 林 ゆり