ある日、自分で淹(い)れるドリップ珈琲がまったくおいしくないと気づいた。そこでネット検索し、抽出時間を長くすれば?と思い、ドリップ・スタンドを自作し、実験用ガラスロートと三角錐ペーパーにたどり着ついた。

焙煎店探しから始まるドリップ珈琲の愉しみ

自作のドリップスタンドで淹(い)れているドリップ珈琲。
自作のドリップスタンドで淹(い)れているドリップ珈琲。

そんなとき、下北沢の「筋金珈琲焙煎所(当時は「カフェ・ユーズ」)で、店主の古市敬さんがすすめる「スジガネ・ブレンド」を入手。そのガツンとくる苦みと深い旨みに衝撃を受けた。

同店は2004年「カフェ・ユーズ」としてオープンしたが、自分の味を出したいと焙煎中心にシフト。昨年、「筋金珈琲焙煎所」と改名した。「珈琲も料理だから自分にしか出せない味を出したい。だから基本はブレンド。一口飲んでおいしいと言える味。それ以上の言葉はいりません」(古市さん)

ここから始まった私の焙煎珈琲店探し。この奥深い珈琲の迷宮を、しばし彷徨ってみるのも悪くない。

筋金珈琲焙煎所

住所/東京都世田谷区北沢3-31-3 TEL:03-3466-5058 月曜定休 HP/http://cafeuse.com/
住所/東京都世田谷区北沢3-31-3 TEL:03-3466-5058 月曜定休 HP/http://cafeuse.com/

「祖父のバイク屋を孫がカフェに改装した」という架空の物語に基づく店はモヒカンテンチョー古市さんの趣味が炸裂する異空間。貼り紙もじっくり読みたい。

イタミコーヒー

京王めじろ台駅から徒歩3分ほどの住宅街に静かにたたずむ、渋い焙煎専門店。住所/東京都八王子市めじろ台1-7-1 TEL:042-649-5058 日曜定休 HP/http://itamicoffee.la.coocan.jp/
京王めじろ台駅から徒歩3分ほどの住宅街に静かにたたずむ、渋い焙煎専門店。
住所/東京都八王子市めじろ台1-7-1 TEL:042-649-5058 日曜定休 HP/http://itamicoffee.la.coocan.jp/

焙煎店を探し、近所で見つけたのが「イタミコーヒー」。開店は2008年。店主の伊丹順司さんは銀座の名店「十一房珈琲店」で約13年修業して独立。開店1か月前までは喫茶店にと思っていたが、結局、焙煎専門にしたという。私は最初に買った「タンザニア タリメ 深煎り」に心酔。その後、他産地の中深煎りなども試したが、結局、これに戻る。

単一銘柄に加えブレンドもある。特価品に掘り出しものアリ。
単一銘柄に加えブレンドもある。特価品に掘り出しものアリ。

焙煎急行 経堂駅

開店は7年前。「最初はテイクアウトもしましたが紙カップの匂いが気になり、来店が土日に集中するので豆一本に」(大西さん)住所/東京都世田谷区経堂1-11-5 TEL:03-3429-8195 火曜定休
「最初はテイクアウトもしましたが紙カップの匂いが気になり、来店が土日に集中するので豆一本に」(大西さん)
住所/東京都世田谷区経堂1-11-5 TEL:03-3429-8195 火曜定休

ぶらり街探索で見つけた「焙煎急行 経堂駅」。好みの味を伝え、豆と煎りの深さを選び、その場で焙煎する。「好みの豆を探すのは自分探し。最初でど真ん中は難しくても、ストライクゾーンには入れたいです。だから一度であきらめないで」(店主・大西武司さん)私もまだど真ん中に当たってないが、これから大西さんと共に豆と煎りを探求していこう。

ストックは約60種。店頭には27種+αで約30種の生豆を展示。
ストックは約60種。店頭には27種+αで約30種の生豆を展示。
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PHOTO :
堀内僚太郎
WRITING :
名畑政治