「然々」ってどんなこと? 全然知らない漢字ではありませんよ
本日3月29日は「マリモ記念日」です。1952(昭和27)年のこの日、北海道阿寒湖のマリモが、国の特別天然記念物に指定されました。
実はマリモ、世界の観葉植物愛好家に注目されている、世界的トレンド候補なのだとか。コロリと丸い形状に、深く落ち着きのあるグリーン。水中にたたずみながら時々浮上してくる(光合成によって発生した酸素がマリモの体に多くつくと起こる現象)風情など、とてもかわいらしいので、注目されているのもうなずけますね。
本日は「特別天然記念物」という言葉に関係した難読漢字クイズといたしましょう。
【問題1】天然の「然」の意外な読み方は?
「然々」という日本語の読み仮名をお答えください。
ヒント:「わかりきったこと」「必要のないこと」を省略する時に使用する言葉です。
<使用例>「彼女、また遅刻した上に言いわけしようとするから、『然々の理由で遅刻する、って、事前にメールでも入れておいて!』って、つい怒ってしまったわ!」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 然々(しかじか) です。
「かくかく然々」「これこれ然々」などの言い回しもありますね?
「わかりきったことなどを、省略する時の表現」です。
ヒントの使用例のように「聞く必要もないようなわかりきったこと、どうでもいいこと」を省略したい時に用いたり、小説などで、作中にすでに描かれた経緯を新たな登場人物に改めて説明するシーンなど、「AはBにことのてんまつをこれこれ然々、と伝えた」と書けば事足ります。
「然々」は、繰り返したときだけの特別な読み方ではなく、「然(しか)り」「然(しか)し」という表現もあります。
「然り」は「そうである」という意味で、
「然し」はその否定形を伴う接続詞「そうであるけれども」という意味なので、
「然(しか)」は「そうである、という状態」を示す言葉です。
これが重なった「然々(しかじか)」は、「そういうことがあって」という事象を並べて説明している様子を表現する省略言葉、という事になります。
さて、2問目と参りましょう。
「特別天然記念物」という言葉、話し言葉の中で「この人、特別天然記念物だから」など、親しみを込めて「独特の面白さを持ち合わせた希少なタイプの人」を表現する時にも使われますよね?
「希少」とは「希(まれ)で少ない」ことを表しますが、「希」という字にも、意外な、そして素敵な読み方があるのです。
【問題2】「希う」ってなんと読む?
「希う」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「希望(きぼう)」という言葉の意味は「望むこと」+どんなこと?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は・・・ 希(こいねが)う です。
ちょっと難しかったですね。
それにしても「希」という字、名前にもよく使われる大変馴染み深い漢字なのに、「希(こいねが)う」という読み仮名をご存知の方は、意外と少ないと思います。
「希(まれ)」は「非常に珍しい」「数や頻度が少ない」という意味で、プラスともマイナスとも考えられるイメージですが、
「希(こいねが)う」は、「熱望される」という、大変プラスなイメージですよね?
「こう」と「ねがう」の二つの意味を持っていることで、意外、かつインパクトの強い読み仮名でもあります。
パワーを持った言葉は、覚えておくだけでいい気分になりませんか?(笑)
「希」の字が入ったお名前の方にお会いしたら、この難読トリビアを話題にすると、素敵な関係を築くきっかけになるかもしれませんね!
本日は「マリモ記念日」にちなんで、
・然々(しかじか)
・希(こいねが)う
という難読漢字をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱