「テレワーク」「リモートワーク」…何がどう違うの?「在宅勤務」はその日本語訳?
新型コロナウィルス感染防止の対策として「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」などの働き方が推奨されています。
「なるべくテレワークでお願いします」…会見やニュースで、特に当たり前に使われるようになった「テレワーク」という言葉ですが、皆さま、正確な意味はご存知ですか?そもそも「テレ」ってなんでしょうか?
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「テレワーク」の「テレ」って何?
「テレワーク」の「テレ」と同じ意味を持つ「テレ」のつく言葉を、以下の4つの選択肢の中から、すべてお選びください。
1:テレフォン(電話)
2:テレパシー(精神感応)
3:テレビ
4:テレスコープ(望遠鏡)
※答えはひとつとは限りません。
さて、正解はどれ?そしていくつあるでしょうか?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 1:テレフォン(電話)、2:テレパシー(精神感応)、3:テレビ、4:テレスコープ(望遠鏡) の4つすべてです!
「テレ=tele」とは、「遠く、遠隔の」という意味を持つ、英語の接頭辞。ギリシャ語の「tele(遠く)」に由来します。
「テレワーク」も選択肢にあげた4つの言葉も、すべてこの「tele(遠く、遠隔の)」という意味を持つ複合語になります。
まずは選択肢の言葉の成り立ちを確認して参りましょう。
1:テレフォン は、「遠くの」+「音(phone)」で、「遠くの音を聞くもの=電話」を意味します。
※最近では「phone=電話」という意訳に進展している向きも出ています。
2:テレパシー は、「遠くの」+「(接尾語で)感情(-pathy)」で、「精神感応」
3:テレビ は、「テレビジョン」の略語ですので、「遠くの」+「見るモノ(vision)」
4:テレスコープ は、「遠くを」+「(接尾語で)知的、研究活動の及ぶ視野(-scope)」で、「望遠鏡」
…という意味、成り立ちの言葉になります。
そして「テレワーク」は「遠隔の」+「働く」で、「職場・オフィスから離れた場所での仕事」という意味になります。
日本では特に、「テレワーク=情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」と、一般社団法人日本テレワーク協会により定義されています。
…というところで、2問目は「リモートワーク」という言葉をひもときましょう。
【問題2】「リモートワーク」の「リモート」って何?
「リモート」という外来語の意味は、以下のどちらでしょうか?
1:遠隔の
2:自動の
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 1:遠隔の です。
つまり、「テレワーク」と「リモートワーク」はどちらも「職場・オフィスから離れた場所での仕事」という、同様の意味を持つ言葉です。
「リモート」は特にIT業界で以前から使われてきた外来語で、オフィスなどにあるメインのコンピュータを「ローカル」と呼ぶのに対し、そこにアクセスしつつ遠隔地で作業するためのコンピュータを「リモート」と呼んだりします。
一般的にも、以前は「リモートワーク」のほうが「テレワーク」より浸透度の高い言葉でしたが、昨今、東京五輪に向けて、政府主導の取り組み『テレワーク・デイズ(企業にテレワークの導入を呼びかける運動)』が行われたことにより、「テレワーク」という言葉が台頭してきたわけです。
「在宅勤務」は、「テレワーク」や「リモートワーク」の中の働き方のひとつ、ということになります。
「在宅勤務」のほか、モバイルワークや、サテライトオフィス、コワーキングスペースなどで仕事をすることも、「テレワーク」「リモートワーク」の一環です。
本日は、最近よく耳にするけれど、意外と正確な意味を説明しにくい言葉
・テレワーク
・リモートワーク
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱