ブレゲ・スタイルが最も純粋に表現されているのが、タイムレスな気品を受け継ぐクラシックコレクションだ。その象徴であり、歴史的な時計から着想した「クラシック 7137」と「クラシック 7337」を、ブランドの得意とする技術のひとつである伝統的なギヨシェ彫りを使い、新たなタイムピースへと昇華させている。
シルバー仕上げのゴールド製ダイヤルと“ブレゲ・ブルー”のゴールド製ダイヤルは2020年の新作。それぞれ異なるギヨシェ彫りの模様によって、時刻などの判読を容易にし、先端に丸いモチーフを配したブレゲ針やローマ数字によって視認性も高められている。
時計史に革新の足跡を刻む、天才時計師ブレゲによる「クラシック」の原点
ペルペチュエル No.5が現代に颯爽と甦る
ダイヤルの判読に有効なデザイン・コードとして、ブレゲが手彫りギヨシェ模様を採用したのは1786年のこと。「クラシック 7137」の原点となる自動巻懐中時計「ペルペチュエル No.5」には、精緻で美しいギヨシェ模様があしらわれている。
現代でもブレゲの職人は、2世紀前と同じように、ギヨシェ彫り機を操って円形の装飾模様を彫り込み、直線には“直線機”を使って模様を手作業で刻んでいく。新作の「クラシック 7137 REF. 7137BB/Y5/9VU」では、パワーリザーブ表示に編み籠の模様の「パニエ」、日付表示に市松模様の「ダミエ」、ダイヤルの主要部分には鋲打ちに似た模様「クル・ド・パリ」が施される。ホワイトゴールド・モデルのダイヤルはブレゲ・ブルーに彩色され、ローズゴールド・モデルのダイヤルは、シルバーのパウダーと柔らかいブラシで仕上げられている。
至高のクォーター・リピーターウォッチ「No.3833」をオマージュ
「クラシック 7337」のオフセンター・ダイヤルは、1812年頃から懐中時計に導入され、1823年には、現在パリのブレゲ・ミュージアムに展示されているクォーター・リピーターウォッチ「No.3833」が登場する。6時位置にオフセットされたチャプターリングや、12時位置のムーンフェイズが特徴的で、このダイヤルレイアウトが現在のブレゲの「クラシック 7337」に採用されている。
手彫りのギヨシェ装飾も多彩で、時間のチャプターリングの縁には麦粒のような模様「グレンドルジュ」、スモールセコンドには市松模様「ダミエ」、中央部には「クル・ド・パリ」を使用。さらにムーンフェイズに用いられたラッカー仕上げの空は彫金による雲で見事に区切られ、輝くドットが銀河を連想させる。また、「クラシック 7137」月を表現したゴールド製ディスクのデザインも刷新され、シャイニーとマットの組み合わせによって立体感のある月のレリーフを実現。10時位置に曜日、2時位置に日付の表示窓のあるレイアウトは、「No.3833」を彷彿とさせる。
薄型ケースによって腕に馴染み卓越の装着感
18世紀末の伝統に倣い、ダイヤルに時計の個別番号を記し、シークレットサインを刻印。側面にフルート装飾を施したスリムなケースにはゴールド製ローターにもギヨシェ彫りの装飾を施した超薄型のキャリバー502.3を搭載。驚くほど薄いムーブメントは、蓋のない香箱とオフセットしたローターによって実現され、特殊な設計により、通常は隠れてしまう主ゼンマイがはっきり見分けらる。
また、最新の技術研究を反映したシリコン素材のひげゼンマイにも、常に高精度を求めたアブラアン-ルイ・ブレゲの探求心が継承されている。サファイア・ケースバックからは、手作業で装飾された超薄型の自動巻キャリバー502.3の鼓動を見ることもできる。レザーストラップは、強度と快適な装着感を両立したカーブをもつロウ付けのラグに固定されている。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター