自宅などでの待機を余儀なくされている人たちに、そして舞台芸術を愛する人たちに向けて、新国立劇場の過去の公演記録映像を無料ストリーミング配信する期間限定のサービス「巣ごもりシアター」。まずは、オペラ公演から『魔笛』『トゥーランドット』『エウゲニ・オネーギン』の3作品が順次配信されることになった。第1弾『魔笛』は4月10日にスタートして大きな反響を得ているが、続いて、第2弾『トゥーランドット』の配信が17日15時から始まる。
観どころ、聴きこどころ、話題満載。オペラファンならずとも見逃せない大スペクタクル
『トゥーランドット』は、古代中国を舞台にした寓話を、19世紀末から20世紀にかけてのオペラ史にその名を残すジャコモ・プッチーニがエキゾティズム溢れる音楽で壮大に描いた作品。世界中の歌劇場でこぞって上演されているが、今回配信されるのは、新国立劇場オペラ芸術監督 大野和士氏が自ら企画の采配をふるった2018/2019シーズンの“新制作”。スペインの前衛パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの芸術監督のひとり、アレックス・オリエが演出を手掛けたことでも注目されたヴァージョンだ。
トリノ・オリンピックで荒川静香選手が金メダルを獲得した曲としても知られる「誰も寝てはならぬ」をはじめ、アリア、二重唱、大合唱と聴きどころも満載の『トゥーランドット』。タイトル・ロールは「世界で5本の指にはいる『トゥーランドット』歌い」だと大野芸術監督が言うイレーネ・テオリン。若手逸材のテオドール・イリンカイや、日本が世界に誇る歌姫、中村恵理などの登場も見逃せない。
オーケストラ・ピットに入るのは、大野和士氏が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団。タクトを振る大野氏の姿も、もちろん観ることができる。
最後に、このヴァージョンの最大の見せ場をお伝えしておこう。『トゥーランドット』はプッチーニ生涯最後のオペラであるが、彼は作曲中に癌におかされ、完成させることなく65歳の生涯を閉じている。そのためフィナーレは、フランコ・アルファーノが補筆したヴァージョンで上演されるのが一般的。しかし、演出家のアレックス・オリエは、そこに大胆な解釈を加えた。大きな話題を巻き起こした、その衝撃の結末とはいかに。自分の目で確かめたい。
G.プッチーニ作曲 オペラ『トゥーランドット』
2018/2019シーズン(2019年7月20日上演)
全3幕イタリア語上演/日本語字幕付。
配信日時:2020年4月17日(金)15:00から24日(金)14:00
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※動画視聴に伴う通信料は視聴者の負担となります。
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配信前にこれらを見ておけば、オペラ『トゥーランドット』の聴きどころや観どころがわかり楽しみが深まる。
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- TEXT :
- 堀 けいこ ライター