「くにくの策」ってよく言うけど、どんな字? 間違えて書いたら赤っ恥です!
本日5月8日は、語呂合わせも大変わかりやすい「ゴーヤーの日」です。別名は「苦瓜(にがうり)」、沖縄や南九州で古くから食されていた野菜ですが、最近では全国のスーパーでも手に入るほど普及していますよね?
ビタミンCや鉄分、食物繊維が豊富で、食欲が落ちやすい暑い季節にも消化を助け、食欲を促す成分「モモルデシン」が、独特の苦みの素になっています。
食用だけでなく、家庭園芸にも適した植物、ということで、猛暑をやわらげる「緑のカーテン」として窓辺で栽培される方も増えています。夏場でも生き生きとしげるゴーヤーに癒される方も多いのでは?
本日は「ゴーヤー=苦瓜」の「苦」という字に注目した、日本語クイズをお送りします。
【問題1】「苦る」ってなんと読む?
「苦る」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「不愉快な顔をする」という意味の日本語です。
<使用例>「ここまで業績が落ち込んでいたなんて…。社長が苦るのも当然ね」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 苦(にが)る です。
「苦々しく思う。不愉快なようすをする」という意味のわかりやすい日本語ですが、昨今、あまり聞かなくなりました。
意外と耳にするのは「苦(にが)り切(き)った表情」という言い回しです。こちらは「苦る」がさらに進んだ「苦り切る」という表現を使った言い方で、「ひどく不愉快な顔つき」という意味になります。
「苦(にが)い」という表現で人のようすや顔つきを表すと、このように「不快」なものばかりかといえばそうでもなく、
「苦(にが)み走(ばし)る」は「(主に中年・壮年男性の)厳しく引き締まった、渋みのある顔立ちや表情」と、どちらかというと誉め言葉になります。
「苦」にまつわる日本語には、独特の苦みがおいしさにつながる、ゴーヤーのごとき面白みがありますね(笑)。
さて、2問目と参りましょう。
【問題2】「くにくの策」の「くにく」はどんな感じ?
「苦しまぎれに考え出した手立て」という意味の慣用句「くにくの策(さく)」の、「くにく」の正しい漢字表記を、以下の選択肢の中から選んでください。
1:苦に苦
2:苦憎
3:苦肉
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 3:苦肉 です。
「苦肉の策」という慣用句は、中国の古い兵法書『兵法三十六計』に記載されている戦術のひとつ『苦肉計(くにくけい、くにくのけい)』に由来します。「敵を欺くため、わざと自分の身を傷つけて敵陣の事情を探る計略」という意味から、「苦しまぎれに考え出した手立て」も表すようになりました。
後者の意味から、「苦に苦」と、「苦」を重ねた漢字表現を連想している方が意外と多いようですが、
「自分の身体(肉)を傷つけ(苦しめ)る」という漢字「苦肉」が正解です。
うっかり書き間違えないよう、お気をつけください。
本日は、5月8日『ゴーヤーの日』にちなんで、ゴーヤーの別名・苦瓜(にがうり)の「苦」の字を含む、意外な日本語
・苦(にが)る
・苦(にが)り切(き)る
・苦(にが)み走(ばし)る
・苦肉(くにく)の策(さく)
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱