先が見えない時代だからこそ、本当に美しいスーツの必要性は高まっている。やはり時代に流されないスーツこそが、本当に選ぶべきスーツである。ネイビーやグレー男の魅力を引き立ててくれるスーツを紹介する。

今、選ぶべきスーツとは?

オフィシャルに必須の「ネイビーストライプスーツ」

オーソドックスなシングルふたつボタンで、上質なウールのものを!スーツ¥370,000・シャツ¥69,000・タイ¥24,000・チーフ¥20,000(ゼニア カスタマーサービス〈エルメネジルド ゼニア〉)時計¥2,400,000(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
オーソドックスなシングルふたつボタンで、上質なウールのものを!スーツ¥370,000・シャツ¥69,000・タイ¥24,000・チーフ¥20,000(ゼニア カスタマーサービス〈エルメネジルド ゼニア〉)時計¥2,400,000(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)

正統派のネイビースーツは、オフィシャルな場で最も信頼感を得られるスタイルである。今季は、しなやかなウールを使った、細いストライプを配したデザインを選びたい。ストライプのスーツといえば、古くからバンカーズストライプと呼ばれるように、ロンドンの金融街で働く紳士たちに愛され続けてきた格式あるスーツだが、今季はシャープなラペルをデザインしたモダンなスーツが狙い目。コーディネートは、淡いブルーのシャツに、同系色のストライプタイを合わせ、胸元をクリーンに表現する。紳士を極める意味でも、まずネイビーストライプで。

正統かつモダンな「グレンチェックスーツ」

大きな柄のグレンチェックでクラシックを新鮮に!スーツ¥590,000・シャツ¥60,000・タイ¥30,000・チーフ¥22,000・靴/参考商品(トム フォード ジャパン) 時計¥1,300,000・ストラップ¥75,000(トム フォード タイムピース)
大きな柄のグレンチェックでクラシックを新鮮に!スーツ¥590,000・シャツ¥60,000・タイ¥30,000・チーフ¥22,000・靴/参考商品(トム フォード ジャパン) 時計¥1,300,000・ストラップ¥75,000(トム フォード タイムピース)

グレンチェックは、別名〝プリンス・オブ・ウェールズ〟といい、かつてウィンザー公が好んだ究極の紳士のスーツである。小さな格子から大きな格子までそろい、柄が大きくなればよりカジュアル感が増す。その意味では、オフィシャルからカジュアルなシーンまで網羅できる伝統的な柄となる。今季は、大きめのグレンチェックを選ぶ。シングルのピークドラペルをデザインしたスーツは、トラッドな表情に加え、現代的だ。清潔感のある白シャツに、モノトーンのギンガムチェックのタイを合わせ、シックなスタイルを楽しむ。ビジネスに厳しくも、洒落た男を演じる。足元は迷うことなく黒靴で。

春夏スーツの新機軸「ブラウンコットンスーツ」

紳士がまとう第3の色で、ビジネスに新鮮さをもたらす。スーツ¥160,000〈ジャンフランコ ボメザドリ〉・シャツ¥36,000〈ラボラトリオ ナポレターノ〉・タイ¥16,000〈アーディ&シー〉・チーフ¥6,800〈パオロ アルビザッティ〉・靴¥125,000〈エンツォ ボナフェ〉/以上ビームス六本木ヒルズ 時計¥1,260,000(カルティエ カスタマー サービスセンター)
紳士がまとう第3の色で、ビジネスに新鮮さをもたらす。スーツ¥160,000〈ジャンフランコ ボメザドリ〉・シャツ¥36,000〈ラボラトリオ ナポレターノ〉・タイ¥16,000〈アーディ&シー〉・チーフ¥6,800〈パオロ アルビザッティ〉・靴¥125,000〈エンツォ ボナフェ〉/以上ビームス六本木ヒルズ 時計¥1,260,000(カルティエ カスタマー サービスセンター)

ネイビーやグレーに比べ、ブラウンは、紳士の服飾のルールにおいて、伝統的にカントリーサイドの色彩とされるため、カジュアルな雰囲気がある。それはまさに、今のファッションの気分と合致する。生地は爽やかなコットンを選べば、秋冬のイメージは払拭され、春夏らしい色合いに変化する。肉厚のコットン生地を使ったダブル6ボタンのスーツに、ワイドカラーの白シャツを合わせ、ブラウンのソリッドタイを締めれば、ビジネスにも対応する、凜々しくも軽やかなスタイルを表現できるだろう。

週末はカジュアルに「ソラーロ」を着る

思っているほど難しくない、軽快な玉虫色の着こなし。スーツ¥290,000〈スティレラティーノ〉・シャツ¥16,000〈ブリッラ ペル イル グスト〉・タイ¥15,000〈ジエレ〉・チーフ¥6,800〈フランコ バッシ〉/以上ビームス 六本木ヒルズ 時計¥1,260,000(カルティエ カスタマー サービスセンター)

スーツを着用したときの印象は、生地の色と素材感でほぼ決まってしまう。それほどまで、生地選びはポイントになる。シングル3ボタン段返りのオーセンティックなスタイルのスーツでも、光の加減で生地が玉虫色に変化するソラーロ素材を選ぶと、際立つ個性と軽快な雰囲気を、案外簡単に表現できるのだ。ソラーロの複雑な色合いと相性のいい、淡いトーンのライラックのシャツを合わせ、今大人気のストライプの幅を広くデザインしたパネルタイで旬な着こなしを演出する。週末にも似合う爽やかなスーツで、クラシックの世界を幅広く楽しんでみよう。

※価格はすべて税抜です。

<出典>
MEN'S Precious2020春号「世界の腕利き職人がこの一冊に凝縮!クラフツマンシップの名品図鑑」
【内容紹介】世界のクラフツマンシップと心優しき名品たち/新しいスーツとジャケットの教科書/ル・コルビュジエとは何者だったのか?/ジョンロブの永世名品『ウィリアム』の未来/ジャイアント馬場はジェントルマン馬場だった!ほか
2020年4月6日発売 ¥1,230(税込)
この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2020年春号より
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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PHOTO :
熊澤 透
STYLIST :
櫻井賢之
HAIR MAKE :
MASAYUKI(the VOICE)
MODEL :
Cuba
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