先が見えない時代だからこそ、本当に美しいスーツの必要性は高まっている。やはり時代に流されないスーツこそが、本当に選ぶべきスーツである。ネイビーやグレー男の魅力を引き立ててくれるスーツを紹介する。
今、選ぶべきスーツとは?
オフィシャルに必須の「ネイビーストライプスーツ」

正統派のネイビースーツは、オフィシャルな場で最も信頼感を得られるスタイルである。今季は、しなやかなウールを使った、細いストライプを配したデザインを選びたい。ストライプのスーツといえば、古くからバンカーズストライプと呼ばれるように、ロンドンの金融街で働く紳士たちに愛され続けてきた格式あるスーツだが、今季はシャープなラペルをデザインしたモダンなスーツが狙い目。コーディネートは、淡いブルーのシャツに、同系色のストライプタイを合わせ、胸元をクリーンに表現する。紳士を極める意味でも、まずネイビーストライプで。
正統かつモダンな「グレンチェックスーツ」

グレンチェックは、別名〝プリンス・オブ・ウェールズ〟といい、かつてウィンザー公が好んだ究極の紳士のスーツである。小さな格子から大きな格子までそろい、柄が大きくなればよりカジュアル感が増す。その意味では、オフィシャルからカジュアルなシーンまで網羅できる伝統的な柄となる。今季は、大きめのグレンチェックを選ぶ。シングルのピークドラペルをデザインしたスーツは、トラッドな表情に加え、現代的だ。清潔感のある白シャツに、モノトーンのギンガムチェックのタイを合わせ、シックなスタイルを楽しむ。ビジネスに厳しくも、洒落た男を演じる。足元は迷うことなく黒靴で。
春夏スーツの新機軸「ブラウンコットンスーツ」

ネイビーやグレーに比べ、ブラウンは、紳士の服飾のルールにおいて、伝統的にカントリーサイドの色彩とされるため、カジュアルな雰囲気がある。それはまさに、今のファッションの気分と合致する。生地は爽やかなコットンを選べば、秋冬のイメージは払拭され、春夏らしい色合いに変化する。肉厚のコットン生地を使ったダブル6ボタンのスーツに、ワイドカラーの白シャツを合わせ、ブラウンのソリッドタイを締めれば、ビジネスにも対応する、凜々しくも軽やかなスタイルを表現できるだろう。
週末はカジュアルに「ソラーロ」を着る

スーツを着用したときの印象は、生地の色と素材感でほぼ決まってしまう。それほどまで、生地選びはポイントになる。シングル3ボタン段返りのオーセンティックなスタイルのスーツでも、光の加減で生地が玉虫色に変化するソラーロ素材を選ぶと、際立つ個性と軽快な雰囲気を、案外簡単に表現できるのだ。ソラーロの複雑な色合いと相性のいい、淡いトーンのライラックのシャツを合わせ、今大人気のストライプの幅を広くデザインしたパネルタイで旬な着こなしを演出する。週末にも似合う爽やかなスーツで、クラシックの世界を幅広く楽しんでみよう。
※価格はすべて税抜です。

- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年春号より
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- PHOTO :
- 熊澤 透
- STYLIST :
- 櫻井賢之
- HAIR MAKE :
- MASAYUKI(the VOICE)
- MODEL :
- Cuba