日本全国で多い日には一日8万本以上の売り上げを誇り、食パンブームの先駆けとして知られる、高級「生」食パン専門店「乃が美」。西の「乃が美」、東の「銀座 に志かわ」と呼ばれ、たびたびメディアにも取り上げられるなど、全国にその名を轟かせています。
2013年に大阪で創業して以来、評判が評判を呼び、全国規模で順調に店舗数を拡大。2018年に麻布十番店にて東京初出店を果たし、ついに2020年6月の秋田県出店をもって、悲願の全国47都道府県制覇を達成します。
素材にとことんこだわり、一本800円という食パンとしては破格の値段で真っ向勝負に挑んだ「乃が美」。業界の常識を覆す戦法ながら、昨今の食パンブームをけん引する存在にまで上りつめたのはなぜなのでしょうか。
おいしさの秘密やこだわりから、創業のきっかけ、店名に込めた想いまで、「乃が美」についてもっと知りたくなる3つのエピソードをご紹介します。
なぜ「乃が美」は全国制覇できたのか?その人気の理由とは
■1:一度食べたらやみつきになるしっとりもちもちの食感! 「生」食パンの美味しさの秘密
食パンといえば、トースターで焼いて、その上にマーガリンやジャムをのせて味わって食べるのが一般的なイメージですが、「乃が美」の食パンは、そのまま焼かずに食べる「生」食を推奨しているのが特徴です。
「生」食パンの秘密は、卵は不使用、小麦粉は最高級品のみというストイックなまでの素材へのこだわり。オリジナルブレンドの小麦粉を使用し、生クリームやバターも徹底して素材を吟味しています。
そして、こだわり抜いた素材を生かすべく、生地をきちんと休ませる、焼き上がり後はほどよく冷ますといった丁寧なつくり方で、「腰折れ」と呼ばれるパンづくりの常識では考えられない、ぎりぎりのやわらかさを実現。一度食べたらやみつきになるしっとりもちもちの食感が、多くのファンをひきつけています。
2年がかりの試行錯誤を経て誕生した極上の食パンは、ご年配の方からお子様まで、多くの人に親しまれ、おみやげや差し入れにも喜ばれています。
■2:「耳まで柔らかいふわふわの食パンを食べさせてあげたい」究極の食パンの誕生秘話
創業のきっかけは、さまざまなお店を経営した創業者が「どうせなら多くの人に愛されて、歴史に残る日本一のものをつくりたい」と考え、「長く愛されるものってなんだろう」と振り返ったときに思い浮かんだふたつのできごとです。
ひとつは、創業者が定期的に慰問していた老人ホームで耳にした「食べているときと笑っているときが一番幸せ! でも朝食に出るパンは耳が固くて食べられない」というおじいちゃん、おばあちゃんの声。もうひとつは、娘が卵アレルギーで食物の制限があり、パサパサのパンを食べるところを気にかけていたこと。
ふたつのできごとをきっかけに生まれたのが「『耳まで柔らかいふわふわの食パン』を食べさせてあげたい」という願い。こうして、卵を一切使わないのに柔らかくてほんのり甘い、究極の食パンが誕生しました。
開店当初は身内にすら「一本800円の食パンなんて誰が買うねん」と笑われたこともあったのだとか。それでも、試食した人たちが「おいしい!」と笑顔になるのを見て、味への自信が揺らぐことはなかったのだそうです。
次第に、アレルギーのお子さんをもつ親御さんやお年寄りの方から「ここのパンしか食べられない」という言葉を聞くようになり、創業時に目指していたことがお客さんの実体験を伴って返ってくるように。
固い食べ物が苦手なおじいちゃん・おばあちゃん、卵アレルギーをもつ子ども。そんな人たちに向け、ほんの小さな思いやりで誕生した「乃が美」の食パンは、いつしか奇跡のパンとして唯一無二の存在になっていったのです。
■3:歴史に残る日本一の食パンブランドを目指して。絶対的に手づくりにこだわる「乃が美」の想い
「乃が美」が創業当時から目標にしていたのが、全都道府県にパン工場を併設した店をつくることです。
6月の秋田県出店をもって、全国47都道府県への出店は達成となりますが、最終目標は、すべての地域の人たちに「地元のパン屋さん」と思ってもらうこと。「乃が美」が絶対に大量生産はせず、どこの店にもひとつひとつ手づくりで焼きあげた食パンをならべることを厳守しているのは、ここに理由があります。
「すなわち、まさしく」という意味をもつ「乃」に、「姿、色が美しい、感動、美味い」という意味をもつ「美」。「食パンを通して日本一の感動をお届けする」という揺るぎない信念を社名に込めた「乃が美」は、今日も日本全国のお店で、多くの人を笑顔にする食パンづくりに励んでいます。
「Yahoo!検索大賞2017・2018・2019 食品部門賞」3年連続受賞や「パン・オブ・ザ・イヤー2016 食パン部門金賞受賞」と栄えある実績を誇る「乃が美」ですが、まだまだ満足はしていないとのこと。
「今後も変わらず皆様に愛されるパンを目指し、100年先も愛されるように、コツコツと当たり前ですが大切なことを続けていきます」と語り、歴史に残る日本一の食パンブランドを目指す高級「生」食パン専門店「乃が美」。今後の動向にも注目です。
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- Precious.jp編集部