「節榑立つ」ってなんと読む?「せっぱたつ」?…読めない!なのに、絶対知っている言葉です!
本日8月1日は、国土庁(現国土交通省)が定めた、節水を呼び掛ける『水の日』であるとともに、経済産業省が定めた『夏の省エネルギー総点検の日』でもあります。どちらも資源を尊ぶ気持ちを広くうながす記念日ですが、8月1日に重なっていることには、納得できる意義があります。
8月といえば真夏。暑さゆえに、日本人が1年のうちに最も水を使う月、最大電力を記録する月が、8月なのです。ですからその初日に注意喚起し、節約を呼びかけましょう・・・というわけです。
本日は「節約」の「節」という字の入った漢字クイズをお届けします。
【問題1】「節会」ってなんと読む?
「節会」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「季節の変わり目を祝う日や儀式のある日に行われる宴会」という意味の言葉です。
<使用例>
「実家の母の還暦祝いのお節会は『オンライン節会』にしようかしら?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 節会(せちえ) です。
「節」という漢字は「竹の節(ふし)」を表現しており、「区切り」を意味しますので、「節会(せちえ)」は「区切りを祝う日の宴会」という意味になります。
「節」という漢字が「節水」など「省エネルギー」的な意味合いで使用されるのは、この字に「けじめ」という意味もあるからです。直接的に「省エネルギー」「省(はぶ)く」「減少」などは意味しておらず、「けじめをつける=ちょうどよい区切りはどこなのか?を自分で線引きする」というような意味を持つのが「節」です。
「省いてください!」と言われるより、「ご自身でちょうどよい区切りを考えて行動してください」と言われるほうが、自分を試されている感があり、気が引き締まりますね。8月の節水と節電、心がけてまいりましょう。
さて、2問目です。
【問題2】「節榑立つ」ってなんと読む?
「節榑立つ」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「材木に節が多く、でこぼこしているさま。転じて、腕や指がごつごつしているさま。」という意味の日本語です。
<使用例>
「最近、私の手、節榑立ってきた気がするの。良いケア方法はないかしら?」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 節榑立(ふしくれだ)つ です。
ごつごつした手指の表現としては、お馴染みの言葉ですよね?漢字にすると、意外と難しい字なのですね。
「節榑(ふしくれ)」の「榑(くれ)」は材木のことで、「節榑」は「節(ふし)の多い材木」という意味です。
手指の印象の話題になると筆者が思い出すのは、竹宮恵子先生作の少女漫画『風と樹の詩』のワンシーンです。
ジルベールと並ぶもう一人の主人公・セルジュ(素直で誠実さのカタマリのような少年)が、重い荷物を運ぼうとする少女を「いけません、レディが。指が太くなる」と制止し、荷物を奪って自分が運ぶのです。設定は19世紀末の南仏です。セルジュ本人は女性を外見で判断するタイプではないけれど、貴族教育を受けた心優しく誠実な彼からは、庶民の少女に対しても呼吸するように、そうした「女性にすべき配慮」が出てしまうのです。…少女のころ、とてもときめき「私もハンドケアをしよう!」と思いました(笑)。
大人になった今では、大切にケアされた白魚のような指も、しっかりと働いてきた人生の重みを感じる節榑立った手も、それぞれの魅力があるのだ、とわかるようになりました。
本日は、『水の日』『夏の省エネルギー総点検の日』にちなんで「節約」の「節」の字にスポットをあて、
・節会(せちえ)
・節榑立(ふしくれだ)つ
という難読単語をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱